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毎日投稿のはずでしたが、昨日はお休みしてしまい申し訳ありません。



★アリーヤサイド


相変わらず部屋に入ってくるタイミングが良すぎではないだろうか。アリーヤはつい先程までオーランドの事を考えていた為、狼狽える。


「と言うか!お兄様、またノックを!」

「今回はきちんとしたぞ?お前も勿論許可をした」

「そ、そんな事は!?」

「上の空だったようだからな。多方条件反射だったのだろうな」    

 

上の空……。となれば、考え事が口に出て色々とオーランドに聞かれてはいけないことを口走っていたかもしれない。


「お兄様、何か聞きまして?」

「ああ。聞き逃したのが勿体ない、とな。童貞王太子や阿婆擦れの話は聞かずとも他の人の話はきちんと最後まで聞いて置くべきだぞ?」

「……そ、それはお兄様のお話もですか?」

「当たり前だろう!『優美で端麗で賢才』な私の話より大切ものなどあるだろうか!?否!反語だ!」


……なぜそうも言い切れるのか。寧ろオーランドの話で大切なものが幾つあるだろうか。心の底から呆れるも、それなら先程の言葉をもう一度聞けるかもしれないと


「では、馬車の中で囁いた言葉はなんでしたの?」


軽く聞くと、     


「ふむ……お前はなんと言われたい?『お前だけを愛している』『お前だけしか見えない』『私の髪は母上ではなく父親譲りだ』『私はとある淑女の奴隷だ』『私は実はとてつも真面目な男だ』『私は化け物だ』『とある淑女とデートの約束をした』『お前はもう少し太った方がいい』まだまだ色々あるが?」

「なっっ!」

「なに、お前の好きな言葉を入れるが良い。まぁ、この私が言ったのだ。できる限りロマンチックなセリフが有難いがな」 


オーランドは肩を竦めニヤリと笑う。聞いて損した。答えがなんでも良いなど、結局どうでも良い話だと言うことだ。しかも最後のはあまりにデリカシーが無い。やはりオーランドの話で大切な話は少なそうだ。 


「……それで?」

「『それで?』とは?」

「お兄様、何か私にご用事があったのではなくて?」   

「ああ。阿婆擦れに会ってきたからな。その口直しと……」


口直しとはまた酷い言いようだなと、心の中で頭を横に振りながらアリーヤは思いつつ、オーランドの言葉の続きを待つ。 


「『社交界一の美丈夫』の私の名誉に関わることでな!」

「名誉?ですか?」 




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