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【第13回ネット小説大賞・金賞】異世界に落ちて10年、高校時代のクラスメイト達が勇者召喚されました。  作者: ふぇありす
1章

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第42話:クラスメイトの魔法適性

エルヴィール男爵夫人の招待を受けた翌日、俺はいつも通り二人をギルドまで送りクラスメイト達の魔法訓練にやって来ていた。


「さてと、今日からは魔法の訓練だ。でもその前にいつもの訓練メニューから始める」


「「「「「はい!」」」」」


俺の言葉にランニングから始める皆、というか今の所誰も脱落していないのが不思議である。


(やっぱり、召喚に際して〝選ばれている〟節があるよな……)


クラス全員の性格を知っている訳では無いけど、特に輪を乱すような奴や、パニックを起こして問題を起こす人は誰も居ない。


(クラスメイト全員で無いってのも引っかかるしな)


俺は記憶を掘り起こしながら考える、確かに俺は〝クラスに入った瞬間〟異世界に飛ばされた、全員居るかは覚えて無いけどクラスメイトに達に聞き取った結果は召喚されてから蒼井さん(ネモフィラ)恵さん(ミモザ)が連れて行かれるまでは欠けてなかったらしい。


(すると俺を含めて20人、クラス全体は……何人だっけか……)


「あの、先生?」


丁度思考が途切れたタイミングで声が掛けられた、声のした方を向くと素振りまで終わった様だ。


「ああ、すまない。考え事をしていた……それじゃあ、魔法の訓練に移ろうか」


そう言って腰を上げる、すると目の前に居た西条さんがジト目で見て来る。


「先生、私達がサボってたりしたらどうするんですか?」


「その時はその時だ、この世界で日々の鍛錬をサボる奴は生き残れないからな、必要と皆が認識しているならちゃんと訓練をするはずだ。それに、君達は俺が見ていないとしてもサボるような奴じゃないからな」


そう言いながら皆を見回すと恥ずかしそうにしている。俺なんか変な事言ったかな?


「まぁ良い、それじゃあ魔法の訓練を始める……と言いたいけどその前にやる事があるから、場所を移動しよう」


皆に声をかけて場所を移動した場所は、簡易的な魔力適性の判別装置のある部屋だ。


「これは簡単だけど魔法の適性を調べる魔道具だ基本的に火・水・風・土の4つに、それ以外の適性を判別する。後はそうだな魔力量も調べられる、これは光の強さで判別が可能だ」


「「「「「おぉ~!」」」」」


ギルドにも存在するんだけど、二人の適性調べた時は〝その他〟の〝とても強い〟だったんだよね、だから蒼井さん(ネモフィラ)の回復適性なんかはその時までわからなかったし、恵さん(ミモザ)の適性も未だに不明だ。


「という事で順番に手を翳して欲しい、誰から行く?」


「私が行きます!」


手を挙げたのは白石さん、話した事はあまり無いけど快活で好奇心が強めだ。訓練にも真面目に取り組んでくれるのでかなり助かっている。


「じゃあここに手を。――うん、〝水と風〟に適性があるね、水の方が強いかな。魔力は〝強〟普通の人の倍くらいはあるよ」


「水と風ですか~それって強いのですか?」


「あぁ、かなり強いよ。水はどこでもきれいな水が出せるから水が飲めるし、風を合わせる事で急激に冷やせるから、氷なんかも作る事が出来るぞ。無論風単体でも風刃という風の刃を飛ばす事が出来るからね」


「そうなんですね、ありがとうございます!」


嬉々として戻っていく、それからというもの興味がある人達から次々と適性を測っていく。


(なんというか、4属性の子達は魔力が〝強〟から〝とても強い〟よく聞く〝ハズレ〟や〝無能〟が居ない。それ以外の〝その他〟の子達も〝普通〟から〝強〟で特にダメと言う事は無い)


「さて、後二人だ。どっちから行く?」


「じゃ、じゃあ俺が……」


手を挙げたのは黒木くろき れん君、少し気弱な印象を持ってるけど訓練にもついて来るしランニングも中の上くらいで全体的に成績優秀だ。


「うん、属性は〝その他〟で魔力は〝かなり強い〟と出てるなこれは凄い……」


「「「「「おぉー!」」」」」


皆が大きな驚きを見せる、それと同時に黒木君も大きく息を吐く。


「良かったです。魔法に凄い才能が有ったら筋肉が悲しみますから……」


(ん? 筋肉?)


ぱっと見筋肉はそんなにあると思えない、いかにも細マッチョと言う感じの青年だが、何かあるのだろうか。


「まぁ、〝その他〟と出たからどういった魔法が開花するかはわからない、だが魔力は〝かなり強い〟から恐らく身体強化を極めれば何日も維持し続ける事が出来ると思うよ」


俺の言葉に喜色を見せる、なんだろう……筋肉好きなのかな?


「それじゃあ最後、水無瀬さん」


「は、はい……」


(大人しい性格の水無瀬さん、ランニングも最下位で素振りも重すぎて細剣サイズでやってるし。明らかに戦いに向いてないんだけどなぁ、どうして彼女みたいな人が召喚されたんだろう……)


だが、その疑問の答えはすぐに判明した。


「ひゃう!?」


小さな悲鳴と共に装置に入ってる魔水晶が割れる、高負荷がかかると稀にあるんだけど、と言う事は……。


「適性は〝4属性〟でもしかしたら〝その他〟も入ってる。その代わり魔力は〝強〟だけどかなり驚きだね。練習を積めば魔術師として最強クラスになれるかも」


俺の言葉に目をぱちくりさせている、その姿からは予想だにしない適性。だからばれたんだろうな……。


適性結果にはしゃぐ皆を見ながら、割ってしまった魔水晶をどうしようか考えていた。

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