第98話 故郷のケジメ
俺は金色に光り輝く刀身の切っ先を、魔神ペイルライダーに差し向けた。
魔神マーラーとか言う性悪女は、俺の放った魔法が女神アテネを巻き込んだ際、ゼウスにさも俺がわざとやったかのように、映像編集とかしたらしい。
つまり、あの性悪女は今この状況を見てる可能性が高い。
「おい、骸骨野郎。おめえ俺の音声と映像とか、魔神マーラだっけ? 見てんだろ? 中継しろよ」
「しているぞ? 他の魔人もガイウスも、お前の姿を見ている。貴様の正体は伝説のアースラだと、他の魔人が震え上がっている……ちょっと待て! アースラだと!? 死んだ筈では!」
何だこの野郎、ベタなノリツッコミしやがってバカヤロー。
まあいいや。
どうせ、遅かれ早かれバレがくる。
ちょうどいい機会だ、今この場で俺の恐ろしさを、あいつら大魔王軍幹部の魔神達のクサレ脳味噌に、徹底的に焼き付けてやるぜ、脳味噌あるかは知らんがな。
すると俺とペイルライダーの体が、ワープするように無限地獄に放り込まれた。
ヤミーがやったんじゃねえ、親分だ。
放り込み方が雑じゃねえし丁寧だし、滅茶苦茶魔法の発動が早い。
戦いの年季が違う。
「なるほど、貴様はこの暗黒空間に魔神を封印していたのか。ここなら、魔神マーラーの目も届かないから、貴様の真の姿も……」
「何勘違いしてんだ骸骨野郎? 封印だ? ここはてめえらを始末するバトルフィールドよ。てめえみてえな、仁義もねえワル専門のな!」
俺は、アースラの力でかっ飛んで行き、金色の刀で斬りかかるが、骸骨野郎は乗ってる馬の機動力で、縦横無尽に動き回る。
ちくしょう、あの青い馬が厄介だ。
スピードは俺より、つまりアースラより僅かに上。
親分も、よくもまあ馬乗ってるあんな速い野郎と喧嘩できるな。
さすが俺の、俺達の親分だぜ。
「困ってるようだな? マサヨシよ。乗るがいい、私の素早さはケルベロス公よりも上、力を貸そう」
俺が声がした方を見ると、全長5メートルを超える、魔獣化した兄貴の姿だった。
なるほど、そういう事か。
あっちの世界では、兄貴は柴犬みてえな犬っころのままだが、この地獄の中なら万全の状態で、喧嘩ができるという事。
「兄貴すんません、頼んます!」
俺が兄貴の背に乗ると、広大な無限地獄の中を、縦横無尽に走り回る。
すげえぜ、やっぱり兄貴はすげえ……ていうかこれ速すぎね?
乗り物ってよ、自分で運転するなら、どんなにかっ飛ばしても大丈夫なんだが。
実際、俺が10代の駆け出しの時なんか、縄張りの国道でハエみてえにうるせえ、同い年くらいのカミナリ族の小僧らぶちのめして、ヤスと一緒に奪ったナナハン乗り回して遊んだ時なんか、もう最高に楽しかったね……。
……ちくしょう、やっぱやべえええ、こえええええええ。
俺、絶叫マシン系とかダメなんだよおおおお。
舎弟や、女と遊園地に行ったとき、絶対に乗らなかったからな!
ダメだ、自分の意思でかっ飛ばすんじゃなく、こんな速さで、飛んだり跳ねたりぐるぐるやられたら、三半規管ってやつか? おかしくなって乗り物酔いしちまうって。
時速何キロよ? いやもう時速とかそんなレベルじゃねえ、やべえとしか言えねえ。
マッハGOGOGOってか?
アースラの体になっても、恐怖を感じる速度とかハンパじゃねえ。
すると、兄貴が口から地獄の火炎を魔神野郎にぶっ放しまくる。
すげえ、兄貴マジですげえ。
ベリアルよりも強いだろ、このパワー。
じゃあ俺も!
