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【第13回ネット小説大賞・金賞】異世界に落ちて10年、高校時代のクラスメイト達が勇者召喚されました。  作者: ふぇありす
1章

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第27話:お土産とアインの家族

それから魔法を使いまくりトリュフチョコとガトーショコラを作り終える。


「まさか、ここまでの物が出来るとは……」


少し食べさせてもらったけど、非常に美味しかった。日本で食べるのより少し甘さ控えめだがクオリティは遜色が無い、というか数年ぶりに食べた事もありかなり美味しいと感じていた。


「それにしても、魔法で調理があんなに楽になるとは思わなかったな」


「ご主人様が洗い物を魔法でやってるのを見て、料理につかえそうだな~って思っていたのよ」


「確かに、水魔法と火魔法の応用で熱湯も出せるし、風魔法を使えばミキサーみたいに粉砕や混ぜ物もしやすいもんな……」


ただし温度や魔法の調整が凄く難しいんだけどな……調理はてんで駄目だし、魔法の調整だけに集中出来たのが良かった。


「また、作る事があればお願いね」


「あぁ、その時は任せてくれ。良い練習になるしな」


そんな事を話しているとアインの自宅前に到着した。


「二人共、これを持っててくれ」


――ゴンゴン、――ゴンゴン。


持っていたお菓子をワインを二人に預け、扉に付いた輪っかでノックをするとすぐに扉が開く。


「お、ホウショウじゃないか。もう大丈夫なのか?」


「あぁ、だから命の恩人にお礼を持って来たんだ」


細野さん(ミモザ)がお菓子の入った木箱を、蒼井さん(ネモフィラ)が抱えたワインを見せる。


「おぉ、入ってくれ。お前さんの嫁さんも紹介してくれよ」


招き入れられ室内へ入ると、丁度昼食を終えた所の様だ。


「丁度良かったみたいだな、二人の紹介と一緒に先にお礼を渡すよ」


背後に居た二人を俺の前に出す。


「はじめまして、わたしはネモフィラともうします。よろしくお願いします」


「わたしは、ミモザです。どうぞよろしくお願いします」


二人共たどたどしいが、覚えたてのこちらの言葉で挨拶をしてお礼の品を手渡す。


「二人は俺と同じ極東出身でね。どうやら勇者召喚に巻き込まれたみたいでこっちに来たんだ。言葉も喋れなくて、娼館に売られる所を俺が身請けしたんだ」


「マジか……大変だったな……」


「良かったですね、二人共。娼館は何かと大変ですから」


スズランさんが二人を抱きしめる、元娼姫という事もあり何か琴線に触れる事が合った様だ。


「まぁそんな二人が作ってくれたお菓子なんだが、是非食べてくれ。ワインにも合う様に作ってみたんだ」


「「ホウショウ(さん)が料理だって(ですって)!?」」


二人が驚いた顔をする、当然なんだろうけど、なんかムカつくな。


「おい、いらないって事で良いのか?」


「いやいや、いるって!!」


「そうそう! 是非食べたいなぁ~なんて……」


少し睨むと二人が慌てて弁明をする。


「まぁ、わからんでもないからな……」


細野さん(ミモザ)木箱の蓋を開けるとチョコの香りがふわっと広がる。


「チョコレートか……こっちは何だ?」


「ガトーショコラっていうお菓子だそうだ。味見はしたけど凄く美味しいぞ」


「へぇ……早速食べようか、なぁスズラン」


「そうですね、今お皿を用意するわ」


スズランさんが木皿と包丁を持って来て早速切り分ける、その間に蒼井さん(ネモフィラ)がワインを渡す。


「『黒ブドウのワインです、チョコレートであればこちらのが合うと思いまして』だって」


まだ流暢に喋れないので代わりに翻訳して伝える、聞いていたアインも頷いている。


「というか、お前ワインはわかるのか?」


「いや、まったく。わからんがスズランに伝えればわかるだろうからな」


「そうか……」


ガトーショコラとトリュフチョコを分けたスズランさんがアインに手渡されたワインを見る。


「これ、カベニョンの当たり年のじゃない……良く見つけれたわね……」


「あぁ、見つけたのは俺じゃないよ、蒼井さん(ネモフィラ)なんです。おれはお店の人との通訳をしただけですし……」


とはいえカベニョンのヴィンテージはあんまり人気が無いらしくて在庫が大量に余ってたんだけどね。


「そうなのね、ネモフィラちゃんありがと~」


豊満な胸に抱かれ顔が埋まる、文字通り埋まるのだ。


「むーむー」


あ、苦しそう。


「スズランさん、それくらいにして。とりあえず、食べてみてくれ」


「そうね、いただきましょうか」


二人がガトーショコラを口に運ぶ、スズランさんはフォークで丁寧に、アインは豪快に食べていく。


「おぉ! これは美味いな! あの、切って塩かけて焼くしか出来ないホウショウの料理とは思えない!」


「えぇ、凄いわね……こんなの初めて食べたわ」


二人がお酒を飲みつつ作ったお菓子を食べる、ワインも良いものだし上機嫌になっていく。


「そうか、ありがとう。二人の提案で作ることになったんだ」


俺の言葉に蒼井さん(ネモフィラ)細野さん(ミモザ)、二人共照れながら笑う。


「へぇ……極東は凄いなぁ……」


「そうねぇ……これだけ美味しいものが食べれるなら、将来的には旅行をしても良いわね」


「その時は案内頼むな!」


「そうだな、でもかなり向かうの大変だぞ?」


「でも、嬢ちゃん達の里帰りもしないといけないだろ?」


「うっ、そうだな……、いつか行かないとなぁ……」


まぁ、行くのは異世界なんだけどな……。


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