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王子、何も考えていないのは貴方だけです。  作者: 亜鉛
ウェルリンテとスクルビア家
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第三話 予想外の客

タイトルを考えるのを、おろそかにしてしまいました。すいません。

 いざ話そうと口を開こうとした時、レイラが慌てて戻って来た。


「お嬢様‼例のあの方がいらっしゃいました。」


「......早いわね、しょうがないわ。ハンス、リシス急いで裏口から出て。なるべく音を立てないように。さっきのことについては、また後日話しましょう。」


 本当に申し訳ないが、ここは帰って貰うしかない。私達の協力関係がばれたら面倒くさい。私の切羽詰まっている状況を察してくれたのか、二人とも早々に帰る準備をしている。


「ウェルリンテ様が言うくらいなのだから、多分重要なことなんでしょう。私達の心配は何もいりませんので専念なさって下さい。」


「姉様、またね‼」


 裏口から出るのを見てから、レイラに尋ねる


「ランヒルト様がいらっしゃったってことでいいのよね?」


「はい、しかもお一人で。」


「来るのは思ったより早かったわね。貴方にこの手紙を一応預けておくわ、私が合図をしたら出してちょうだい。できれば出さずに、こちら側に引き込みたいのだけれど......。」


「かしこまりました。ええと、私はこの手紙に関して詮索しない方がいいですか?」


「ちょうど今日ハンスとリシスにも言おうと思っていたことだから別に大丈夫なんだけど、今は時間が無いから後で説明する。とりあえず、案内して。」


「ランヒルト様は応接間にいらっしゃいます。」


 リビングから応接間まで階段を降りればすぐに着く。私は応接間の前で一度深呼吸をして情報を整理する


(ランヒルト=ユラインのユライン家は謎が多い一族。ここルイト王国では政治の際、王家のグループが発言権の6割、宰相を含む貴族のグループの発言権が4割くらいいって所。そして、ユライン家は王家に仕える家にもかかわらず全く政治に関わらない。忠誠心のみで動いているのならやっかいね......)


「夜の星の巡り合わせに感謝を。ランヒルト様お待たせしました。」


 入ると客人用のソファに座っている。白髪が混じっているが、温和な顔立ちで微笑を浮かべている。服装は執事などが着るタキシードを思わせるような格好だ。因みに、最初の挨拶は未婚の女性が男性に夜に会うときに使う貴族用の挨拶


「突然訪ねてきてすまないね。先程音がしたけど、誰か先客がいたら申し訳ない。......そんなに心配そうな顔をしなくても誰にも言わずに来ましたから。」


 すごく安心出来るような口調で話すのだが、思わず舌打ちをしたくなった


(協力関係のことをばれた?それとも、はったりなのか?後、一人で来たって言うのもどこまで信じたらいいのか。)


「貴方様も知っての通り、この屋敷には私以外スクルビア家の者は住んでいないので、猫でも走って行ったのでしょう。」


 少し、苦しい言い訳なのだがしょうが無い。多分次に本題に入るだろうから気を引き締める


「そんなことはいいとして、夜も遅いので本題を言いましょう。何故貴方は牢屋にいるのではなく、ここに居るのですか?」


 やはり、と思う。あの第一王子は馬鹿だから、当分は私が牢に居ないのは気づかないとして他の人がいつ気付くかということかが問題だった。明日の日中までは大丈夫と思ったが、予想より早かった。


 対応策としては2つ考えてある。1つは先程レイラに渡した手紙を見せることである。あれを見せれば確実に下がってくれるのだが、この人が王家側だった時にこちらが甚大な被害を受けるので却下。2つめは殺すことだったのだが、ユライン家は公爵家。ここまでの大物が来ると思って無かったのでこの案も却下。


(……そうは言っても最悪は殺すのを考えに入れておかないとね。)


「......ランヒルト様、貴方の一人で来たという言葉は信用しても良いのでしょうか?」


 言いたいことはつまり、ランヒルトが中立の立場を守ってくれるのかということだ


「では、そうですね。......ウェルリンテ嬢が何か話して下さるのでしたら、対価としてここに我が家の『名』をおいて行きましょう。」


 後ろのレイラが、はっと息を飲む音が聞こえる。私も驚いた


(貴族においての『名』は、絶対的な秘密を交わすときに使ういわば貴族としての面子そのもの。......ここまで信用されるのは逆に不安もある)


「確かに、私の出せる情報のは『名』に相応するものです。しかし、ランヒルト様は王家に仕えているのではないですか?私の不安はそこだけです。」


 率直に言う。もしも忠誠心だけで動いているのならば、この会話を王家に伝えられると思う。伝えられたら国家反逆罪で即死刑である。一種の賭けだ


「......貴方を含めて周りには裏に考えがある者ばかりでしょう?私もその一人だと思ってくれれば結構です。」


 なるほど、確かに宰相や第二王子の雰囲気と似ている所がある。互いに利用し合える時は停戦と言うことか


(にしても、多分第二王子と宰相のことは知っているんだろうな。ファリシスのことは知ってそうだけど......。)


「分かりました、では契約の用意をします。レイラ、契約用の魔法紙とさっきのあれを持ってきて。」


「かしこまりました。」


 私達はすぐに契約を交わした。契約内容は、私はあの手紙の情報を見せる代わりに、ランヒルトの『名』と私が牢に居るのをばれないように協力するというもの。因みにランヒルトにあの手紙を見せたら、「確かに対価として相応ですね。」と言ってくれたので、何のトラブルもなく終わった。


「では、ランヒルト様。有意義な時間ありがとうございました。これからも良き協力関係で居られようよろしくお願いします。」


「こちらこそ、ありがとう。また機会があれば。」


 そう言って、一人で帰っていった。確かに馬車の従者以外誰一人として、連れて来なかったようである。


(やっと、終わった。あの情報は出したけど、こちら側にちょっとは引き込んでおいたから結果としては上出来かな?)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「皆さん、きめましたか?」


自分の後継者である4人を見据える。


「俺は『無垢な暗殺者』かな。前よりも生活状況もいいし、ちゃんと健康だから。」


「私は『賢い先導者』と思う。だって、前と結構情勢もにてるからね。」


「私達は、」

     「『新星』だと思います。」

「嫉妬こそが」

     「至高なる概念ですから。」


それぞれの意見を持っていて、いいことだと思う。


「先生は誰と思っているんですか?」


「私は『悲しき姫』だと思います。ですが、貴方たちは自分の思った人を観察しなさい。貴方たちで意見を交換するのは良いですが、私からはだめです。」


「分かったよ。」


「はい、分かりました。」


「承知、」

    「しました。」


 それぞれが返答すると同時に、この部屋から消えていく。後に残って一人たたずむ私は、この先に関する様々なことを思い巡らした後、何時もの持ち場へ戻った。





新規登場人物

・ランヒルト=ユライン

・???

・???

・???

・???&???


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