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仁義なき異世界転生 ~勇者マサヨシの任侠伝~  作者: 風来坊 章
第四章 頂上作戦 
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第87話 武闘派

 俺の名前はドワーフのガイ、せっかちな大槌(ハンマー)使い。

 父ちゃんは偉大な最強ドワーフにして、親分の弟分、舎弟頭ガルフ。

 極悪組で活動する時は、俺達は叔父貴と呼ばなきゃいけない。


 そして親分の名前はマサヨシ。

 とても強くて賢い俺達の親分で、今は留守。

 

 俺の大事な弟、マシュは照れ屋で大剣使い。

 オルテはのんびり屋で大斧使い。

 俺達3人揃ったジェットアタックは、親分も強いって言ってた。


 俺がガルフの息子で一番頭いい。

 でもニコの若頭(かしら)とブロンドの方が、賢くてよく考えてる。


 俺達も考える、今後のために親分によく考えろって言われた。

 親分からの大事な話。


「ガイにはよ、商人達と組んで、これからの組の中核を担う、武器製造のシノギと、組の為に先陣切って殴り込みする武闘派やってもらいてえ。物を知らねえ馬鹿は、武闘派って言うと、喧嘩だけしか能のねえ馬鹿扱いしてやがるが、実際は違う」


 俺達は親分に、武闘派をやれと言われた。

 頭を使うのドワーフは苦手。

 だから頭を使うのは、エルフのブロンドの役目。

 そして俺達をまとめ上げるのは、ニコの若頭。


「いいかい、ガイ、マシュ、オルテ。武闘派ってのは、怖がられて、喧嘩が強いに越した事はねえ。けどな、本当の武闘派ってのは、たくさん金持ってて、ちっとは頭使わねえと務まらねえんだ。喧嘩には金がかかるが、ブロンド、いやエルフはそこが疎い」


 親分は言う。

 エルフと、ブロンドは頭いいが金稼ぎがヘタ。


「あいつらも喧嘩はうまいし頭が回る。だが、どこまで俺の理論が実践できるかって言うと、俺やニコが死んじまったら、多分文化的問題ってやつか? 難しいかもわかんねえ。おめえらは手っ取り早く、儲かるシノギがあるから、あいつらが困ったら、金くれてやれ」


 エルフは知識は沢山持ってるし、何かを生み出したり頭使うの得意。

 だけどそれだけでは金が稼げないって親分言うが、そうかもしれない。


「俺も色々アイデアとか考えてやるから、ドワーフは今以上の武器製造技術や、素材技術を磨け。そしてそいつを加工した物を商人に売って稼ぐ。俺が転生前にいた国、日本はそれがうまい国だった」


 俺達ドワーフは、物作り出来るし、喧嘩も強い。

 でもそれを活かせる賢さが足りないから、もっと勉強して、金を蓄えろと言われた。


「それでな、ここからが肝心な話でよ、欲かいて金儲けと喧嘩が目的になっちゃダメだ。それやっちまうと、いずれ極悪組は破綻する。だからよお、俺達の目的は?」


「弱きを助け、強き悪を挫く任侠道」


 俺たち三兄弟は親分に応える。


「そうだ。弱き者ってのは、まだ未熟な小さな子供とか、正しい心を持ってるけど、弱い立場の人達。悪ってのは、罪のない善良な人を傷つけて、楽しんでるカスヤローだ。てめえの都合のために、多くの善良な人を利用して嘘をつき、人々を不幸にしても、それに対して何にも思わねえようなクズヤローの事だ。おめえらは、そんな奴には絶対なるな、そいつらを挫く正義の任侠道を貫け、いいな?」


 親分は悲しそうな顔をして、俺達に大事な事を言う。

 とてもとても悲しそうな顔だった。 


「今後の将来の体制だが、親分の俺が、子分を差し置いていちいち出しゃばって、喧嘩したり先陣を切るのは、組織としてまだまだ統制が取れてねえし、健全じゃねえ」


 喧嘩でいつも先頭に立つのは、一番強い奴。

 ドワーフでは当たり前。

 極悪組は親分だけど、親分はそれがダメだと言ってる。

 組織の役割分担というらしいが、俺達よくわからない。


 だが、親分がわかりやすく話してくれた。


「今後の体制は、ニコを中心に、エルフやブロンド達は、インテリみてえに知恵を絞り、おめえらドワーフが力を蓄えて、真っ先にワルをやっつけに行く武闘派をやる。いいな? おめえらはまずガルフのような男や、おめえらを世話してるニコを目指せ」


