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★アリーヤサイド


   

オーランドがリリアーナとお茶をする為に王宮に行って2時間経つ。アリーヤはなんとも落ち着かない気持ちで自室のソファーで紅茶を飲んでいる。


シンプルながら上品で美しい家具と、アリーヤの瞳と同じ紫の柄をアクセントにした壁紙が貼られているアリーヤらしい部屋だ。 


(リリアーナ様に何かするって何かしら……でも、それより……) 


美しい金の縁のティーカップに口をつける。オーランドの言葉は気になるが、アリーヤは不意にぽんっと顔が赤くなる。


オーランドに馬車の中で抱き締められた事を思い出してしまったのだ。先程からずっとそうだ。少し気を抜くと何度も「それ」が過ぎってしまう。


抱きしめられた硬さ、香り、温もり全てが夢の中から連れ出してくれた、あのオーランドの感覚に似ている。けれど、少しも嫌じゃなかった。寧ろもっと感じていたい――…


(って!なんて事を!!と言うかお兄様もいきなりなぜ抱きしめたの!?お兄様って意外とシスコンなの!??)  


アリーヤの頭の中をぐるぐるとオーランドが占拠する。リリアーナの恐怖など今のアリーヤには少しも無い。最近の自分は何か変だ。


(……ん?でも、これって普通ではなくて?)


自分は男性に免疫がない。そんな中自他ともに認める「社交界一の美丈夫」に抱き締められたら兄であろうと緊張してしまうはずだ。普通の兄ではない。「規格外の美貌」の兄なのだ。


(なんだ、そう言う事だったのね……)


そう言えば、以前悪夢を見て調理場に水を飲みに行った時も同じ事を思った。学習しないなと思いつつも落ち着かない理由がわかって良かった。抱き締められた時に「もっと」と思ってしまったのは家族故だろう。


アルバートやオリヴィエに抱き締められても、心が温かくなりもっと感じていたいと思う。そう思うと心が落ち着き、今度はオーランドがあの時なんと言ったのかが気になってくる。


「聞き逃したのは勿体なかったわ――」

「何を聞き逃したのかね?」  

「――――っっ!お、お兄様!?」



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