fall
落ちていく
ゆっくり、ゆっくり
落ちていく
地面が崩れるように
高い空から落ちるように
落ちていく
ただ視界が歪んでゆっくり落ちていくんだ
手を伸ばしたって掴めはしない
目を開けていても見えるのは黒い空気だけ
ぽたぽたと落ちる雫が流れるままに
ただ溢れるままに
もがいて苦しむという言葉が
ぴったりだった
地上に打ち上げられた魚のようで
口を開けて吸い込んでも
少しも入ってきてくれない
何度も訪れるこの静寂と孤独感
人を寄せ付けないのは自分自身なのにな
誰かの温度を恋しがって冷え切っているみたい
一度でいいから抱きしめてなんて
言うことを拒むこの口は人がきらいだと嘘をついて
今日も独りが好きなふりをするんだ




