1話 衝撃の世界情勢
で、この世界では何したら良いんだ…?
話の展開が急すぎていまだに理解しきれていない。こんなときには…
「全知王!この世界の情勢、俺の能力、俺の周りの土地について教えて!」
この能力、チャッピーみたいで使いやすいな。
〈了解しました。解析します〉
〈この世界では、2000年ほど前にドラゴンが消えたことで人間と魔物との均衡が崩れ、今では人間が世界を支配おり、世界大戦が始まる模様です。〉
ん?待て待て待て、世界大戦?WW2?
〈正確にはWW1です。ちなみに今は西暦1931年です。〉
こいつ、俺が考えていることを見越して情報をくれたぞ…有能。
つまり俺のことを人間は「2000年ぶりに復活した魔王かなにか」と見るのか。
〈概ね合っています。〉
うーん戦争は嬉しいなぁ!だけどまずは平和に暮らしたい…
〈次に貴方様の能力についてです。3つ所持しているようです。
一つ目は全知王。この世のほぼ全ての情報を持っています。〉
これは今使っているやつだな。
〈二つ目は属性変化。ドラゴンとしての属性が任意のものに変化できます。〉
あれ?強くないか?ていうか今の俺の属性はなんだ?
〈無属性です。〉
うーん、強いのか弱いのか…
〈三つ目は……〉
ん、どうした?
〈……解析不能。〉
え、そんなことある?ほとんど全てを知っているヘルメスが分からない…?
これの解析は今度に回すか。
〈最後に貴方様周辺の勢力についてです。北東にゲリシュト王国、北西にファラウル帝国、ホガ=ドルナ公国があり、南は海です。〉
うーん、気をつけるべきはこの三つの国か。
そいつらは世界大戦でどっち側なんだ?
〈多数派の連合国として戦争に参加する可能性があるのがゲリシュトとファラウル、枢軸として参加する可能性があるのがホガ=ドルナです。〉
うん、ちょうど良い。計画ができてきたぞ〜。
「ヘルメス、今からいうことをメモして。」
〈かしこまりました。〉
「①ここら辺を住みやすくするために整備する
②枢軸と手を結ぶ
③変身スキルを手に入れる
④③を使って人の姿になる
⑤三つ目のスキルを暴く」
今メモってもらったのはこの世界に来てやりたくなったことだ。
今後はこれを元に生きていくぞ。もうあんなブラック企業は嫌だ。
森の整備をしようとして思い出した。俺、ドラゴンだったわ。この土地を整備するにはどう考えても俺じゃ無理だ。
俺ができるのは森を風で消すことと敵を倒すことくらいだからな。
だから人がたくさん欲しい。でも多分この姿で人間の国に行ったら間違いなく戦闘になる。
(どうしたものか…)
んなことを考えていると意外と解決するもんだな。寝転がって悩んでいたが、何故か顔を上げるとゴブリンが集まっていた。
「aks7¥ka391’#)%:@8¥’…」
俺がわかるの日本語だけなんですが…?
そうだ、へ…
〈魔語に自動翻訳をします。〉
………仕事が早い。
聞いてみると、こういうことらしい。
人間が勢力を伸ばしてきたので、ゴブリン達は森に隠れて過ごしていた。
そしたら、オーラと気配であの、伝説だったドラゴン(俺だね)が突如蘇ったということがわかったので代表として忠誠を誓いに会いにきた、ということらしい。
あるな〜こんな展開。いや読んだことないけど。
異世界系は読める時間がなかったというかっていうかそんな暇じゃなかったっていうか…
まあとにかく労働力が来てくれるなら好都合だ。俺は喜んで受けた。
これで労働力の確保はできた。あとは作るだけ。
街の予定地を教えて、指示する。
「みんな、まずはここに街を作って欲しい。みんなが安心して住める、できたら俺も住める街。」
これでOK。そういえばなぜかゴブリンのボスらしきやつとは脳と脳直接対話ができるようになっている。
なんでなんだ?まあ指示が楽になるから嬉しいっちゃ嬉しいが。
そういえば、街ってどうやって作るんだ?俺そこまで指示できてないけど大丈夫か…?
という心配は要らなかったようだった。
何せ彼らは見つかったらすぐに逃げなければ命が危ういという生活を2000年以上続けていたのだ。
いろんな技術が洗練されている。
これ以上街づくりに適した奴らはいないだろう。というのがヘルメスの見解だった。
ヘルメスの予想通り、街は倍速の1か月で完成した。
あれ、なんかゴブリン達って俺が思ってたより有能?
あとは食糧問題だ。
この1か月は俺の魔気によってみんなを保っていたが本来なら食事をした方がいい。
忠誠を誓ってきたゴブリン達は65人程度だったからまだ良かったが、確か魔族って他にもいたよな?
そうするといろんな奴がくることになるだろうから食糧生産力を高めておいた方がいいな。
脳会話でゴブリンのボスに伝える。
「みんなの食べ物を栽培できるところを作って街作りは完成だ。一つの街を作るのにこれだけのスピードで行けるのには驚いたよ。あと少し頼んだぞ」
「はい、主人!」
いい返事だ。しかし、主人と言われるのは慣れないな。名前で呼んで欲しい。
あ、俺の名前無くね?!考えるか。




