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第六話 楽しいことをみんなで分かち合う事はコミュニケーションの秘訣です

「ただいま。僕は恋を知ったよ。僕は奇跡は筋肉で叶えることを知ったよ。

あぁ、筋肉こそ至高。肉体こそ奇跡!生きているって筋肉なんだね」


帰ったときになんて言おうか特に考えていなかったからだろうかそんな言葉が自然と出ちゃいました。


「とりあえず、アークヴェイン様を生き返らせますね」


 僕は手をかざして消滅する直前のアークヴェイン様の体を過去から現在に呼び寄せました。死が直前だったので特に因果律の操作も片手間で出来たのは幸いでした。


「………? 俺は死んだはずでは? 貴方が私を蘇らせてくれたのか美しき娘よ」


「アークヴェイン様。僕は貴方のおかげで強くなれました。ところで、ですが、更なる強さを得たいとは思いませんか? そこの魔王ごとき那由他の彼方にしてしまうくらいに鍛えられますがいかがでしょうか?」


「もしその言葉が事実ならば俺は俺を鍛えたく思うがそのようなこと真に可能なのか? 美しき女神よ」


「目の前にその証拠がいますよ?」


 僕は胸を張って自らのステータスを空中に浮かべて見せた。それを見た魔王が即座に逃げ出そうと瞬間移動の魔術を構成していたので、僕は普通に「歩いて」魔王の肩に手を掛けた。


「勇者からは逃げられないんだよ」


「よい香りがする。否!! 冗談ですらない。なんだそのバグったステータスは!」

「たかだか10進数も超えてないのに魔王が何を言っているのかな。まぁいいや。みんなで楽しく体を鍛えよう。そうしよう」


 僕はスキル、勇者の最終試練を発動した。もちろん難易度はレクイエムで。試練を受ける対象は僕と更紗と魔王とアークヴェイン様ともちろん皇女も。


「さぁ、筋肉を更に鍛えよう。喝采せよ筋肉を!!」

「いやだはなせ。離せえぇぇぇぇ」

「え?ちょっと、何で私も対象に!」

「いや、え?私も?なんでぇぇぇぇ?」

「ほぉ。この俺が勇者の最終試練を受けられるとは」


 さまざまな意見が聞けたなと僕は思った。人は十人十色が一番ですよね!


「楽しいことはみんなで分かち合うのがとても大事なコミュニケーションの秘訣です。ほらアークヴェイン様はとてもいい顔しているよね!」

「「「脳みそ筋肉系と一緒にするなぁぁぁぁ!!!」」」


 そして、僕たちを包んだ光が収まると慣れ親しんだ小屋が少し大きくなって僕たちの目の前に見えた。ついでについさっきに分かれた白旗ラスボスまでそこにいた。


「即座に難易度レクイエムで帰ってくるとは愚かな。今の我がステータスは無量大数すら越えて……」

「なら本気でいっていいかな?」


 それほどまで鍛えたのならちょっと本気だしてみようかなと僕は思った。

思ったので僕は着ていたドレスをアイテムボックスに仕舞いこみながら叫んだ。


「抜筋覚醒!!」


 久しぶりにブーメランパンツ一丁になった僕はこれまた久しぶりにふわりと地面に着地した。


名前 永遠に咲く恋歌

レベル 矜羯羅(10の112乗)

筋力 不動(10の7881299347898368乗)

速力 不動

体力 不動

魔力 極量(10の15762598695796736乗)

神力 極量



「は?」


 僕のステータスを鑑定したであろうラスボスは口をあんぐり開けたままうつろな目で僕を見た。


「僕の肉体美は美しいでしょ? さて、じゃぁ、君も一緒に鍛えようか?」


 ニッコリと笑った僕はラスボスの肩をがっしりとつかんだ。


神名 創生神ザ・ゴッド・レクイエム

レベル 最勝(10の448乗)

筋力 界分(10の7168乗)

速力 界分

体力 界分

魔力 界分

神力 界分


「その雑魚なステータスくらいで満足したら筋肉が泣きますよ」


「貴様がおかしすぎるだけだあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


「ちなみにまだ僕は真の本気は出してないよ。あと8形態も残ってるのに。僕、服脱いだだけだよ。補助スキル全部オフにしてるのに」


「………。もうよい。まさかあれほど美しき娘が男であり、脱げば筋骨隆々というだけで悪夢であるというのに、そのスペックすらも悪夢であるとか何なのだ貴様は」


 ふと後ろにいた魔王を見ると、座り込んでなんだか痙攣していました。腰が文字通り抜けたようでした。


「単に鍛えていたらこうなりました。なので皆さんも鍛えましょうね?」


 僕は笑顔で周りを見渡したのですが、皆さんすばらしく引きつった顔をして僕を見つめていました。


「とても鍛えがいがありそうですね」


「とても鍛え害しかなさそうですね」


 僕の言葉に幼馴染がひどい返しをしてきました。そのとき声が聞こえてきました。


『勇者の最終試練レクイエムモードの完全制覇を確認しました。この時をもって勇者の最終試練すべての権限を永遠に咲く恋歌に移行します』


「だそうなので、今の僕のステータスを最低限としてこのステータスを越えた時点で一旦試練終了を条件設定させてもらったよ。みんながんばれ!」


 ニッコリ笑う僕。ピキッと音がしそうなほど凍りついた空間。あれ? 十進数越えとか設定しないだけ易しいと思ったんだけどなんでだろう。


「なんという者になんという権限を……」


「あ、自分での試験離脱宣言をしたら現世での死亡が確定するようになってたので離脱権ごと取り除いたよ。ラスボスも同じだよ。逃がさないよ。逃げられないよ」


「真の魔王は絶対貴様だと俺は確信した」


 にっこにっこな僕とそれと完全に反比例した周り全員。大丈夫。きっといつの間にか立派な精神と肉体をその身に宿してるから。さぁ、みんなで楽しもう!!


幼馴染の結婚式に幼馴染に着てほしいと恋は思っている恋のドレス


真紅の大量のフリルが付いたドレス。フリル一つ一つをスロット化しており、全てに超重量の金属インゴットが圧縮された超絶インゴットを装備。ドレス全体では地球何個分かもわからないほどの超重量。あまりの重さに自身がブラックホール化しかけたため、これを重力魔法で制御しつつ着こなしている。にもかかわらず、現在もさまざまな重量物をインゴットに追加圧縮しているため、日々重量は増加している。無論それを制御する魔法に使う力も増大中。脱げば当然全ステータスが一気に増加する。なお、ドレスの下にはブーメランパンツのみなので脱げばほぼ全裸逆三角形が拝める。


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