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仁義なき異世界転生 ~勇者マサヨシの任侠伝~  作者: 風来坊 章
第二章 王国死闘編
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第50話 後始末

 俺が精霊王フューリーに呑ませた条件。

 それは、以下の通り。


 精霊界の亜人達への不都合な干渉一切禁止。

 亜人世界と人間世界の全面的な交流の復活。

 人間と精霊の契約を認める事。

 二度と人間と亜人に迷惑かけない事。

 

 これでもう、ここは俺の縄張り(シマ)だ。

 そしてホビット達の呪いも解け、エルフ達もドワーフ達も精霊の誓い無しに、自由に人間と結ばれ、婚姻も結べて子供も育めるようにする。


 当たり前よなあ?

 そうしねえと、俺がエルフの女共をコマせねえし、ニコとメリアちゃんの将来が困るだろ。


 それによ、亜人達と人間の交流が出来なきゃ、俺が支配した王国の商人ギルド使って、ホビットの道具作りと行商、ドワーフの金属加工と酒、エルフの薬学や自然素材利用して、俺がこの世界のシノギで大儲けできねえし。


 あと、フューリーの奴は憤怒の力が、創造神さんと親分によって消えて、本来の水の精霊の力が復活したって言うから、俺達人類と契約してもらう。


 もっとも、やつの本体は泉からは動けねえようだから、俺の体通じて、力を発揮してもらう事とした。


「おい、おめえは今後、俺達人間に力貸せ。あと、精霊化の秘技を俺に授けやがれ。そんで今後は、俺と一緒に人助けの罪滅ぼしの旅だ。わかったか?」


 俺がいうと、フューリーは泉でうなだれる。


「アタシ、人間の事、また好きになれるかな? アタシにそんな資格、あるのかしら……」


「知らねえよ、てめーで考えろコノヤロー。何十年、何百年、何千年かかるか知らねえけど、失った信頼を取り戻すには、てめーが誠意見せなきゃダメだろうが。人助けってのはそういうもんだ」


 こうして、この世界の人類は水の精霊の力を得た。


 ホビットは土の精霊のタイタン。

 ドワーフは炎の精霊のイフリート。

 エルフは風の精霊のシルフ。 

 人類が水の精霊のフューリー。


 念願の精霊魔法が俺の手に入り、精霊魔法に、神霊魔法や魔界魔法を組み合わせて、更に魔法の威力をアップさせる。

 

 これで、魔王軍の奴らとの抗争がだいぶ楽になるはずだ。


 フューリーも、人間から好かれたったとか言ってやがったから、俺がそのきっかけを作ってやった。


 ちなみにヤミーから聞いたが、精霊界は創造神さんの命令により、この世界への全面バックアップを決めたそうで、精霊界の力が増しているそうだ。


 そのおかげかはわからんが、このトワの大森林から凶悪なモンスターの気配がほぼ無くなり、大森林や平原には、色とりどりの花々が咲き乱れ、木々には果物が生り、水が赤茶けて生臭くなる現象が一切なくなった。


 そうだよ、世界ってのは本来こういうもんだ。

 美しいんだよ、世界ってのは。

 

 王国の俺の息がかかった村や町で、花屋でも開いて、集金するシノギも始めようか。


 あと水精霊の力使って、温泉掘り出してスーパー銭湯な。


 ついでに、エルフのキレイどころ集めてスナックやキャバレーや、ナイトクラブでも開こう。


 酒は、ドワーフのスピリタスみてえなやつを、うんと薄めて、味付ければいいや。


 この勇者マサヨシ様がバックについてんだ、なめたことする奴はいねえだろ。


 いっそ、この世界に宿場町と、駅伝制度でも作って、銀行利用して集金するシステムにしようかな。


 そんでそれを元手に、アメリカのベガスみてえに、でっかいカジノホテルでも大きな町に作って、この世界の奴らに博打やらせりゃあ、俺好みの天国が、この世界に出来るじゃねえか。


 やべえ、最高だぜ異世界。

 この世界がクソなら、俺が状況そのものを改革しちまえばいいんだ。


 たまんねえなあ。

 この世界、早いうちに平和にしねえと。


 そしてエルフ連中との話し合い。

 レオーネを、エルフの伝説の女王って思い込んでるから、事前にレオーネから情報を聞き出す。


 どうやらあいつらは、フューリーの影響で、深刻な男不足で少子化に悩んでて、エルフの長老のカランシアの婆さんは、俺達が来なくてもいずれ、フューリーに謀反を企てたようだ。


