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第三話「新たな任務」

「24世紀末 9月23日 東シナ海」


長時間、輸送ヘリに揺らて着いた先は、国連軍日本方面軍の最新鋭核融合航空母艦「しょうかく」だ。 ヘリのローターに掻き回された風に揺られながらヘリを下りた私はデッキ・クルーに誘導されて司令官公室案内された。


 司令官公室の中に案内された私は周囲を見回した。 中は豪華な作りになっているのがわかる。 床に敷き詰められた真っ赤な絨毯に部屋の真ん中には高級そうな質感がする長机が設置されていた。 


 長机には3人の男が座っていた。 将校の制服を着た、そのうちの一人が私に話しかけて来た。


「待ってていたぞ佐藤健太大尉、 私は国連軍アジア方面軍海軍司令の田中和正大将だ」


 田中大将は自己紹介を終えると私を呼んだ理由と目的を説明した。


 話が長いので説明を要約すると私は第二次福岡奪還作戦、沖縄奪還作戦、朝鮮連邦奪還作戦で数々の戦果を挙げ軍の上層部では結構な有名人だそうだ。 最近、諜報部がめったに戦場に姿を現さない自由連合軍の最高幹部の一人である李将軍が前線付近の基地に視察に訪れるとの情報を入手したため、 李将軍を暗殺の絶好のチャンスととらえた軍の上層部が国連軍の私を含める優秀な特殊部隊員を集めて暗殺任務を計画したそうだ。 


 私の他に集められた人間は2人いた。 1人はアメリカ人で名前はレイ・ジャクソン。 国連軍アメリカ方面軍第204特殊作戦部隊に所属しており、狙撃の名手だ。 彼はカナダ奪還作戦、欧州・中東戦線や南極奪還作戦に従軍して、 どんな遠距離からでも対象を1撃で仕留める技術が認められて、この作戦に選ばれたそうだ。 2人目はイギリス人で名前はスチュアート・トンプソン。 彼は国連軍欧州方面軍120特殊作戦部隊所属でアフリカ攻防戦や欧州・中東戦線や南極奪還作戦に従軍している。 彼は爆発物に詳しくアフリカ攻防戦では彼が仕掛けた爆弾で自由連合軍の航空基地の航空機を400機以上に損害を与えて、 自由連合アフリカ航空隊を壊滅状態まで追い込んだ実績からこの作戦に選ばれたそうだ。


 説明が終わり部屋を出て案内された自室に戻ると、 ちょうど夕食の時刻になり食事の時間を知らせるアナウンスが流れており、皆が食堂に向かっている様子だった。 私も自室から食堂に向かい席を探していると、手を振っている2人組が居た。


 私は彼らの居る席に着いた。 彼らは先程、 私と同じく長官公室に呼ばれた2人だった。 


「あんたが、 今回の作戦の隊長か?」


 最初に話しかけてきたのは、 レイ・ジャクソンだった。 彼はそう言ったあと私の体を見回してこう言った。


「本当に特殊部隊の兵士なんだろうな、 筋肉の付け方が全然なっていない」


 失礼な奴だ。 確かに彼は見た感じがハリウッド映画の主人公の様な筋肉ダルマで明らかに軍以外でも鍛えているようだが、 私だって何もしていないわけではない。 私はこの戦争が始まる前から日本国防軍の特殊作戦部隊にいて、 ほぼ2年にわたって訓練し戦士になる術を学び、実戦で数々の作戦を成功させてきたのだ。


「すみません、彼は筋肉馬鹿で初めて会った人には同じことを言うんです」


 スチュアート・トンプソンは私と彼の発言を聞いて、 揉め事にならないように彼の発言を補足した。


「うるさいぞ、 オマエが一番筋肉の付け方が全然なっていないぞ、 トンプソン!! 」


 確かにこの中で一番、 筋肉が無いのはスチュアート・トンプソンだ。 彼は見た目は特殊部隊の軍人と言うよりもインテリオタクのような見た目だ。 だが、彼はそんな見た目でもアフリカ攻防戦で自由連合航空隊を壊滅状態まで追い込んだのだから、 人間は筋肉で判断できない。 


