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ソラディウスという存在
―ソラディウス。
世の中にはそう呼ばれる者がいる。
騎士の中でも限られた者しか成れない近衛士の最上級の地位にあたる。
しかし、誠実であれと謳われ、弱者には常に優しくと律される、騎士や近衛士とは根本的な違いがある。
―民を守る盾となれ。主の敵を討つ矛となれ。
彼らに求められるのは騎士の叙勲式で求められる、一般的な誓いの文句ではない。
―ただ主のため、盾となり矛となれ。
誠実でなくとも、謙虚でなくとも構わない。
ただ一人の主君のためだけの、最強の剣であれ。
それが唯一の存在意義である。