 そんで、エルフの女は、年に一度しか繁殖のタイミングがなく、子供も成人するまで150年から200年はかかるようだ。


 そりゃあ少子化になるよ。

 ヘッヘッヘ、じゃあしょうがねえ。

 俺が男を見せて少子化対策に貢献してやろう。

 その前に。


「おい、アレクシアさんよ。レオーネには、このエルフ王国を仕切ってもらう事にする。文句ねえか?」


 とりあえず、デヴレヴィ・アリイエ王国の許可を取り付けよう。


 レオーネは一応、王国伯爵家だしな。


「マサヨシ様、私の事は呼び捨てで結構でございます。あなた様はいずれ、人類の英雄となり、私の伴侶となるお方」


 いや、だからよお。

 俺は、おめーとなんか結ばれたくねえ。

 いくら見た目が超激マブでも、サイコパスだからやだよ。


「そうですね、彼女には、伯爵家コルネリーアの爵位を消し、今後マサヨシ様の従者、レオーネ・ド・エルフ・アイナノア大公として、エルフ王国を領土とする、権利を与えましょう。それと、エルフ王が邪魔ですが、その辺はいかがしましょう?」


 レオーネのやつ伯爵家から、大公に出世しちまったが、こいつエルフ王消して、レオーネ通じて、エルフ王国を影で支配する気満々じゃねえかよ。


 俺のシマなのに。


 でも、ヘタに怒らすとあの姫やべえしな。

 頭も俺よりキレるし、直接戦闘を見た感じじゃ、入れ墨状態でも、勝てるかあやしいし。


 じゃあここは一つ、楔を打ち込もう。


「ああ、エルフ王とか名乗るガキは、俺がキッチリ教育する。ついでにレオーネ配下の騎士団創設も頼むぜ。なんか伝説の騎士団とやら、エルフは復活させてえようだし」


 俺が、王位継承のガキの身柄を預かる。

 これで、なんかあった場合の保険になる。

 そして、レオーネに騎士団を創設させよう。

 全部俺の女にする予定の。


 俺の意向がエルフ王国に反映されるよう、今のうちに手を打って行こうか。


「かしこまりました。それでは私は、先に小型の気球で、王国に急ぎ戻りましょう。あと少しで、国王に化けてる悪魔と、魔王軍への仕込みが終わりますので。それではごきげんよう」


 アレクシアは、ピストルを閃光弾のようにして、空中に撃つと、呼び寄せた気球で王国に帰っていった。


 さて、あとはエルフの王のガキに、俺の女に手を出そうとした件をカタをつけねえとだな。


 俺はエルフ王、グルゴンとか言うガキを呼び出して、話をする。


「で、今後あの王国は俺の女の、レオーネが仕切る事にすっから。オメー王位降りろや」


「なんだと人間風情め! 女王陛下は僕……いや、このグルゴンと結婚すると婆様が決めた!」


 うわ、このガキ一丁前にレオーネを、一方的に婚約宣言しながら、俺にレイピア向けて来やがった。


 それに見ると背丈以外は、ガキじゃねえか。

 レオーネとそっくりだが。

 人間にして14、15くらいか?

 ヒゲも生えてねえし、声変わり全然してねえ。


 それに、お婆ちゃん子みてえで、婆様、婆様いいやがって、自分の考えを持ってねえ子供だし、人間見下してやがるし、どういう教育されたんだこのガキ。

 

 しょうがねえ。

 俺が作る一家じゃ、種族差別は許さねえ。


 その時、レオーネとカランシアの婆さんが、お互いの話し合いが終わったのか、戻ってきた。


「レオーネ、王女さんから伝言だ。おめえは、今後レオーネ・ド・エルフ・アイナノア大公を名乗って、このエルフ王国仕切れ」


 するとレオーネが動揺しだす。


「大公なんてそんな爵位、私には。それに、コルネリーア家も父上の代で断絶に」


 しょうがねえ女だ。

 察しが悪いなあコイツ。


「あん? おめえはこの世界が平和になったら、俺のガキ何人か産んでもらうから、末っ子か誰かに、親父さんの家を継がせばいいだろ。そんで、俺とおめえの長男か長女にここを継がせばいいじゃねえか。なんか問題か?」


