ループ少女は手を伸ばす
息抜きです。
少しぶっ飛んだお話です。
またダメだった。また間違えた。
あぁ、やり直し?
何回繰り返したのだろう。
何回あの人達が死ぬのを見たのだろう。
何回私は飛んだのだろう。
心など、とうの昔に麻痺してる。
もういいや。
考えるのも面倒くさい。
壊れないように心を固めれば大丈夫。
私は小さく笑みを浮かべ、ふらふらと歩く。
何処に行く?
何処でもいいや。
どうせ私の身はこの世界には残らずに消えるのだから。
滑稽だ。
そのまま覚束ない足取りで道を歩く。
目の前にそびえる廃ビルの階段をゆっくりと登った。
恐怖心もいつしか失った。
ただあるのは麻痺した心と追い続ける希望。
吹き抜けた風が屋上に着いたということを知らせた。
そのまま柵を乗り越える。
さぁ、次はどうしようか?
「瑠美!」
後ろから止める声が聞こえた。
大方、様子のおかしい私を追って来たのだろう。
止められても、止まる気など毛頭無いが。
後ろを振り向き『ごめんね』と笑った。
「確かに辛いよ!
でもね、瑠美まで死んじゃったら駄目だよ!」
そんな戯言、聞き飽きた。
あの人達が居ないこの世界はもう用が無い。
私は、守れなかった。
だから次こそは守ってみせる。
「大丈夫、死なないよ」
誰に言い聞かせるのかもわからない言葉を吐き捨てる。
私は足を踏み出して、空の中へと飛んだ。
大丈夫、まだ壊れない。
大丈夫、次は成功させて見せる。
逆さまの世界で、幸せを夢見て手を伸ばした。
さぁ、守れる時までやり直そう。
リアルの人達の意見次第では連載するかもです!