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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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『鏡の魔女と契約した侯爵令嬢、若返りの仮面で王子と舞踏会へ──半日だけの恋と永遠に残る囁き』

作者:カトラス
侯爵家の令嬢として生まれ、かつては“社交界の花”とまで呼ばれたアリエット・ド・ヴァロワ。
 けれど歳月は残酷に彼女を追い抜き、気づけば四十一歳。今なお美しさはあるものの、若さをまとった娘たちの輝きと並べば、確かな老いの影に怯えずにはいられなかった。

 そんなある夜、社交舞踏会で彼女の目を射抜いたのは、青い外套をまとった美しい王子。
 ──レオン・ド・ソレイユ。二十歳、現国王の息子にして未来の王。
 彼はかつて、アリエットが若き日に密かに恋をしたオーギュスト王太子の子であり、赤子の頃にアリエットが腕に抱き、あやした記憶のある存在だった。
 遠い昔に愛した人の面影と、まばゆく成長した青年の姿が重なり、アリエットの胸はどうしようもなく揺さぶられる。けれど声をかけることすらできず、壁際で立ち尽くすしかなかった。

 夜会の後、姿見の前で老いに嘆く彼女の耳に、甘く冷ややかな声が囁く。
 ──「もう一度、若さを欲しいのでしょう」
 鏡に現れた魔女は、半日だけ若さを返す契約を持ちかけてきた。代償は、毎夜、恋の物語を彼女自身の口から語ること。約束を破れば“鏡だけではない何か”にひびが入るという恐ろしい条件付きで。

 迷いながらも、アリエットは契約を結ぶ。若返った姿──“サロメ・ルミエール”として、再び舞踏会に現れるのだ。
 王子はサロメに惹かれ、同時に賢く気品ある貴婦人アリエットに心を開いていく。
 ──二つの顔を持つひとりの女と、真実を知らぬまま心を動かされていく若き王子。
 愛は甘く、切なく、そして残酷に運命を縛りはじめる。

 鏡の奥で笑う魔女は知っている。
 「恋は、いつだって罰と隣り合わせ」だということを。

 半日だけの若返りと、恋物語の代償。
 すれ違う二人の想いは、果たして真実の愛にたどり着けるのか。
 それとも──鏡に映る笑みのように、儚く消えてしまうのか。
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