俺は6本の腕で魔力を高めた。
すると無限地獄に次々と、太陽の光の数千、数万の無数の光の魔法陣が浮かび上がる。
「烈日赫赫」
百発百中の、ホーミングレーザーみてえな光の矢が飛びまくり、野郎の行動を制限する。
さすがにこの技には、往生するようだな。
それじゃあ、追い込むぜ!
俺は、左目の眼帯を外す。
アースラの体なら、今の俺の力なら!
すると、俺の失った左目が炎のような燃える瞳に再構築された。
よし、これならば兄貴の速度にも、骸骨野郎の素早さにも対応できる!
魔法のピストルで狙いを付け、マシンガンのようにプラズマの火球を撃ちまくる。
すると、骸骨野郎の体と馬に攻撃が当たり始め、速度が鈍ってくると、次々と光の矢が奴の体を貫き始めた。
「死の螺旋」
しかし、奴も馬に乗りながら、死の螺旋のような技で槍を突きまくり、俺の体と、兄貴に何発か当たり、兄貴の顔と俺の肩の一部が削れる。
あの野郎、攻撃力がかなり高い。
他の魔神野郎とは全然違う、かなりの手練れだ!
「マサヨシよ、お前は私の最強技の地獄の炎陽を覚えたそうだな? ヤミーお嬢様から聞いたぞ? だがまだまだ。私が使う姿をよく見るがよい! 地獄の炎陽!」
焦熱地獄に時折やってくる、オーロラのような虹色をした超高熱のプラズマが、無間地獄の闇の中で煌めき、骸骨野郎の体を包み込む。
「ここでプラズマの炎の渦を濃縮し、もう一度放つのだ! 地獄の炎陽!」
すると、濃縮されたプラズマとプラズマ同士が衝突し、まばゆい光を放つ。
意思を持つ超高温と、超高圧電流のプラズマの渦が、魔神野郎を攻撃し続ける。
奴がどんなに動こうと、決して逃がさぬ地獄の炎陽ってやつか?
滅茶苦茶喧嘩慣れしてやがる、さすが俺の兄貴だ!
「くそ、小癪な魔獣め!」
今の炎でダメージを負った骸骨野郎の槍がまばゆく光り出す。
やべえ、とんでもなくやべえのが来る。
「兄貴、一時離脱しやす!」
俺は兄貴から降りて、アースラの金色の刀を正眼に構える。
親分の入れ墨が入った時には、全ての魔法効果を打ち消す刀になった。
ならば! 俺の中のアースラよ、力を貸せ!
すると、刀に虹色の光が煌めく。
「死ねい! アースラ! 希死念慮」
強烈な死の波動と共に、骸骨野郎のオーラが槍の穂先に集まり、死の螺旋の渦が俺の体をぶち抜こうとしてきた。
こんなやべえ技、逃げちまいてえ。
だがなあ、俺は決めたんだ。
こいつの最強の技を打ち破って、心をへし折って精神的に屈服させてやる。
人の魂を、命を、思いを弄ぶような外道に、俺の男を見せてやるぜ!
「いくぜ! てめえの罪、背中の阿修羅の名にかけて裁いてやらあ!」
俺は全神経を刀に集中し、正眼の構えから奴の突き技を、諸手突きで突き返した。
すると、刀が奴の力に反応して奴の力を盗むように、吸収していく。
「な!?」
骸骨野郎は絶句し、隙が出来たようだった。
勝機!
俺は、一気に骸骨野郎の間合いまで詰めて、まずは邪魔な青い炎の馬の首を、袈裟斬りの一刀で斬り飛ばし、骸骨野郎との間合いをさらに詰めた。
ここまで懐に入っちまえば、そのでかい槍じゃ捌き切れねえだろう。
「死の剣!」
すると野郎は、槍を捨て去り腰に刺してた禍々しい青龍刀のような、どす黒い剣を引き抜き、落馬する瞬間、飛び上がって俺に剣を振り下ろしてきたから、俺は刀で受け、また奴の一撃のエネルギーを盗み出すように吸い取ると、刀が眩く虹色に光り輝いた。
「き、貴様! 私の技の力を吸い取って……」
馬鹿が、喧嘩中にベラベラやりやがって。
隙が出来るじゃねえか、こんな風に!