 俺達が目指すのは、親分やお父ちゃんのような、男の中の男。


 そしてニコの若頭。


 俺達子分の中で一番強くて、親分とお父ちゃんの次にかっこいい、男の中の男。

 

 だから若衆の中で一番若いけど偉い若頭。


 でもニコの若頭は目覚めない。

 ベリアル守るために、体張った。

 俺達ドワーフみたいに真っ黒になった。

 体治ったけど、魂が戻らない。

 メリアはずっと泣いてて、かわいそう。


 今はブロンドが極悪組の代行で、大変だから俺達がブロンド支える。

 あいつ忙しいけど、たまに遊びに誘う。

 ベリアルも一緒に入れて遊ぶ。


 俺、あいつを、ブロンドやエルフの事嫌いだった。

 エルフは、自分たちが一番だとみんなを馬鹿にする。

 自分たちを正当化するの得意。


 あいつ、事あるごとにエルフ持ち出してドワーフ馬鹿にして喧嘩になった。

 マシュとオルテを泣かしたから、許せなかった。


 親分と父ちゃんに言えばすぐに済む話。

 だけど俺はこんな事で頼りたくなかったし、これは、俺達の喧嘩。

 親分やお父ちゃんが出るの恥ずかしい……。

 

 けどブロンドも強いし、俺より頭いい。

 でも、ニコの若頭の方が頭いいし強い。

 俺達の事をずっと見てた。


 そしてブロンドが若頭に殴られた。

 若頭は、ドワーフのように情が厚くて、エルフのように知恵がある。

 親分はそれを男気、または侠気と言ってた。


 若頭がブロンド殴って以降、みんなで集まって、考えるようになった。

 そして、ブロンドの奴は変わった。


 みんなを気にかけて、いろんな人にいろんなこと聞いて回るようになった。


 そして信頼される男になろうと努力してる。

 知恵を使って、力をつけようとしてる。

 

 俺、ブロンドに負けられない。

 ドワーフはもっと強い武闘派になる。


 俺達は悪魔達の空飛ぶ船で、生まれ故郷に帰る。

 ブロンドは久々に、自分のおばあちゃんのところに帰った。

 お父ちゃんと、俺達はドワーフ国に帰る。


 久しぶりにお母ちゃんと会った。

 他のドワーフ達も、みんな家族との再会を喜んで嬉しそう。


 だけど俺達はやることある。

 まずは、酒飲んでくつろいでるお父ちゃんに話をしに行く。


「なんだお前ら? 改まって。おら、お前達もなんか最近大人びてきたから、祝いだ飲め!」 


 マシュやオルテはその場にあったコップ持って、父ちゃんの酒を受けに行くがやめさせた。


 酒を飲むのは、後でもできる。


「お父ちゃん、いや叔父貴、俺達若頭の事がある、祝えない。もっとドワーフ強くなる必要ある」


 お父ちゃんは、俺のほっぺたを思いっきりぶん殴る。


 酒を飲むといつもそう、機嫌悪くなると殴るのが父ちゃんの悪い癖。


「なんだ、ガイ? おめえ、ワシが飲めって言ったら酒飲め!」


「飲まない! 祝う事今は違う! 俺達は叔父貴から生まれたけど、俺達に命令できるのは親分や、ニコの若頭! あんたじゃない!」


「ほう? 言うようになったなクソガキが。マシュやオルテはどう思ってんじゃ?」


 マシュやオルテはお父ちゃんに目を伏せる。

 あいつらお父ちゃん子だから、逆らえない。

 だから、意見を言うのは一番兄の俺の役目。


「ドワーフの流儀、例え血を分けた親子でも、一番強い奴が皆を率いる! 今、あんたの言うこと間違ってると思ってる! 今は祝えない! 俺達に意見するのはマサヨシ親分とニコ! 叔父貴、ガイはあんたと喧嘩する!」


