コント「以心伝心」
登場人物:女性記者、人型宇宙人、花型宇宙人
ナレーション:ここはコメリカという国のある砂漠。そこへ空から宇宙船がやって来て、宇宙人が降り立った
人型宇宙人と花型宇宙人が立っている。人型宇宙人は宇宙服のようなものを着ている。花型宇宙人は植木鉢に植えられていて動けない。花の部分が顔。その顔の周りには花びらがついている。体は茎と葉でできている
人型宇宙人「では、私は帰る」
花型宇宙人「ちょっと待て。ここどこだよ!」
人型「地球という星だ」
花型「地球だと?なぜだ」
人型「私の星で犯罪をおかした者は流罪だからだ。だからお前をここに置いていく」
花型「俺が何したって言うんだよ!」
人型「表面上は涼しい顔をしながら、我々の見えないところで、他の植物を排除していただろ!」
花型「地下で隣の植物の根っこがぶつかってきたから、俺が自分の根っこで追い払ったんだよ!」
人型「それが罪なんだよ。お前は地下で陰謀を実行したということだ。だから植木鉢に移し替えて、地球に置く!」
花型「そんな~!」
人型「じゃあな」そして、宇宙船に乗り込んでいく(舞台、暗転)
女性記者が片手でマイクを持ち、遠くにいる花型宇宙人を指さして、興奮しながらカメラに向かってしゃべっている
「あそこにいます!地元の人が見つけた宇宙人が!皆さん、見えますか!植物タイプの宇宙人です」
花型「何だ、あいつ」
記者「ちょっと近づいてみますね!」接近していく
花型「お、この星の生命体だな」
記者「キャー!!何かしゃべった、やっぱり宇宙人です」
花型「あ、そうか。言葉通じないんだよな。俺はテレパシーで相手が何を言ってるかわかるんだけどよぉ…よし、テレパシーを送ってみよう…」花型、集中するために目をこらす「伝われ!むんっ!むんっ!」
記者「何かにらんでいます!とても怖いわ…」
花型「怖くないよ、安全だからこっち来い!」
記者「コメリカを侵略しに来たインベーダーかしら?」
花型「動けねえんだよ、俺は!植物型生命体なの!侵略できる訳ねえだろうが!」
記者(頭を抱えて)「キャー!またしゃべった!すごく興奮してるわ!落ち着いて、いい?あなた、落ち着きなさい!オーケー?オーケー?」
花型「落ち着かなきゃいけないのはお前だ!バカッ」
記者「キャー!!威嚇してるわ!野蛮な宇宙人よ!地球を侵略しに来た第一団かもしれないわ(腰から銃を取り出して向ける)いい?変なことしてみなさい、あたしは本気よ」
花型「クソ~、もどかしい。早く脱出手段を見つけてこの星を抜け出したいだけなのに~!よし、警戒心を解くために今は笑おう!笑うしかない(笑う)。そして伝われ、伝われ~。俺は敵じゃない、安心しろ、余裕を持て、余裕を!リラックスしろ!」
記者「銃をあざ笑ってる!ああ、ダメよ。余裕だと言ってる気がするわ」
花型「あ、ちょっと通じたぞ。こいつ、少しくらいならわかるかもしれない!俺のテレパシー通じろ、通じろ~!そんな武器おろせ、科学力を軍事に使うな」
記者「無駄無駄無駄~?こんな武器、俺の科学力でいつでも無効にできるって言ってるみたい!こいつ!なめないで!」(銃を構えなおす)
花型「言ってない言ってない!よし。まず、伝言より落ち着かせよう。イメージを送ろう。落ち着け…愛…平和…調和…」
記者「何かしら。急にお茶が飲みたくなってきたわ…」
花型「多少通じてるな…よし、何か安心するものだ!安心するもの!…何だ、ええと、干ばつが続いた後の雨……日光が浴びられる光合成できる環境……肥料……ビニールハウス……適量の農薬……栄養度の高い土……ミツバチの受粉……」
記者、銃を下ろして
「何かしら。急に転職したくなってきたわ、ああ!そうだ、兼業農家になろうかしら~!」
花型「通じてないけど、落ち着いてはきたみたいだな。よぉ~し、よぉ~し。俺は敵じゃない、そしてこの世界は緑にあふれているぞ……」
記者「緑がたくさん見えるわ」
花型「そうだ、よしよしよし」
記者「かえる、蛇、とかげ…何か気持ち悪いわ」
花型「ちがうちがう、草、葉っぱ、青汁の方」
記者「ああ、癒されるわ!」
花型「だろ?、植物は魅力的だろ。俺も魅力的だ。魅力的…見るがいい、感じるがいい、春にそよ風が吹き、めしべに群がるおしべたちの、揺れ動くこのビジョンを!」
記者「たくさんのカイワレ大根が見えるわ」
花型「ちょっと違うけどな~、ま、少し近いな。とにかく安心しろ、俺は動けない。だからお前を襲えないんだ、俺は友好的な知的生命体だ」
記者「わかったわ。そう、動けないのね。だから安心しろと言ったのね」
花型「そうだ、やっと伝わったか。地球人よ」
そこへ花型宇宙人の後ろから突風が吹いてくる
「うわ、やばい。風だ!」ドタッと前に倒れる
記者「動いたわ!動けないって言ったのに!嘘つきのクソ野郎だわ!」
花型「ち、違う!」
記者「州警察呼んでくる」
走り去る
花型「や、やめろ。騒ぎを大きくするな…ああ…」 (完)
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