俺は素早く遠心力を使って、野郎の鎧の小手の隙間に、刀で巻き打つように、ぶった切る。
そして、俺は溜めてた刀の力を集中させて、古流剣術の奥儀を繰り出すことを考えた。
名だたる剣聖さん達も修めた、最強の流派の一つ。
転生前、腕がたつ若い衆に入門させて、俺もそいつに教えてもらい、型を覚えた伝説の剣技。
甲冑を着ている野郎の、鎧の隙間をぶった切る、一撃一撃が致命傷の必殺の連続剣、香取神宮の天真正伝香取神道流。
「天真の心得とはこれすなわち、謙譲の精神なり。極意、八神乃太刀」
骸骨野郎が大上段から、剣を振り下ろしてきたところを横に避けて、頭をぶった斬る。
反撃しに来た骸骨野郎の小手を、刀で跳ね上げるようにして切り込み、滑り込むようにして、胴切りを放ち、鎧ごと奴の体をぶった斬った。
骸骨野郎が、俺の手首を斬りつけようとするが、足さばきでバックステップをして間合いを離し、俺は下段の構えに移る。
「な、何だ! その剣技……」
「香取大明神様の剣だよバカヤロー」
「なあ!? 闘神にして、剣聖フツヌシの剣技だと!?」
野郎は再び上段の構えになって、俺に斬りかかる。
だがテメーの剣はもう見切った。
俺は瞬時に飛び込んで、奴の甲冑にさっき入れた切れ込みに、渾身の胴切りを放つ。
そのまま抜けて、奴の首に渾身の刀の一撃を振り下ろし、首をぶった斬った。
そして刀をくるりと回しながら、刀を鞘に納める。
やったか?
……いや、まだだ、首を斬り飛ばしても、こいつの魂は屈服してねえ!
「私を他の魔神と一緒にするなよ! 首が無くなっても一矢報いてやるわ!」
骸骨野郎の首が宙に浮かび、目から青白いオーラを放って、死の波動を放つ。
アースラの俺には即死の効果はねえようだが、動きを止められ、骸骨野郎の首が無くなった甲冑が、俺に襲い掛かかる。
「私がいることも忘れるな! 冥・豪炎抜刀牙!」
兄貴は、さっと飛び出して、ドリルのように回転しながら骸骨野郎の首を咥える。
体が動く! これならば!
「抜打ち之太刀」
首無し甲冑が振り下ろしてきた刀を、抜刀してはじきながら、一刀のもとに切り捨てた。
「マサヨシ!」
兄貴が奴の首を放り投げる
「ナイスパス、兄貴!」
あとは骸骨野郎の力、全て盗み取って敗北させてやるぜ!
俺は、放り投げられた首の右の眼窩に、刀をぶっ刺す。
すると刀はまばゆい光を放って、骸骨野郎の魔力を吸い始めた。
「ぬああああああああ、私の力が吸い取られりゅうううううう」
骸骨野郎は情けねえ声を上げて絶叫するが、甲冑の方は、最後の力を振り絞り、首なし死体のような甲冑が立ち上がる。
「兄貴!」
俺は刀を振り払うように、兄貴にやつの首を放り投げると、兄貴がシャレコウベをジャンプして口に咥え、尻尾を振る。
「しつけえ野郎だなあ、女にモテねえぜ?」
俺は居合の一撃をあたえようとして、刀を鞘に納めると、俺の体に今までため込んでた刀のエネルギーが流れ出す。
なるほど、相手の魔力を盗み取って自分の魔力に変えられんのか?
なるほど、それならばその逆も可能な筈!
