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2話 恒例行事

 名前かぁ…俺の名前…何にしたらいいんだ?


 せっかく異世界に来たし、ドラゴンっぽい、かっこいいのがいいな。


(バリフィーザもいいな…シンプルにレックスとか、マキシマスとかでもいい…)


〈私は「バーザール」をお勧めします。〉


 まじ?いいじゃん。よし、今日から俺の名前はバーザールだ!


 そういえば、ゴブリン達にも名前はあるのか?聞いてみるか。





「おーい、ゴブリンのボス!」


「はい、なんでしょうか」


「お前達、個別に名前持っていたりするか?」


「恐れながら、主人。我々は名乗るほどの名前を持ちあわせておりません」


「んじゃあちょうどいいし俺がつけるよ。俺も何にもせずに君たちが街を作るのを待つのも癪だしね」


「そんな…!私どものためにそこまでしてくださるのですか?!」


「え、まあ、うん。あと、これから敬語禁止。話しにくいから。俺呼ぶ時はバーザールって呼んでくれればいいよ。そっちの方が気が楽だ」


「り、了解です、バーザール様。早速皆を集めてきます」




 ということで、名付け大会がこの土地で催された。と言ってもただの単純作業になっているんだがな。


「えーとおまえの名前は…『ゴブカス』で」


「………魔物の心とかないんか?」


 すると、こんなやり取りまでできるようになった。これも名前をつけることで手に入る能力のおかげだ。なんでも名前をつけると付けた人の命令に従うようになるようだと。


 ちなみに「敬語禁止」を命令している。意外と便利だぞ、これ。


 まあ、こんな機能よっぽどじゃないと使わないが。



 名付け大会はまだ続いていた。


「はい次!えーとお前は…ゴブロウな」


「バーザール様、ありがとうございます!!この恩はいっしょ…」


「はい、次のやつー!」


 毎回かしこまってお礼を言われちゃこっちがたまらん。名を与えたらすぐに他のやつに移ろう。


 そんな中、異変が起きた。何者かの遠吠えがすぐ近くで響いたのだ。狼かなにかか?ゴブリンらも身構える。


 幸い、街の中で名付けをしていたので敵が来たとしても見晴らしがよく迎撃しやすい。だがゴブリンまで守れるか…?





 現れたのは、あや○か…でした。


 じゃない。間違えた。現れたのは、狼らしき動物の群れだ。ざっと2、30頭はいるだろうか。


 その中の1頭が前に出てきて、頭を低く下げて言ってきた。


「魔の守護神殿。我々、貴方の配下につくことをお認めください」


 おお。またこのパターンか。もうこれには慣れ始めたぞ。


「歓迎するよ。でも条件がある。君たちに名前をつけてもいいか?命令したいことが一つあるんだ」


「神に名をもらうとは、光栄の至り。喜んで受け入れます」


 喜んでいるのか、尻尾を振っている。よし、こいつらも名付けするか!


「えーとお前はガルヴァ、お前はチョガーでお前はルーグな!あとは…」


 順調に名付けが終わりみんなに名前が行き渡った。だが…


 ん、なんかみんな不満そうな顔してるな。どうしたんだ?


 〈彼らは、verUPを望んでいるものと思われます。〉


 ん?バージョンアップってなんだ?


 〈名前をつけることで、名付けられた側は自身の任意の能力を上げるor名付けたものが持つ能力をひとつ手に入れられる権利を持てます。その権利を与えるのは名付け親です。〉


 そういうことね。つまり彼らは権利をくれと目で訴えてるってわけだ。


「すまん、VU権利を与えるの忘れてた。今から与えるから、今回だけは俺が指示した能力を手に入れて欲しい」


 みんなは静まる。


「手に入れて欲しいのはズバリ、全知王(ヘルメス)だ。頼んだぞ」


「あの…」


 ん?ゴブリンのボス、ゴブカスが何か言いたそうにしている。


「我々魔族、自身のレベルにあっていない魔術を習得しようとすると死んでしまいます」


「えまじ?!」


 思わず叫んでしまった。近くにいた小鳥が一斉に逃げていく。


(となると…ヘルメスは少し先か)


「じゃあゴブリン達は意思疎通みたいなのができる魔術、魔狼達は自由にしちゃってくれ」


 すると、みんなが目を輝かせて思う存分進化していく。魔狼達は鬣が生え、ゴブリン達はより人に近い見た目に。


「よし、一旦今日はこれで終わりだ。魔狼には、このゴブリン達の街の護衛を命じる。交代制だ。詳しいことは皆で決めてくれ。ゴブリン達は、作業に戻って残りの畑を完成させてくれ」


 みんな、それぞれの持ち場に向かっていく。魔狼達の家も作らなきゃな…


 俺は何をしようか。とりあえず暇だし空でも飛んでいるか。




 地味にドラゴンってなってみると楽しいな。自由に空も飛べるし、そもそも強いから前世みたいに舐められることがない。むしろ王になった気分だ。そんなことを考えていると、魔狼のボスであるガルヴァから脳対話が来た。


*****緊急です!北西の森の端から、武装した人間の集団が近づいてきています!

 数は20人前後です!魔族狩りの専門部隊のように見えます*****


 俺は翼を大きく広げて急旋回しながら、下を見下ろした。


 街はまだ発展途上だけど、ゴブリン達が慌ただしく動き始めている。


 7kmほど先で、人間の影が、木々の隙間からゆっくりと、しかし確実に迫ってくるのが見えた。


「……マジかよ。転生した初日からこれか」


 俺は人間達の方向に飛び始めた。

〜全知王による魔族紹介〜

・ゴブリン

 群れのボス:ゴブカス

 体力、筋力などのフィジカルはいいが頭とスピードが人間に劣る。成長すると種族名が変わり、魔術を覚えられるようになる。ver UPによって頭脳とスピードの弱点を克服したものがちらほらいるようだ。


・魔狼

 ボス:ガルヴァ

 異世界版狼。この世界のクマがスリムになり、移動速度が上がったような体を持つ。成長すると種族名が変わり、魔術も使えるようになる。ver UPによって魔術を獲得したものがいるようだ。

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