 すると、父ちゃんは持ってた酒瓶を、床に勢い良く放り投げて、俺をにらみつける。


 だけど、俺は目をそらさない。

 間違ったことは言ってない、俺。


「そうか、喧嘩か。表出ろ、クソガキ」


 お父ちゃんは、王宮(いえ)の外に出ると酒の効果でイフリート化する。

 周りのドワーフ達、洞窟の空気穴から物凄い風が吹き込んできて、喧嘩を見にみんな出てくる。


 俺一人では絶対勝てない相手。

 でも、俺は絶対に間違ったこと言ってない。


「俺たちクソガキじゃない! 俺、極悪組若衆ガイ!」


 俺は喧嘩開始の前に、酒を一気飲みする。

 喧嘩前に必ず行う、ドワーフの掟。

 

 そして父ちゃん足に殴りかかる。

 ドワーフの流儀、ドワーフ同士の喧嘩は素手で戦う。

 どっちが強いか力比べ。


 父ちゃんの体、たまに山から出てくる溶岩のように熱い。

 熱に強いドワーフでも、手が焼け付く熱さ。


「なんじゃああああ、今のは!?」


 父ちゃんの蹴りで吹っ飛ばされる。

 イフリート化した父ちゃんの体でかい、蹴りも滅茶苦茶痛い。

 でも、俺間違ってない。


 すると俺にも炎の精霊力が湧いてくる。

 親分と出会う前、炎精霊の洞くつで力蓄えていた。

 俺の体が大きく、お父ちゃんほどじゃないけど炎の体になる。


「ほう? ワシの時よりも20歳早く、炎精霊(イフリート)の力を手に入れたようだ。ホレ、まだまだ喧嘩はこれからじゃ」


 お父ちゃん、手招きしてかかってこいする。

 ドワーフ王ガルフ、剣と精霊魔法の達人、素手の喧嘩も上手い。


 ……けど、もっと巧い奴知ってる。

 客分のアレクシア、それにニコの若頭。

 ニコの若頭の真似して、俺はステップ踏んで両拳を構えて、あごを引きお父ちゃんを睨みつけた。


 お父ちゃん、俺の顔面目掛けて右のパンチ打ってくる。

 打ち下ろしてきたパンチを、屈みながら飛び込んで、左ジャブ、右ストレートと顔にパンチあてた。

 

 何度も何度もそれ繰り返す。

 若頭と遊んでるうちに覚えた技。

 

 すると、お父ちゃん体の大きさ利用して俺に抱き着いて投げようとしてきた。

 こういう場合、ニコの若頭なら……。

 

 飛びついてきたお父ちゃん目がけて、右腕を体に引き寄せてお父ちゃんのアゴに当たるように、腕を突き上げるパンチ打つ。


 ニコの若頭の技、アッパーカットでお父ちゃんが膝をつく。

 俺の力強い。

 並のドワーフでも扱えない大槌(ハンマー)使ってずっと喧嘩してた。

 パンチもハンマーのように重い。

 俺はお父ちゃんを見下ろして、自分の思い伝える。


「俺に命令できるのは親分や、ニコの若頭! あんたじゃない! ドワーフもっと強くなる! 極悪組の武闘派になる! 世界を守る!」


 お父ちゃん、俺の目を真っすぐ見る。

 すると、フッと言って笑った。

 周りのドワーフ達も、それ見てお互いに楽しそうに笑って喧嘩する。

 