俺は、アースラの刀を抜刀し、溢れんばかりの魔力を込める。
すると、虹色をした刀が、まばゆい光と共にSF映画のような光の剣みたいになった。
すると、兄貴に咥えられた骸骨野郎のドクロが、恐怖で震え出す。
兄貴もドクロをポロリと落とした。
「おお、それはアースラ様の伝説の必殺剣、ヴァルナ」
ほう? この刀ヴァルナって言うのか兄貴。
いいねえ、カッコいいじゃねえか。
「兄貴、こいつどう使えばいいんですかね?」
「大王様の死杖カラダンダは、殴打した相手の魂を消滅させる武器だが、アースラ様の武器は、刺突した相手に膨大な魔力を与えて、爆発四散させる武器」
なるほど、相手をぶっ刺しに行けばいいってわけか?
極道というか、俺の得意技じゃねえか。
転生前、稼業に入って最初の抗争で兄貴たちから習った、相手の命取る技。
俺は、6本の腕で刀の柄を持って右脇に抱える。
本当は、刃を上に向けてぶっ刺しに行くんだが、これは多分両刃の刀。
そして腰だめになり、首なし死体みたいな骸骨野郎の体目がけて突っ込んだ。
刺さった瞬間、思いっきり突きあげて、奥深くまでぶっ刺あいた。
すると刀を通して、俺の魔力が流れ込み始め、甲冑の貫かれた背面から火花のような魔力がまばゆく光り出し、俺は首なしの甲冑に前蹴りかまして、刀を引き抜く。
「修羅曙光」
技のセリフを叫んだ後、後ろを振り返り、元の右手で刀を天に掲げるポーズを決めた。
俺の背後で首なし死体の甲冑が、大爆発して爆風が後ろから吹きつける。
決まった、俺様超かっこいいぜ!
「た、助けてくれ! 頼む、アースラ! わ、私が悪かった、た、た、頼む」
骸骨野郎のドクロが、口をカタカタと震わせ、俺に命乞いしてきた。
何言ってんだこの骸骨野郎?
ぶっ殺すに決まってんだろうが、外道が!
いや、待てよ、いいことを思いついたぜ。
俺は兄貴の唾液まみれになった骸骨頭を掴んで、頭を下げる。
「親分、終わりやした! そちらに戻りやす!」
俺が無間地獄から帰ると、骸骨野郎から呼び出されたアンデットが昇天しようとしていた。
親分とヤミーはご両親に、俺はおやっさんや、町の人間に頭を下げて昇天を見守る。
そして、俺は掴んでいた骸骨野郎をじっと見て、にやりと笑った。
人は、怒りが極限まで高まると自然と笑みが浮かぶようで、本で読んだが、笑顔とは、威嚇の裏返しとはよく言ったもんだ。
「おい、みんな! そこに俺が作ってお供えするはずだった、花束あるからよ、そいつをそこの教会前の慰霊碑に置いて、みんなで祈りを捧げてくれ、俺の故郷の人達だ」
俺は女たちに告げると、親分と兄貴と一緒に、骸骨の首を村の広場に連れて行く。
さあて、これから他の魔神達へのみせしめの、R15なケジメの時間だ。
俺は町長が使ってた朝礼台の上に、骸骨を置く。
「おい、骸骨野郎! 助かりたかったら魔神共に俺の姿中継しろ!」
「わ、わ、わかった! 助けてくれるんだな!」
「おう、考えてやるよ」
俺はにやけながら、うんこ座りして刀を木刀に変えて、右肩に担ぐ。
「よう、アホのガイウスと大魔王軍のヨゴレ魔神共、元気? 調子どう?」
俺が骸骨に声を掛けると、骸骨の口がカタカタと動き出す。
「き、貴様! ア、ア、ア、アースラめ!」
「私は魔神マーラーです。あなたは、一体何を考えているのですか?」
「ま、また、わ、わ、我々の邪魔を!」
「ペイルライダーは? 彼奴はどうなったんだ!」
おうおう、魔神共がテンパってんなあ。
じゃあ、思いっきりビビらせてやるか。
「親分、このテレビカメラみてえな骸骨、クズ共につながってるようですぜ?」
