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第4話 原作主人公登場

「ただ、本来のシナリオから外れると何が起こるか分からないから、今から話すことは他言無用で……」


 原作ゲームのシナリオを話そうとした所で、ムニが口を開いた。


「ごめん。信じられないわー」

「え!? 魔法もあるのに信じられないの!?」


 魔法がある世界ならば、ゲーム世界に転生というのも受け入れて貰えると思っていたのだが。


「知らないの? マジカルランドは人間が生まれるずっと前から存在していたのよ? 最初聞いた時はびっくりしたけどね」

「あー……」


 そういえば、そんな設定があったようななかったような……。

 確かにそういった歴史があれば、信じにくいだろう。


 だがそこはゲーム。

 歴史なんていくらでも作れるのだ。


「でも、あなたが魔法か何かでカンが鋭いってのは認めるわ!」


 結局、俺がこの世界に転生して来たことは信じて貰えなかった。


 これも本来のシナリオの修正力が働いたのか、それともムニの性格なのか。


 もしシナリオの修正力というのならば、受けてたとう。



 そして4日後、7月19日の土曜日。

 本日はこの世界の原作となったゲーム【マジカル☆クエスト】の主人公が魔法少女デビューする日だ。


 ちなみにこの4日間、相変わらず魔法の修行をしていたムニであったが、小さな火を出すような初級魔法も使えるようにはならなかった。


 流石に魔力が全くないことを告げる勇気はなかったので、「ムニは魔力が平均よりも少ないから、無理し過ぎるのは良くないよ」と伝えた。


 その結果、「何よ! 私には才能があるのよ! あるハズなのよ!!」と怒られてしまった。

 これと似たセリフは本編で闇堕ちする前に言っていたので、マズいと思いそれ以上は何も言わなかった。


「それにしても、どうして今日は少し離れた所に来ようと思ったの?」

「たまには少し遠くまで来るのもいいかと思ってね」


 やって来たのは、いつもより少し離れた所にある公園である。


 やはり、元のシナリオによってある程度は導かれてしまうようだ。


 原作のムニも、ここで主人公に出会うんだよな。


~~~~~


 主人公がここでモンスターを倒した後、相棒の妖精と会話を交わす。


『やった! 倒した!』

『凄い! まさか変身初日からモンスターを倒せるなんて!』


 これを見たムニは。


『あら? 新人魔法少女かしら? 見ていて危なっかしい戦闘だったけど、合格って所かしらね? でも大丈夫よ! これから先輩魔法少女として、私が色々教えてあげるわ!』


 と、得意げに言い放つのだ。


~~~~~


 ムニは地面に着地する。


「やっぱり、飛べるって最高ね!」


 マジカルウェポンの力で、ここまで飛行して来たムニは満足気に右腕でデコの汗をぬぐうような動作をした。


「あれ?」


 そういえば、主人公がいないぞ。

 どういうことだ?


 と思ったが、すぐに疑問は解決した。

 原作のムニはマジカルウェポンを持っていなかったので、ここまで歩いて来たのだ。


 でも、マジカルウェポンはマジカルランドの女王様がくれたアイテムだ。

 当然性能は高い。


 だから本来よりも早くにたどり着いてしまったということだ。


「夏も夜風は涼しいわね!」

「そうだね……」


 ムニは、主人公の戦闘を最初から間近で見ることになる。

 そして、その間ムニはその戦闘に参加することもできないので、プライドを傷つけてしまう可能性もある。


 そうなれば、主人公と最初から関係最悪にかなる可能性もある。


 これはマズいぞ……。


 せめて小さな火球を放つ魔法、ファイアボーだけでも覚えていれば援護という形でも参加することができたのだが。


 攻撃方法がない……“あれ”を使うしかないな。

 今は無理だけど、後で“あれ”を取りに行くとしよう。


 ないよりはマシだ。


 そんなことを考えていると、赤髪ショートヘアの女の子がやって来る。

 前から見ると、再度が少し外ハネ気味な所が特徴的である。


「あー……今日も授業中、手を挙げられなかったなぁ……」


 この子こそがマジクエの主人公、【星美ホシミアカリ】である。


 強気なムニとは対照的に、非常に大人しい性格をしている。


 自分の意見を言うことも苦手なのだが、魔法少女として活動していく内にそういった欠点も克服していくキャラだ。


 終盤、嫉妬に狂ったムニがナイフを持って突っ込んで来たのをかわし、逆にパンチを食らわせるシーンはあまりにも有名である。


「うちと同じ中学の子だわ! 何か悩みを抱えているようね! 魔法少女として、ここは相談に乗った方がいいのかしら?」


 変身中は魔法少女に関連しない人物から認識されることはない。

 はずだが……。


「うわ! かっこいい格好!」

「え?」


 俺は思わず声をあげてしまう。


「あら? 関係者以外は認識できないんじゃなかったの?」

「そのハズなんだけど……あっ! そうか!」


 確かアカリは潜在魔力が凄まじいという設定があった。

 だから、近くにいる魔法少女のことを今でも認識できるのかもしれない。


「彼女は、多分魔力が強いんだ」

「そうかしら? 全然そうは見えないわ。それに、いくら魔力が強くても努力をしなくちゃ先はないわ!」


 ムニはそう言うと、アカリの方へ歩いて行く。


「あなた、名前は?」

「わ、私ですか!? 私は星美アカリです」

「敬語はいらないわ! 同じ中学でしょ? 私は魔法少女よ!」

「ま、魔法少女……?」


 おいおい、勝手に話していいのか?


 しかし、問題はなかった。

 すぐに彼がやって来るのだから。


「凄まじい魔力だ。君、僕と契約しない?」


 手の平サイズの虎のぬいぐるみのような妖精、【タイガ】である。


「え!? と、虎さん!?」

「僕は妖精のタイガ! 君、僕と契約しない?」


 ここで契約をすることにより、アカリは魔法少女になる。

 だが、ここで本来いないハズのムニが会話に割り込む。


 もっとも、先に割り込んで来たのはタイガなのだが。


「そんなに凄いの? 私よりも?」

「君は魔法少女? 言いにくいんだけど、君よりも魔力の量は多いし、強いね」

「なんですって! 私はまだ開花してないだけよ!」


 ヒートアップしそうなので、俺が間に入る。


「まぁまぁ、落ち着いて!」

「仕方ないわね」


 ムニが一歩引く。


「ささ、アカリ! 契約しよう! いいこと沢山あるよ! 才能を腐らせるのは勿体ない! 一緒に魔法の青春を味わおう!」


 タイガは引き続き、アカリにそう言った。

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