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第2話 王女様に呼び出された

 翌日。

 平日なので、ムニは普段通り学校へと通い、その間に俺はとある場所へと向かう。


 その場所とは、マジカルランドだ。

 王女様に呼び出された為である。


 マジカルランドに行く方法は、かなり簡単だ。

 フェアリーフォンと呼ばれるスマホみたいな端末を操作するだけで、妖精は簡単にマジカルランドに行くことができる。


 俺は早速端末を操作し、マジカルランドへと向かった。



「ここがマジカルランドか……」


 全体的にファンタジー色が強く、いかにも妖精が住んでいそうな世界だ。

 ゲーム内では描写がかなり少なく、正直どんな感じなのかあまり分かっていなかったので、かなり新鮮な体験である。


 俺は王宮へと向かうと、門番の兵士に挨拶をする。


「失礼します。私はこういう者でして、ここを通りたいのですがよろしいでしょうか?」


 俺は端末の画面に映る、王女様からのメッセージを兵士に見せる。

 兵士は鎧を身をまとっており、サイズは人間サイズだ。


 マジカルランドにも、マジカル人と呼ばれる人間が存在する設定がある。

 この兵士も、マジカル人の1人だろう。


「どうぞ。お通りください。王女様もお待ちのことでしょう」


 通して貰えたので、俺は案内人に王女様の部屋まで案内して貰った。


「どうぞお入りください。無礼がないように」

「ありがとうございます」


 緊張するなぁ……

 今回呼び出されたのはおそらく悪いことではないだろうけど、それでも緊張する。


 だって、国を納めているんだぜ?

 おまけにマジカルランドには、マジカルランド以外に知的生命体が住んでいない設定なので、実質的にはこの世界全てのトップということになる。


「失礼します」


 俺は緊張しながらも、フワフワと浮きながら部屋へと入る。


 無意識だったけど、妖精だから浮かびながら入るのはマナー違反じゃない……よな?


 不安ではあったが、もうしてしまったことは仕方がないので、「どうぞ、お座りください」と言われた後に用意されてあった椅子に腰をかける。


「昨日、人間界でバハムートが現れたそうですが、どうやらあなたの担当魔法少女が勇敢にも立ち向かったそうですね」


 丁寧な言葉使いだが、そこに威圧感はなかった。

 魔法の国の王女様なだけあって、話しているだけで優しい人オーラが伝わって来る。


 それに対し、俺は明るく返事をした。


「はい! 本当に勇敢でした!」


 突然のことでも、しっかりと魔法少女の役割を果たそうとするムニは、改めて魔法が使えなくても魔法少女なのだということを認識した。


 王女は上品に笑うと、再び口を開く。


「私もそう思います。ですので、そんな勇敢な魔法少女には報酬を授けなければと思い、今回はあなたを呼び出しました。受け取ってください」


 王女は光の入った小瓶コビンを取り出し、それのフタを開けると光の球体が外に出る。


「端末を出してください」

「あ、はい」


 俺は端末を取り出すと、光はそこに吸収された。


「あの、今のは一体?」

「あら、マジカルランドに存在するものを、人間界へ持ち運ぶ方法を忘れてしまったのですか?」

「え?」


 そんな設定あったのか……いや、あった。

 マジカルランドの物体はほとんどが光になり、それらを端末に入れ、人間界に持ち運ぶことができる。


 正直、そこまで重要な設定ではなかったので、忘れていた。


「すみません。緊張でうっかり……」

「そうでしたか。それは申し訳ありませんでした」

「いえいえ! 悪いのは私ですから! で、今いただいたものというのは……?」

「魔道具、【MU-W】です」


 なんだそれは。

 確かに魔道具は原作にもあったが、そんなアイテムは聞いたことがない。


 いや待て、確かストーリーに言葉だけ出てきたかもしれない。

 細かい所もしっかり思い出して行かないと、この世界を生き抜くのは厳しそうだなと、俺は今思った。


「正式名称、【マジカルユニット-ウイング】です」

「そちらは一体、どのような効果を?」

「端末で確認できたハズですが、そちらも緊張でお忘れですか?」

「あ、ああ! そうでした!」

「ですが、分からないものを渡されて不安になる気持ちは分かります。簡単に説明しますね」


 まとめると、これを身に着けると飛行系の魔法が使えなくても飛べるようになる。

 といったものだった。


「佐藤ムニさんは確かに勇敢な魔法少女ですが、彼女は未だに魔法が取得できていないようです。しかしその勇敢さを買い、そちらを進呈させていただきます」

「ありがとうございます!」


 魔法少女は飛行系の魔法を使えて当然といった風潮がある。

 それもあって、ストーリーには空を飛ぶモンスターも出てくるので、これはありがたい。


「本来であれば、魔法が使えないのであればあまりモンスターと戦って欲しくはないのですが、彼女全然傷ついていませんでしたので」

「え?」

「全然傷ついていませんでしたよね? バハムートが現れたので、あの戦いをこの水晶でずっと見ていました。しかし彼女は避けるどころか、そこが安全地帯だと分かったような動きをしていました。あの冷静さは非常に素晴らしいものでした」

「ありがとうございます! いやぁ、ムニは本当に素晴らしいよ!」

「本当ですね。彼女は努力家でもありますので、もしかすると今後才能が開花するかもしれませんね。パートナーとして、これからも見守ってあげてくださいね」

「はい!」


 よし、かなりの好印象だぞ!

 それにしても、飛行できない問題については正直考えてなかったから、この展開は凄くありがたい。


 俺はその後、王女様に挨拶をすると、端末を使って人間界へと戻った。

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