 トンプソンはそう言われると軽く謝ると私とジャクソンに手を差し出しこう言った。


「筋肉の話はもう、 終りにしましょう。 明日は同じチームの仲間なんですから、 仲良くしましょう」


ジャクソンは少し不安そうに握手した。 私はトンプソンと握手しながら2人にこう言った。


「私は、明日の作戦でこのチームの指揮を執る佐藤健太大尉だ。 君達が私に対する不安などがあると思うが、 作戦時は我々は兄弟であり家族だ。 どんなに仲が悪くても君達のことを信頼して信用して背中を預ける。 明日は最高のチームとして戦おう」


 いつも、 新しいチームと作戦を行う時はこのセリフを言っている。 人間同士は初めて出会って仲が悪いこともあるだろうが、作戦を通じて行くうちに次第に仲良くなるものだ。 私が特殊部隊の隊長を務めてきた経験から、私が常に思っていることだ。


 この一連のやり取りでわかったのはレイ・ジャクソンは、狙撃が得意な筋肉馬鹿でスチュアート・トンプソンは礼儀正しく見た目に反して爆発物のプロフェッショナルだということだ。

 


 青海省は中国の内陸に位置しており、毛沢東の時代には対ソ連戦争を想定して工業地帯を配置していた場所だ。 現在は中華連合軍の最大拠点が青海省の中部にあるのだ。

 連合軍は現在、 この自由連合最大拠点を陥落させるべく展開している。 私達の任務はこの連合軍が展開している青海省の西部の外れにある自由連合軍の基地に視察に来る李将軍の暗殺だ。 私達は昨日、 食事を済ませてから明日に備えて、 直ぐに就寝した。 

 目が覚めるとすぐに艦内放送で呼び出され、 デッキへと向かった。


 受け取った装備を点検し問題がないことを確認した我々は、 デッキクルーに案内され3人は国連軍の垂直離着陸輸送機に搭乗した。


 中を見渡すと我々と以外の多数兵士が乗っていた、彼らは装備からすると空挺部隊の兵士であることが推測できた。


 「オイ、空挺部隊と同乗するなんて聞いてないぞ!!」


ジャクソンが不機嫌そうに言うと、空挺部隊の兵士も同じことを言いだしたのを見て、トンプソンが笑いながら言った。


 「ここからだと青海省までは距離が遠く、この人数で輸送機で直接行ける距離ではないでしょう、私たちの任務も目的も違う訳ですからどこか基地で降りて機体を乗り換えてから作戦が開始するのでしょう」


 それを聞いた空挺部隊兵士は納得した様子だったが、ジャクソンは納得していなかった。


 「事前に説明がなければわからないだろう? トンプソン!! オマエのその天才ぶった態度が気に入らないんだよ!!」


ジャクソンがトンプソンの胸ぐらをつかんだのを見て私は仲裁に入った。


「大事な作戦の前にくだらない喧嘩をしてる場合か? 私達は最高のチームでこれからお互いの背中を預け合うんだ、このくらいでことで揉め事を起こすな!!」


私は二人を引き離してからこう言った。 


「トンプソン、 頭が切れるのはいいことだが人を小馬鹿にするのはやめろ!! ジャクソン、人一倍パワーがあってさらに一流の狙撃手なのはわかるが、その短気な性格を改めたほうがいいぞ、本当の一流狙撃手はどんな時でも冷静さを欠かさないものだぞ!!」


ジャクソンは困った顔をしてから、笑いながら言った。


「わかった隊長、俺が悪かったすまなかった。 でも、これはジョークだから本気で怒るなよ!! 俺もそこまで馬鹿じゃない」


ジャクソンはトンプソンと握手をして抱き着いて見せた。


「俺たちは仲良しだろトンプソン!! それと特殊部隊の隊長はどんな時でも冷静さを欠かさないものだぞ隊長!!」


「見てください、あの騙された隊長の顔!!」


トンプソンが私に指をさすと搭乗していた全員が私のほうを向いて唖然としていた私の顔を見た瞬間、機内が爆笑の渦に包まれた。


私はどうもこの手のジョークが苦手だ。

学生時代からまじめな性格でクラスでもジョークを理解できずネタにされたことを思い出した。

それでもジョークを理解できるように努力をしたつもりだったが今回は上手く騙されたわけだ。


少ししてからパイロットが搭乗者のリストを確認して、輸送機のドアが閉まったことを確認すると垂直離着陸輸送機は離陸した。


この一連の出来事により空挺部隊とも意気投合してお互いの故郷の話などで盛り上がり、あっという間に目的地の空軍基地に到着した。

頑張って書いてなろうで一番の作品にしたいです!!

頑張りますね!!

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