表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁義なき異世界転生 ~勇者マサヨシの任侠伝~  作者: 風来坊 章
第二章 王国死闘編
32/163

第31話 挨拶

 他の奴らには、公爵野郎がいるイムールという、城塞都市に向かってもらった。

 俺は街道沿いを高速で飛び、王国第二の規模の、商人都市コルネロに向かう。

 燃料補給用に、魔力回復の聖水も持ってな。


 そう、俺をコケにしたお貴族様の取引相手で、ケジメ先のコルレオーニ商会にご挨拶よ。


 この町は、王家に多額の税金や、教会への高額な寄付金を払うことで、商人達の自治が認められてる、王国の天下の台所にして、金が一番集まる町。


 そして王国の商人ギルドの拠点の一つ。


 ゆくゆくは、じっくり俺のものにしようと思ってたが、しょうがねえ。 

 何人か見せしめにぶっ殺して、使える奴らは舎弟にでもしてやろうか?

 いや、舎弟とか上等なものなんかにしねえ。

 三下未満の、ヤンキーみたいな丁稚にしよう。


 まあ言うなれば、下僕だ下僕。

 この俺を久々にブチ切れさせやがって、クズ野郎共がよお。


 もうね、ここまで舐めた真似されたら、俺も多少血を見ねえと収まらねえわ。

 このマサヨシ様をここまでキレさせたのは、悪魔野郎以外ではこいつらが初だ。


 するとこの世界には珍しい、石で組んだビルみてえなのが建っている。

 生意気にも、昭和の経済ヤクザの、鉄筋ビルみてえなのをお建てやがって。

 コルレオーニ商会とか、看板掲げてやがるからもろバレだ馬鹿野郎。

 それにロウソクっぽい明かりを灯してやがって、中に野郎らいやがるなあ?


 それじゃあ、ご挨拶と行こうか。

 

 俺は宙に浮きながら、ビルに向けて右手に炎と左手に風をイメージする。

 そして俺はこれから起きるであろう惨事に、心が躍る。

 やっぱ俺って、性根がどうしょうもねえヤクザ者のままだわ。


熱風(ブレスト)

熱風(ブレスト)

熱風(ブレスト)


 俺は魔力消費がお得で、燃焼効果が高く、範囲広い火炎魔法をぶち込みまくる。

 どうせ、こんな世界に防火戸だとか、スプリンクラーだとかねえだろう。


「燃えちまえクソ野郎共が!」


「ぎゃああああああああああああ!」


 ビルは火災を起こして、中からコルレオーニ商会の奴らの悲鳴がする。


「ヒャーハッハッハッハア、いいねえ! よく燃えるわコレ! 俺と昔敵対してた、九州ヤクザや広島ヤクザとかも、喧嘩相手をダイナマイトや手榴弾で吹っ飛ばす時、さぞや胸がすくような気持だったんだろうぜえ」


 魔力消費がお得だが、燃やし尽くして市街地では使えねえ魔法と制限してたが、その枷が無くなれば使いやすい魔法だぜ、まったくよ。


 すると、ふと盗賊共をぶっ殺そうとした時の、ヤミーの悲しそうな顔が浮かんだ。

 まったく、しょうがねえなあ。 

 俺は魔力回復の聖水を飲み干して、右手に水を、左手に風をイメージして泡立てる。


 そう、消火器の消火剤をイメージした魔法。


水泡(バブル)


 ビルに向けて魔法を放つと、泡がビルを包み、しばらくして鎮火した。


 コルレオーネ商会の周りには、俺の放火を目撃した、商人ギルドの連中が沢山野次馬で集まっており、ギルドの責任者らしき、いい服着た連中もいやがった。


 俺は、コルレオーニ商会の前に降り立つ。


「い、異端審問官様! どうしてこんな非道を」

「商会の建物に火をつけるなんて!」

「あまりにも横暴すぎる」


 事情を知らねえ野次馬連中が、俺を非難して、コルレオーニ商会の連中を救助し始める。


「おう、コルレオーニとかいう野郎と、商人ギルドの責任者がいたら、今すぐ俺の前来い。この勇者マサヨシ様が、テメーらにぶち切れてんだから、3分以内に来ねえと、この町滅ぼすぞ馬鹿野郎」


