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魔法使いと侍女の物語  作者: にしのかなで
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新しい住処

  仕事が決まったということでルディの周りは忙しくなってきた、離れの荷物は各自まとめてすっかり空に近い状態になっている。カリンは毎日新しい家に通い詰め掃除や、修繕の必要な箇所を点検していたが、ある日様子を見に来たルディの養父に部屋数が少なく間取りが狭いのではないかと指摘され元の姿を損なわず改築することを提案された。確かにガウス夫妻が宿泊しようにも部屋がない。この家の修繕などは全面的にカリンが任されていたが持ち主はルディであり、自分はそこに間借りする侍女に過ぎない。なのでカリンはガウス魔法魔術技師長の言うことをありがたく受け入れた。


 程なく改築工事が始まりその間二人は公爵家の世話になっていたが、ルディは新しい仕事の準備にカリンは改築の図面や土地の登記書、権利書の書き替え作業に新しい家具や食器の手配などお互いやることが山積みで忙しくほぼすれ違いの生活を送っていた。


 やがて改築が終わったとの連絡を受け二人が都合を合わせ見に行くと、見た目は元の家を基調にした平屋建てに2階部分が足されていた。納屋の屋根も直され馬が2頭繋がれている。最初見に来た時にデッキに置いてあった揺り椅子は丁寧に磨きあげられていて、二人は感嘆の声を上げた。


 それからカリンは家の所有権などに関する書類をガウス魔法魔術技師長に渡す。それに目を通した魔法魔術技師長は感心した。丁寧に種類ごとに分別された書類に大事な箇所にはメモを貼り付けている。


「これを一人で?」


「はい。ルディ様はお忙しそうでしたし、解らないところは役所などで問い合わせてみたので、多分大丈夫だと思うのですか・・・」


「ふむ。ざっと見た限りほぼ完璧だ。後できちんと確認しよう。引越しはいつにする?」


「ここまで綺麗に掃除までできてあるので・・・そうですね、まだ昼間なので今日荷物を運びます。明日の午前中には公爵家の方々にご挨拶をしてこちらに移る、これでいかがでしょう?」


「よし、わかった。公爵家には私も行こう。では、一旦荷物を取りに帰ろうか。」


「はい。」


 家の持ち主は養父と侍女のやりとりを呆気に取られて見ているしかなかった、うちの侍女はいつの間にここまで優秀になったのか。お互い落ち着いた日常を取り戻したらお礼をしなくてはと思いつつ後に続いた。


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