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これだけの至り尽くせりの環境。僕はアークヴェイン様を遥かに超えて貴方の正しさを証明します

 アークヴェインの最後に僕はただただ、男としての全てがあるように感じたんだ。筋肉、肉体、鍛え抜かれた体。男とは筋肉だ。肉体だ。それが完備されていた彼に僕は心から恋をした。彼の姿に一目ぼれした僕は思わず、「素敵です。アークヴェイン様」とつぶやいていた。だが、僕の恋焦がれた彼は魔王の魔法の前に塵と化した。

ならば、鍛え方がまったく足らなかったのだろう。だけれど、おそらく彼は生まれたときからひたすらに鍛え上げたはずだ。骨格が肉体が体の動きが、全て完璧といえるほどに整っていたからだ。数十年。それだけ鍛えたとしても魔王には一切その筋肉は届かなかった。



 そして、僕はひたすらに考えた。考えるだけの十分すぎる時間があったからだ。僕が魔方陣によって飛ばされた世界。そのスタート地点には一軒の木製ベット完備の普通の小屋と、無限に湧き出るプロテインの泉。いくら開けても無限に補充されるコンバットレーションまで完備されていたのだから。

 まさにこれからどうやって筋肉を鍛えようと考える僕にとって最高の環境であった上に小屋の中の紙には。


『食料と水はこの場で無限沸きします。この小屋も壊れることは永遠にありません。この地のみ貴方以外何者の侵入も受け付けません。無論、この試練が終わるまで貴方は今の年齢のまま維持されるので老いることはありません。外部とは時間を切り離してあるので無限にこの試練を続けられます。強く願う又は死したとき、貴方はこの小屋に戻れます。この小屋に入れば貴方はあらゆる異常と怪我が治り完全回復します。あなたの心が完全に折れるその時までは』


 と、まさに僕のアルカディアがここにはあった。試しに外に出れば魔法が一切通じない魔物っぽいのがあちこち徘徊していた。腕試しには最適だ!さらにすばらしいのは、自身のステータスが分かることだった。


「これだけの至り尽くせりの環境。僕はアークヴェイン様を遥かに超えて貴方の正しさを証明します」


 それは誓い。日々の肉体強化の試行錯誤の中でその僕の誓いは僕の中で絶対のものになっていった。そして、僕は毎年、日記をつけることにした。自身の成長の度合いを測る指針を作りたかったからだ。



初期ステータス 


名前 久門 蓮司

レベル 1

筋力 12

速力 8

体力 5

魔力 1250

神力 980


 これが僕の初期ステータスだった。とりあえず最大の問題が分かった。なので僕はそれを一年掛けて考えた。考えるついでに色々鍛えた。無限リポップと無限時間があるのだ。もっとも大事なそれを考えるのに一年程度たかが知れていた。



一年後 


名前 永遠に咲く恋歌

レベル 1

筋力 13

速力 9

体力 12

魔力 1250

神力 980


 さて、これで最大の問題が解消されました。いつかアークヴェイン様を越える乙女の僕が男の名前のままというのはおかしいですよね。花嫁であるなら女らしくあるべきです。あぁ、僕はいつかアークヴェイン様を越えて貴方の正しさを筋肉の素晴らしさを世界に伝えていきます。

 とりあえず、名前を考えるのに僕は一年を掛けました。同時に肉体強化という筋トレもやってみたのですが、ほぼ無駄ということも分かりました。365日間一度だけ死ぬまで魔物と殴り合ってみたのですが効果はほぼゼロということも分かりました。

 ですが、最大の懸念でした名前も決まりましたし今後は恋歌、あるいはレンと名乗ることにしました。

久門の久は永遠、悠久。門はさまざまな解釈ができます。蓮司の蓮は解釈しだいでは命、花、誕生。司は司ることが一般的な意味です。なので、元の名前から永遠、門出や始まり、蓮の命と花から咲く。さらに、蓮は命なら命をはぐくむ恋もまた蓮の意味。司から恋を司る代表的なものの恋の歌。

 だから、僕は自分の名前を、永遠とわに咲く恋歌れんかと名づけたのです。実に一年本当に悩みました。素晴らしいネーミングだと思います。

後はこの試練を突破する前に体を鍛え上げるだけです。その案も一つあります。魔法を使うしかない。実に魔力特化の僕は、自身を鍛え上げるのにもしかしなくても魔物と戦わなくても魔力と戦えばいいのではないでしょうか? さて、思いつけばなんとやらです。魔法を用いて筋肉を鍛えるので魔力鍛錬とでも名づければよいでしょうか?


さらに一年後


名前 永遠に咲く恋歌

レベル 1

筋力 48

速力 120

体力 255

魔力 23800

神力 18900


 ふしぎですね。僕は体を鍛えたつもりなのですが魔力と神力が増えてます。どうやら鍛え方が足らなかったようですね。徐々に肉体の負荷を増えた魔力で増やして、神力での回復で超回復を狙っていきましょう。


さらに一年後


 『スキル 魔力限界無限 神力限界無限 痛覚無視を獲得しました』

 と、不思議なアナウンスが僕の脳内に流れました。効果は魔力と神力がそれぞれ限界なく成長するとあります。どうやら限界値に達しても酷使し続けた結果、限界を突破したようです。筋力限界無限もありそうですね。近いうちに手にしてみせましょう。そういえば7ヶ月くらい激しい頭痛を無視して魔法鍛錬を続けたのですが、それが限界突破のフラグだったのでしょう。


名前 永遠に咲く恋歌

レベル 1

筋力 980

速力 1200

体力 2580

魔力 101340

神力 123780



スキル

魔力限界無限  魔力が限界なく成長する 魔力限界突破の最上位

神力限界無限  神力が限界なく成長する 神力限界突破の最上位

痛覚無視    痛覚を感じながらもそれを痛みではなく感覚として感じることができる


 さぁ、まだまだ僕の鍛錬は始まったばかりです。僕はこの世界でどこまで成長できるのでしょうか?



魔力限界無限 獲得条件 魔力限界突破を得る条件を満たしてなお魔力を6ヶ月を超えて休みなく鍛錬し続けること。ただし鍛錬中とみなされるのは魔力枯渇の頭痛状態の維持である。


神力限界無限 獲得条件 神力限界突破を得る条件を満たしてなお魔力を6ヶ月を超えて休みなく鍛錬し続けること。ただし鍛錬中とみなされるのは神力枯渇の頭痛状態の維持である。


痛覚無視 獲得条件 人知をこえる痛みを6ヶ月を超えて無視しつづけること。例えば魔力枯渇だけでなく神力枯渇による同時頭痛に耐え続ける等。

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