 俺がいうと、レオーネの顔が真っ赤になった。

 まあそういうわけで、こいつは俺の女だ。

 誰にも渡さねえ。


「おい婆さんよ、そういうわけで、この王国は俺の女のレオーネが仕切るから、いいか? まあ世界救済まで借りるがよ」


「いや、女王陛下が帰還なさるなら異論はない。しかし、男が。未成年や孫のグルゴンと、何人かの男だけではエルフの未来は……」


 このババアも察しが悪いなあ。

 いるじゃねえかよここに、いい男が。


「ああ、それな。フューリーのガキに約束させて、結婚に精霊の祝福とか、人間とエルフの分断とか今から無くなったから。それで、この世界を魔界からの侵略退けたら、俺がおめえらの少子化対策なんとかしてやんよ。一夫多妻でいいぞ」


「な、それでは純粋なエルフ種が!」


 なんだよこいつら。

 揃いも揃って、差別主義者ばっかだな。

 人間なめやがって。


「しょうがねえだろ、男がいねえんだから。それに、エルフはべっぴんばかりだから、人間の男を選ぶ権利、ありまくりだろうが」


 俺がいうと、カレンシアの婆さんは、唸りながら考え込む。


「混血は可愛い子生まれるって言うし、混血同士で婚姻させれば、また耳が尖り出すって。ま、俺ほどのいい男は、この世界にはいねえから、みんな俺の女になるんだがな。おたくさんの孫、まだガキだし」


「なんだと人間め!」


 グルゴンとか言うガキが、なんか言ってやがるが、ここは、俺の女に決めてもらうか。


「おい、レオーネよお。なんかこのグルゴンとか言うガキ、おめえさんと結婚してえって言ってるが、どうよ?」


「嫌です、ふざけるな死ね。私はマサヨシ殿と添い遂げます」


 即答すぎるだろ。

 ガキとはいえ、もうちっとコイツの男立ててやれよ、アホの子だなあ。


「そう言うわけだからよ、おめえ諦めろ。コイツは俺の女だ」


 俺がいうと、涙目になりやがる。

 やっぱコイツはガキだ。

 女に振られたくれえで、泣き入れやがって。


 しょうがねえ、ここは俺の子分にして、筋が通った、一丁前の男にしてやろう。


 これから俺の子分になるんだから、最初が肝心だし、徹底的に教育が必要だが、レオーネにそっくりだから、ボコボコに殴るの気が引けるな。


 暴力で女に言う事聞かすしか、能がねえようなクズの三下のヒモ野郎や、チンピラのポン引き野郎と俺は違うし、惚れた女ならなおさらよ。


 その時、赤ヘル被ったエルフの年頃の、可愛い女の子が、森で編んだ麻袋持って歩いてたから、俺が呼び止める。


「君、かわいいね。ちょっと、その袋くれるかな? あとで洗って返すから」


 俺が声掛けると、エルフの女の子が頬を染めながら、俺に袋渡して手を握ってきた。


 よおし、準備は整った。


「おいコラ、グルゴン。文句あんならかかってこい、男の子だろ? てめえ負けたら、俺の子分だからな」


 すると、グルゴンが怒りの目つきで睨みつけ、風の魔力を纏い、レイピアを構える。


 確かレオーネと最初に会った時も、こんな感じだったが、懐かしいなあ、一か月くらい前の事だけど。


「おら、ドーグ持ったままでいいから、かかってこいよ。素手ゴロでぶちのめしてやる。まあ、おめえは泣入れて、どうせお婆ちゃんに助けてもらうんだろ? ガキコラ?」


 俺が挑発すると、一直線に飛び込んできた。

 単純でガキらしいな。

 それに早いが、レオーネほどじゃねえ。

 弓はともかく、剣はまだまだのようだ。


 俺は思いながら、剣先が当たる前に半身になって、グルゴンの足を引っ掛ける。


 すると、勢い良く地面をゴロゴロと転がってったが、レオーネの時と一緒だな。


 そして俺は、身体強化と風魔法で転がった先で追いつき、グルゴンの背中にまたがり、麻袋を頭に被せた。


 よおし、これでいい。

 レオーネの時みてえに、あの程度のスピードじゃあ、頭から転んでねえし首も折れてねえだろ。


 さて、じゃあ教育の時間だな。


 俺ほどの根性ものなら、普段こんなもの使わねえで、敵対組織の野郎にヤキ入れられるが、やっぱり性根の問題で、人間ぶん殴るのに抵抗ある舎弟とか、子分もいるわけよ。


 けど、兄貴や親分から命令されたら、やるしかねえだろ、弟分や子分は。


 そういう時には、俺は優しい舎弟や子分に気を遣ってやる意味と、教育の一環でどうしてもそいつに任せたい場合、ヤキ入れる野郎に袋被せて、コイツ人間と思わねえでいいから、徹底的にやっちまえって、良心の呵責だとか取っ払うのね。


