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16話 面倒だけど、頼りになる

今回は、前回の2.5倍の文量です!ごめんね〜

 翌朝、窓からの朝日で目が覚める。椅子で寝ているからか、首が少し痛い。

 昨日の戦いののち、俺の治癒魔法のおかげでレオンの傷は少し回復した。痛々しいが、自分で歩ける程度にはなったようだ。

 そうだ、レオンを家に送らなければ。あいつの家族も心配していることだろう。

 俺は前にもらったレオンの住所が書かれている紙を取り出す。家は、ここから少しのところにあるようだ。


 早速レオンを家に届けると、家族らが出迎えてくれた。とても心配してくれているようだ。


(こいつ、いい家庭を持っているじゃねえか…生き残れてよかったな)


 すると、前世の記憶が少し蘇り吐き気に襲われた。思い出せない、思い出したくもない記憶。なんとか耐え、その場を後にする。




(あー疲れた…)


 諸々の送りが終わった俺は、街を歩いてみる。すると、見知らぬ看板が書いてある店らしきものが目に止まった。

 魔、族、討、伐、ギ、ル、ド?

 この世界には銃があったせいで前世の世界と変わらないと思っていたら…まあドラゴンがいるんだ。こんなものがあってもおかしくないか。


(そうだ、これに入って敵と戦えばいいんじゃないか?昨日みたいな敵が来れば、俺はあれらの技の制御訓練もできるし、お金も稼げる。これぞ一石二鳥だ)


 我ながらいい考えだ。俺は興味が湧き、建物の中に入った。

 扉を開けた瞬間、目の前にコップが飛んできた。咄嗟に俺はキャッチして机に置き直す。


「言われた通りやってきたって言ってるだろ!ちゃんと読んでから話せよ!」


「読んで、不足分があるから言っているのよ!魔狼の討伐数が足りていないの!」


 ……魔狼?ガルヴァ?


(バーザール様、私は無事です。しかし、森の中にまで人間が彷徨いているのをよく見かけます…最悪もありえるかと)


 それはまずい。どうする、 ガルヴァは魔狼だからつれていると何かとめんどくさいことにあるだろう。

 万が一それが起きなくても、地味に大きいから街に置いておくのもむずかしい。

 俺は起き上がり、悩む。近くに連れているのが一番安全だが…


「どうしようか…」


「何か困りごとでも?」


「うわっ?!」


 考えていると、急に後ろから話しかけられた。さっきの喧嘩していたお姉さんじゃないか。


「あれ、さっきの男性は…?」


「きっちりと懲らしめて外に出しておきました!そういえば、さっき投げたコップが当たりそうになってましたよね。すみません!それで、あなたは何に悩んでいます?もしかして、ここが初めてだったり…?」


「その通りなんですが…なんでわかったんですか?」


「君のような人をここ数週間でものすごい量見ましたよ。私の目はごまかせません」


「えーっと、それじゃあ全体的にいろんなことわかってないので説明というか紹介というか…」


「まあ全部教えて欲しいってことですね。わかりました!」


 理解が早くて助かる。あ、そうだ。その前に…


「そういえば、ここの近くに大きな動物でも一緒に泊まれますよっていう宿みたいなところ、ありますか?」


 流石にここまで魔族対峙に人が動いているとなると、ガルヴァも危なくなるだろう。そうなる前に、俺の近くに置いておきたい。


「何か連れているのですね?そうだ、うちの部屋を使うのはどうですか?庭は広いので、その動物も楽しく暮らせると思います」


「え、貴方の家…ですか?」


「そんなわけないですよ!うちはこう見えて宿もやっているんです。まあ、ちょっとばかし高級ですが…」


 お金は取る、そう言いたいんだろう。顔に書いてあるぞ。まあとりあえず、検討に検討を重ね検討を…


「そんなことならうちに来るか?」


 急に後ろから声がした。振り向くと、よくある勇者っぽい男が立っている。


「ただ、無条件じゃない。さっきの君の行動を見たぞ。急に目の前に来たコップを咄嗟に取る、誰でもできることじゃない。きっと強いんだろう!うちのパーティに入らないか?そうすれば宿だって無償で出そう!」


 いや俺、ここに来て数分なんですが?急にそんなこと言われたってなぁ…


「あら、この人は初めてここに来たのよ。そんな急な提案、受け入れられないでしょう」


「戦いを経験せずしてこれか!尚更、うちのパーティに来て欲しくなった!」


 あ、だめだ。この人、話が通じないタイプの人だ。チラリと女の人を見ると、同じことを考えていそうな表情をしている。


「どうだ、来てくれるか?」


 うーん、正直ガルヴァと近くに入れることはとてもうれしい。しかもそれが無償なら尚更だ。

 だが、この人についていってもいいのか?未経験者を狙う───


(詐欺かもしれないしな…)


「そういえば…君、初めてってことはまだギルド登録もしていないんでしょう。色々考えるのは登録をしてからでもいいんじゃないかしら?」


「登録…?住民票みたいなものですか?」


「ええ、そんな感じね。最近、魔族がここ数世紀で考えてもありえないほど活発になっているから、この国で新しく法ができたの。これを登録すれば、泊まれるところも増えるし、色々安くなるわ。魔族討伐には行かないけど、登録だけしている旅人だってよくいるのよ」


 へえ、これはいいことを聞いた。こんな国公認の神機関、使うに限る。


「じゃあ、登録をお願いします。僕は何をしたら…」


「登録するということは、交渉成立ということでいいんだな!これから仲良くいこう!!」


 ん?え、俺何か言ったか?周りを見回すと、みんながこちらに呆れた目線を向けている。

 とうとうあいつに捕まったか、可哀想に、ご愁傷様。そんな声が聞こえてくるような気がする。

 女の人が近づいてきた。何か言いたげに、こっちへ顔をむける。


「お疲れ様。3時間後かしら。あなたを待っているわ」


「それってどういう…」


「その時にわかるわよ。それじゃ、私は戻るから」


 なんか、よくない方向に進んでいる気がするが…


(まあ、これで安全にガルヴァといられるようになったんだ。別にいいか。)


 俺はそう思い、その男の後についていった。

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