 そしたら、俺の後ろから思いっきり拳骨とんできた。

 俺、痛くて頭を両手で抱える。

 拳骨してきたの、パジャマ着たお母ちゃんで、着地すると今度はおとおちゃんの顔をひっぱたいた。


 お父ちゃんイフリート化してるのに、吹っ飛ばされる。


「ドタバタ外で騒いで、今、何時だと思ってんだい! 馬鹿男達、明日から酒と飯抜きにするよ!」


 お母ちゃん、王妃ナムール怒ると怖い。

 父ちゃんよりも、おっかなくて強くて怖い、武闘派中の武闘派。

 周りで喧嘩してた男たち、お母ちゃんに全員殴られてる……。

 俺、お母ちゃんのような武闘派を目指そう……。


 翌朝、俺達兄弟は悪魔達も連れて工房に向かう。

 悪魔達、金属加工に詳しいから、役に立つ。


 俺達が旅に行ってる間、銀白色に輝く新しい金属を、鉱山で見つけてた。

 熱を加えるといろんな色で輝いて、合金しやすい軽くて強くて凄い金属。

 親分の命令で、いろんな合金に実験して加工してた。


 他にも、奇麗で固いけど、どう使えばいいのか、わからなかった石。

 親分とても物知りなの、俺思い出す。

 共和国いる時に、親分工房に水晶玉でよく連絡とってた。


「へっへっへ、俺の世界にもあったがこっちにもやっぱあったか。その金属はよお、チタンって言って、いろんな合金に使えるのよ。おめえらが見つけたその石は、コランダムって言って、粉上にして高温を加えると、酸化アルミニウムっていう、やべー奴になる。こいつをアダマンタイトやミスリルとかに合金すりゃあ、すげーものができるなあ」


 親分、言いながらゴルフとか言う棒で石をひっぱたく遊びの、素振りする。

 そして呟いてた言葉、俺思い出す。


「こいつらドワーフに、俺専用の、チタンヘッドのゴルフクラブ作らせるか。そんでこの世界の奴にゴルフ教えよう。安物のクラブ作らせて大量に売っぱらった後、高級ゴルフクラブ作って売りさばき、俺とニコが賭けゴルフの胴元やれば、ボロ儲けできるシノギになるぜ」


 親分楽しそうに笑ってた。

 とても楽しそうな遊び、今度やろう。


 魔界の悪魔達、やっぱり役に立つ。

 加工の知識はたいしたことないけど、金属の知識すごい。

 そして親分の昔いた世界の、すごい刀と槍が出来上がった。

 粘性が高い金属と硬質の金属を重ね合わせて、何度も折りたたんで作る。

 かっこいい武器、俺達ドワーフみんな気に入った。


 カタナ、オオダチ、ザンバトウ、ジュウモンジヤリ、サスマタ、ナギナタ。


 他にも親分が、絵で書いてくれた大型武器も作れた。

 普通の人間では扱えないから、力ある人間とドワーフ専用の大型武器。


 ハルバード、トライデント、クレイモア、ツヴァイヘンダー、フランベルジェ。

 これにはドワーフ直伝の、精霊のルーン文字刻んでる。

 すたれてたけど、昔の洞窟に先祖が刻んでたの、悪魔達が見つけた。

 人間に高く売れそうな、すごい強い魔法の武器いっぱい作れてうれしい。


 何日かした後、ブロンドもドワーフ国に来た。

 ブロンド、トワの大森林で作った色々な薬とアイテム持ってきた。

 そして最高顧問のオジキが、父ちゃんと話し合うが、俺達ドワーフ、何となくオジキの言ってる事がわかる。


 若頭も、ブロンドもただの動物だと思ってるけど、色々知ってて本当は強い、冥界の偉い人。


 親分より立場が上で、ヤミー様より下の人。

 親分達の上に閻魔大王の大親分がいる。

 

 お父ちゃんは、オジキからの伝達事項を、ロン叔父貴やコルレドの叔父貴、レオーネ補佐や客分の人達やアスモデウスを呼び寄せ、会議を開く。


 親分からの伝達事項。

 今親分は冥界の最終試練を受ける。

 そして若頭、いつか魂が帰ってくる。

 メリア、喜んで涙を流してる。

 俺もブロンドも涙流した。


「ほう、これは素晴らしい話を聞いたな。人は喜んで自己の望むものを信じるものだ」


 俺達の会議に、金髪の人間の大男が現れた。

 いや、人間と少し違う。

 纏っている気配やオーラ、少し人間と違う。


「私は、ガイウス。マサヨシ君が帰ってきたら、君達と戦争をしようじゃないか? 全ての世界を滅ぼす私の大魔王軍と君達、全ての世界を賭けた戦争を」


「なんじゃあああああ、貴様はあああああ!」 


 父ちゃんがガイウスに殴りかかった瞬間、父ちゃん床に転がった。

 ……お父ちゃん、首が無くなってて……死んでた。

 何をされたかわからなかった……。

 みんな呆然とする。

 ガイウスは父ちゃんの首持って、こっち見る。

 

「予測されるけれども目に見えない危険は、人の心を最もかき乱す。よく覚えておくがよいぞ? そして、この蛮族の首を持って、君たちとの開戦の合図としようか。マサヨシ君によろしく」

次回から、少し鬱展開が続きます

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