第1話 とある中学校の下校中にて
小さい頃と言ってもまだ13歳と少しだが、大人びた性格だとか、大人しいとよく言われてきた。あえてそうしてるわけでなく友達同士の間では普通に喋る。はずだ.....多分.....。
中学校に入学して場の雰囲気が一新され新しい生活が始まった。僕こと「創 新生」は生まれが早く入学式の前には13歳を迎えていた。いつも誕生日が春休み中に終わるので誕生日パーティーは開いたことがないし、友達からプレゼントももらったことはない。この歳でもらはないのは変じゃないのかもしれないがいささか寂しかった。
小学校の時は友達もできたが両親が厳しく外で遊べる時間帯が早かったため他の人と比べると友達馴染みが遅れているような感じであった。中学校では親友と呼べるような人ができるといいなと思いつつ下校していた。前を歩いているのは同じクラスの「改 春樹」だ、小学校の時から同じクラスにもよくなりそれなりに喋る仲だったが、別の小学校から中学校に上がってきた人と最近はよく話してるみたいだった。小学校の時も前を歩いている彼とくらいしか話さなかった。その彼は別の小学校から上がってきた生徒とと話しに花を咲かせている。
信号が近くなって来たので僕は歩調を緩めたが前の2人はどうやら話しに夢中になっているようだった。交差点に差し掛かり前の方をぼんやりと眺めていると次の瞬間横からかなりの勢いで自動車が走って来た。そこからは衝動的だったのだろう僕は前を歩く「改 春樹」を突き飛ばした。激しい衝撃と痛みとともに僕は意識を失った。