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63 オーランドサイド


★オーランドサイド   


 

(まさか本当に自死を考えていたとは……)


アリーヤの夢の中に入って1時間、オーランドはようやく目を覚ます。


ミリーが高等魔法を使えるとは思えないが、万が一自分と同じように魔法が得意な事を考え強固な結界を何重にも張り、逃げ出さないように動けなくしていた。


勿論、自分にも。アリーヤの中に入っている間に自分が死んでは元も子もない。


「最後は、少しだけやり過ぎたな……」


夢の中の出来事だと勘違いしてくれると良いのだが。オーランドは未だ眠っているアリーヤを見つめ髪を優しくなでる。


顔色は戻り、呼吸も魔力も安定している。今すぐ起こしてやりたいが一度は死にかけたのだ。ゆっくり回復させてから起こさせようと回復魔法をかけ、アリーヤに何重もの結界を張り微笑む。


「さて、ミリー。」

 

と次にミリーの方へ向き直り、優しさなどどこにも無い冷たい瞳で見て結界を解き言い放つ。


「お前には来てもらおう。抵抗するだけ無駄だ」


*** 


オーランドはミリーを連れてアルバートの執務室に入る。そこには既にアルバート、オリヴィエ、姿が見えるアレンが居た。


「オーランド、お前は……」


アルバートが口を開く。執務室に念話で3人を連れてきた。アレンが姿を現しているのは、監視にはオーランドの魔法で自分たちが執務室にはいないように見せているからだ。勿論声も聞こえない。


「申し訳ございません……ですが、アリーヤは一刻を争う状態でした。こうする他は無かったのです」

「いや。私達を無視してまでお前が『そう判断した』。ならばそれが正しいのだろう」


自分とアルバートの会話についていけていないアレンが訝しげな顔をするが、それの説明はまた改めてにしよう。 


「……それで、皆を呼んだのは、彼女がアリーヤを死に追いやろうとしたからです」


ドンと背中でミリーを目の前に突き出し、正座をさせた上で拘束している。女好きのオーランドとは思えない程にミリーを雑に扱っている。それ程に怒りがあるという事だ。    


「オーランドから少しは話を聞いていたが……」

「ミリー!?本当なの!?嘘よね!?」


二人はミリーにかけよるように話す。ミリーは涙を流しながら違うと首を振る。

 

「私は何もやっておりません!信じて下さい!私は何時だってお嬢様を大事に思って参りました!」


 

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