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35 オーランドサイド

★オーランドサイド


「しかし、気持ち悪い以外は何も分からなかったな……」


ひとつ疑問に思うとすれば毎日同じ指輪をつけているところだろうか。レオナルドにもリリアーナにもこの数日、何度も会っているためずっと目についていた。まぁ、レオナルドは愛しい恋人に貰ったとなれば毎日指輪をつけても可笑しくはないが、阿婆擦れの方は可笑しい。


あの女は夜会に行くのか娼婦なのか、毎日違った派手派手しいドレスを着てくるのに、ネックレスだけはいつも同じだ。これが親の形見ならそれも分かるが、ハロルド曰く「隣国で最近見つかった」らしい。となれば形見も違う。いかにも派手好きの阿婆擦れが、毎日同じネックレスで我慢出来るものなのだろうか。廊下を歩きつつ考えていたオーランドはピタリと歩みを止める。


(いや……待て。あの女のドレスは伯爵家で買える代物か?)


阿婆擦れのドレスはとても高価だと一瞬で分かる。となれば、伯爵家がそんなドレスを何着も買える程の財産を持っている事になる。


中にはレオナルドが、婚約者(アリーヤ)に贈り物をする為に充てられた予算で、リリアーナに贈ったドレスもありそうだが。


(だが、昨日アレンの家で調べた時の収入は他の伯爵家と殆ど変わらなかった……) 


普通の伯爵家なら既に相当追い込まれているだろう。それでもドーソン伯爵家が傾いていると言う噂は聞いた事がない。それはつまり他の収入源があると言う事。


「例えば、隣国産の宝石……か」


ポツリとそう言葉にこぼすと同時に


「オーランド様、みーっけ!」  

   

品のない阿婆擦れの品のない声が聞こえた。

 

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