74 オーランドサイド
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★オーランドサイド
「『今日も私は美しい。なぜなら私は誰もが振り返る社交界一の美丈夫だからな』」
彼らにこれ以上、自分の暗い部分を見せるわけにはいかない。オーランドは翌朝目が覚めると、左手を腰に、右手で髪を靡かせいかにもナルシストな仕草で一人部屋の中で口にする。
オーランドは、使用人に相変わらずのように朗々と自分の良さを語りつつ世話をしてもらい、昨夜何事も無かったかのように食堂の扉を開ける。
「おお!おはようございます、父上、母上、それと悪友殿。今日も良き一日ですね。」
既に3人は着席し朝食を食べていた。自分を除き先に食事を始めている当たり、3人で何かを話し合っていたのだろうか。
(俺抜きでの話、か……)
「……はて?私は朝食をしに来たのですが、あまりにお暗いご様子。どなたか儚くなられたのか?」
が、当然と言えば当然だ。後悔はしていないが、あれだけ冷徹に振舞ったのだ。自分の豹変ぶりにどう接したら良いのか分からないのだろう。
公爵夫妻は、ミリーが利用された事、ミリーを助ける為に俺を悪役をさせてしまった事に落ち込んでいるのかもしれない。それなりの仲が良かったミリーに躊躇いなく淡々と魔法を使う自分の姿は、アレンには恐ろしかっただろう。もしかしたら自分もそうなるのではと思ったかも知れない。
(これはもう、仕方ないな……)
オーランドは、内心ため息をつき、使用人たちに顔を向け、とても悲しそうな顔をし、
「ああ、すまないが、皆、今しばらくは下がってはくれないだろうか?どうやら私は彼らを何か怒らせてしまったらしい。あまりに心当たりがありすぎて何を言われるのか恐ろしいがね。しかし!私は世界一の美丈夫で、少しの欠点もあってはならないのだ。どうか叱られる私を哀れと思うなら見ないでおくれ」
彼らが部屋を出ていくのを見送ると、オーランドは今度こそため息をつき、その場の空気を軽くするため、いつもより少し砕けた口調で切り出した。
「そんなに暗い顔をしないで下さい。折角俺が、朝から『世界一の美丈夫な私』として完璧な挨拶をしたと言うのに、喜ぶどころか更に沈むなど『昨夜の俺より冷酷』なのでは?」