「ほう、そうか? どれ」
親分のイカツイお顔が、ドクロを覗き込む。
顔面凶器……じゃねえ、顔面侠気のお顔にビビりやがれ。
「なあ! き、き貴様は大魔王ヤマ」
「わ、わ、わ、我々を脅しているつもりか!」
「ひっ、その目で我々を見るな!」
俺は立ち上がりながら舌打ちして、木刀でドクロをぶち回しまくった。
「"閻魔大王様"だろうがよ! 誰に向かって口きいてんだゴラァ!」
「ぎゃあああああああああああああああ」
骸骨野郎が痛みに悶絶して、悲鳴が上がる。
へっへっへ、伝わるぜえ、骸骨野郎の目を通して、向こうの魔神野郎共の恐怖が。
「なんか、映り悪そうだし、ぶっ壊れてんじゃねえのか? このテレビカメラよお! 変な声とか上げやがったぜ? ヒャーハッハッハア!」
俺はガンガン木刀の一撃を、骸骨に入れまくる。
転生前に俺の命狙ってきたボンクラへ、ヤキ入れてぶっ殺すところの映像映した、ビデオテープを、相手の組織に送り付けてやった事あったなあ。
これやられると、相手は精神的にキツイのよ。
自分の組の若い衆が、ぶっ殺されてる映像を見せつけるって。
時には、相手側が頭下げて、手打ちの金を持ってくるくれえにはな。
「た、頼む。こ、こ、こ、殺さないでくれアースラ! わ、わ、私が、このペイルライダーが悪かった、助け、お助け!」
俺が木刀のヤキ入れてると、親分がやめの合図の意味で、片手を上げて制止する。
そして、木刀のヤキを俺はぴたりとやめ、親分に頭を下げて、3歩後ろに下がった。
「貴様ら、揃いも揃って我らを怒らせおってからに……こやつのように、首を切断し、死よりも恐ろしい制裁を加え、創造神様の前に這いつくばらせた後、殺してくれようか? のう!」
親分が手に持った、死の杖の一撃でしゃれこうべを吹っ飛ばす。
そして、吹っ飛んだ首を兄貴が口に咥えて元の場所に置いた。
よだれでべとべとになって、骸骨野郎がすすり泣く。
そして、俺はアースラの姿になった。
「まあ、そういうわけだからよお? てめえら全員封印とか生ぬるい事とか、もうしねえ。全員ぶっ殺してやるから、待ってろやゴラァ!」
俺は骸骨野郎の目を見て、アースラの瞳で睨みつけると、親分は俺に死の杖を手渡した。
頭を下げた後、俺は親分の道具を受け取る。
ズシリと重くて、俺は思わず6本の腕に力を入れ直し、握り締めた。
「は!? ま、まてアースラ、私を助けてくれるんじゃ……」
「はて? そんな事我たちが言ったかのう? マサヨシよ」
親分はとぼけた顔で、俺を見やる。
そして俺は、親分へ首を真横に振った。
「いえ、考えてやるとは言いやしたが、助けるとは言ってませんぜ」
俺は親分から借り受けた、クッソ重い杖を頭上に振り上げる。
骸骨野郎はカタカタと震えあがった。
「ま、待ってくれ! あ、悪魔だ! お前は正真正銘の、悪魔の中の悪魔の魔神! や、やめて」
「待たねえよバカヤロー、おめえが魔神だろうがコノヤロー。おう、次はこれ見てるてめえらの番だ! 首洗って待っとけおらぁ!」
死の杖の一撃で、骸骨野郎のしゃれこうべを粉々に粉砕してやった。
そして、懐に入れてたハンカチで杖を拭き、親分に両手でお返しする。
「それでは、我は冥界の裁判と魂の循環の業務があるゆえ、戻るとするかの」
「へい、お疲れ様でした」
俺と、兄貴は頭を垂れて、親分が冥界に帰るのを見送った。
さてと、残す素材はあと一つ、謎に包まれた西の大陸だ。
そして、俺は女共の元に戻り、故郷の慰霊碑に両手を合わせ、頭を下げたのだった。




