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3-4

 初めての文字を習い、夕食を食って、俺はおそるおそる自分の部屋に戻った。


 また「殺してくれ」とか言われたらどうしよう、そう思って扉を開けるも、ジクロロメタンは眠っていた。


 彼は子どもみたく安らかな寝顔をしていた。


 その凪のような穏やかさは、教会に描かれている絵のように見えた。枕の上にエメラルドグリーンの髪がふわりと広がり、消し忘れたランプの灯りを反射して美しく輝いていた。枕元にはガラス瓶が転がっており、中には水色の錠剤が数錠残されていた。


 俺はホッとして、大きく息をついた。


 そのまま自分のベッドの前に移動する。ベッドの下に程よい隙間が目についたので、俺は床にゆっくりとしゃがみ込んだ。


 両足首をその隙間に突っ込んで固定し、腹筋を始める。


 それはあまりにも自然な流れで、やり始めてから自分でも驚いた。そういや、今日はまったくトレーニングしていなかった。普段ならやらずに過ごすなんてありえないことだったが、戦に関連することを避けようと思うあまり、忘れてしまっていたのだろう。


 まぁ、トレーニングなら、実際に戦ってるわけじゃないから問題ないだろう。


 俺は習ったばかりのT・A・N・T・A・Lの綴りを脳内で繰り返しながら、腹筋を続けた。


 百回ほどやったところで、腹の傷は大丈夫かなと思ったけど、意外と問題なさそうだった。とはいえ三百回を超えてくると、傷口に貼られたガーゼがピンク色に変色し始めたので、俺は切り上げ、ジクロロメタンのランプも一緒に消して、ベッドに潜り込んだ。


 ベッドは相変わらずふかふかだったが、昨日よりは眠りやすかった。

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