 こんな風に。

 俺は麻袋を被ったグルゴンにまたがりながら、両拳で顔目掛けて、ボコボコにする。


「オラァ! てめえ人間風情が何だって? 人種差別なんかしやがって、どういう教育受けたんだゴラァ! 俺の女にも手を出しやがって、ぶち殺すぞこの野郎!」


 あんまりレオーネとか婆さんに、見せたくねえがしょうがねえ。


 この野郎全然教育がなってねえからな。


「や、やめてくれ勇者よ。孫が!」


 カレンシアが、止めに入ろうとする。


「ダメだ婆さん。コイツには王を名乗れるほど、人間が形成されてねえ。コイツどんな育ち方したのよ?」


 俺はグルゴンをボコボコにしながら、婆さんに質問する。


「この子は、先王も王妃も、ドワーフとの戦争で死んだ。私が育てるしかなかった」


 なるほど。

 目に入れても痛くない可愛い孫だろう。

 だが、甘やかしすぎだ。

 人様に対する口の利き方や、王としての威厳もなってねえし、人生で重要な結婚なんかも、婆さんの言いなりになっちまってる。


 それじゃあ男にならねえ。


「なあ、婆さんよお。俺があんたの孫を、立派な男にしてやるから、俺に任せる気はねえか? 今よりも、見れた感じのいい男に育ててやるから」


 俺が麻袋とると、グルゴンは顔をボコボコに腫らして、涙と鼻血だらけになってた。


「なあ、あんたの息子、俺の舎弟のガルフと戦って死んだ先王は、こんな無様だったかよ?」


 俺がいうと、カランシアは涙を流しながら、首を振る。


 あのガルフとやるくれえだから、根性者でそこそこ強い王だったんだろう。


「おい、てめえグルゴンよお。これくれえのヤキで、泣き入れやがってコラ。俺の子分のニコだったら黙って耐えてるぞ。おめえは、今日たった今から、俺の息子にしてやる。いいな? 婆さん」


 俺がいうと、カランシアの婆さんは頷いた。


「あと、明日はホビットの村行くから、婆さんは、あそこの王様のビビットさんに、詫び入れろ。フューリーがやらせてたのはわかるが、おめえらホビットをぶっ殺してたろ?」


「確かに、すまない事をしたと思ってる」


 カランシアは、うなだれながら言った。

 罪悪感はあったようだ。


「ガルフにも、略奪の件をホビット王に詫び入れさせる。で、エルフとドワーフ、ホビット含め、この世界の亜人同士の喧嘩は終わりだ。ホビット国で手打ち盃と、親子兄弟盃やるから、絶対こい。わかったか?」


「わかった。それで許されるならば」


 カランシアの回答を得たあと、俺はレオーネの方を向く。


「おいレオーネ。姫さんから許可取ったから、おめえエルフの伝説の騎士団とやら作れ」


「わかりました。マサヨシ殿」


 そして、俺はボコボコにしたグルゴンを向く。

 よっぽどショックだったのか、まだ泣いてる。

 しょうがねえ野郎だ。

 

 俺は両手で精霊魔法をかけて、回復してやった後、婆さん立ち合いの下、ハサミで、グルゴンの伸ばしたブロンドの長髪を短く切る。


 とりあえずこういうガキは、型からはめた方がいいし、王なんて余計なプライドもあるから、一旦捨てさせたほうがいい。


「今日からてめえの親は俺だ。いつまでも泣き入れやがって、泉で顔洗ってこい」


 グルゴンは、よほど屈辱的だったのか、俺の顔をキッとクソ生意気に、睨みつけた。


 根性はあるようだが、親分の俺に対する態度じゃねえので、今度は思いっきりケツに蹴りを入れると、またポロポロ涙を流した。


「泣いてんじゃねえ男のくせに! まずはニコってやつに、自分は今日から何をすればいいですかって、聞いてこい。俺の子分には、ドワーフもいるが、差別的な事言ったら、またぶん殴るぞ!」


 やれやれ、こいつは甘ったれに育ったようだから、教育に時間がかかりそうだ。


 それと、このグルゴンって名前だと、また王様時代を思い出させてもなんだから、カッコいい渡世名でも名乗らせるかな。


 とにかく、コイツは一度プライドを失くさせ、一から仕込まねえと、性根を叩き直せねえ。


 こうして俺は、元エルフ王のグルゴンを子分にした。

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