 俺の名声は、この街にも知れ渡っているようで、俺の怒りの形相を見た商人連中が、血相を変える。

 商人ギルドの責任者連中がこぞって駆けつけ、大火傷負ったコルレオーニも、ビルから運び出された。


「ゆ、勇者様。この度の件は、いかがしたのでしょう?」


 スキンヘッドで強面の、商人ギルドの責任者の一人が、焦った顔して俺に事情を尋ねる。


「ああ、それな。そこに転がってる商人ギルドの、コルレオーニとか言う野郎が、俺が救った村を貴族と組んで滅ぼし、俺の子分を半殺しにして、神をさらった」


 俺の一言に、ギルドの責任者連中や、野次馬連中の顔が、一気に蒼白になった。


 この世界の商人連中は、信心深い連中が多い。

 商売には、神への信仰心と加護が絡むと信じてるから、教会に莫大な寄付して、見返りになんらかの称号を得た大商人もいる。


 この世界は、 とっくに神に見捨てられてるのに、哀れな話さ。


「えぇ……か、神様を……それは何かの間違いでは……」


「ふざけんなこの野郎! 誰が間違えんだ馬鹿野郎! モンワール公爵とか言う、アホ貴族とテメーらのやらかしの落とし前、どうつけんだこの野郎!」


 俺はギルド責任者の胸倉を掴んで、揺さぶりながら、思いっきり恫喝する。

 大火傷負ったコルレオーニが、俺を見て恐怖しており、ガタガタと震えている。

 その様子を見た、商人連中がコルレオーニからサッと距離をとった。

 こいつがやらかしたのは、間違いないと他の商人連中も感じたようだ。


「おい、とりあえずギルドの責任者連中とコルレオーニ、俺の目の前来て、全員着てる服脱いで座れ。グズグズしてると皆殺しにするぞ? あと穴掘るスコップ持ってこい」


 俺は商人ギルドの責任者連中5人を、素っ裸にして正座させる。


 コルレオーニは、体力を多少回復してやり、スコップで穴掘って顔だけ出して仰向けに寝かした。


 そして顔だけ出したコルレオーニの口に、土魔法で作ったピンを咥えさせ、その上に石ころを乗っける。


「落とすなよー、クソ野郎」


 俺はスコップの柄を両手に持って、ゴルフのスイングの素振りをした。

 昔、組の幹部会や親分衆に付き合って、ゴルフコンペよくやったもんだ。

 まあカタギさんと違って、俺たち博徒のゴルフは、札束とシノギの話が飛び交う、大人の賭けゴルフだけどね。


 色々と賭けれる遊びがあるし、芸能人連中やスポーツ選手とか、声掛けて遊べるから重宝する、紳士的で健康なスポーツさ。


 腕前?

 ヤスの野郎はシングルプレイヤーだったが、俺は、ハンデ15から18を行ったり来たりよ。

 まあ上手い方なんじゃね?

 じゃあ、腕前をこいつらで試すとしようか。


「ゆ、勇者様! お許しを!」

「金、お金ならありませんで!」

「勘弁してください!」


「うるせえ馬鹿野郎、ぶっ殺さねえだけありがたいと思え! 話はケジメが終わったら、ゆっくり聞いてやる」


 まあ、うちの神様のヤミーに傷一つでもついてたら、お前ら皆殺しだがな。

 コルレオーニが咥えたピンの、ボールに見立てた石に向けて、アドレスを取る。


「落とすなよー、落としたら、てめーの顔面にスコップ飛ぶからよお」


 コツは、背中に一本の芯が入ってる感じで、頭を動かさずに、ケツを傾け、体がブレねえようにして、スイングよ。


「チャー、シュー、メンっと!」


 俺が奇麗なフォームでティショットし、石をスコップでかっ飛ばす。

 すると、3メートル先で正座させた、スキンヘッドの顔面に直撃して一発で昏倒させた。


「ハッハー、ナイスショー! おいテメーら拍手がねえぞ! 拍手がよお!」


 周りの野次馬連中は、俺に完全に怯え切って拍手する。


 そして、コルレオーニの咥えたピンに、もう一度石を乗っけるが、コルレオーニの野郎ビビって震え上がり、石を口から落とした。


 しょうがねえ野郎だぜ。

 俺はそのまま、アドレスとってスコップをスイングする。


「チャー、シュー、メン!」 


 俺はこぼれた石ごと、コルレオーニの顔面にスコップをぶち込んだ。


「あ、ダフっちまったわあ」


 笑いながら俺が言うと、周りの野次馬から悲鳴が上がる。

 若い頃はゴルフ下手くそで、ダフ屋のマサって渾名を、兄貴分からつけられたのを思い出すな。

 実際、チケットを会場で高値で売りさばく、ダフ屋のシノギもしてたし。


「ぎゃあああああああああ」


 コルレオーニが悲鳴を上げやがるから、俺はスコップで、野郎の頭へ連続でどつき回す。


「テメー、地べた役が喋んな馬鹿野郎! 回復魔法かけてもう一回だ!」


 こうして、この王国の商人ギルド連中は、俺の支配下に入った。



 ケジメを一通り終わらしたら、俺はギルドの顔役連中や、コルレオーニに、銀行制度を作らせる。


 この国は、王家や領主のお貴族様に、富が集中する世界になっており、金を貯めてもこういう商業都市でしか、貯めておくところがねえ。


 しかも、このくそったれの仁義なき世界は、災害やモンスターの襲来に、戦争や魔王軍の攻撃で、一般の奴らはその日暮らしで、商人の上がりも貴族とつるんでねえと多くない。


 だったら、富を一括にまとめて、行商通じて貯金や引き落とし、金貸しを、こいつらにさせた方がいいと考えた。


 俺が稼いだ銭だって、馬車で運べる量ならいいが、これからガッツリ増えていく予定だし、貯めた金の場所に、泥棒入ったら大変だからよ。


 え?

 王国の許可?

 そんなもんねえよ。

 面倒くせえから地下銀行だよ。


 俺がいた日本でも、ヤクザは暴対法で銀行の口座とか作れなかったし、海外に資産逃そうにも、俺や俺の組はアメリカさんから、金融制裁されてたから往生したぜ。


 だが国に黙って銭を貯めるやり方は、俺たちヤクザの得意技だし、いくらでも方法はあるんだ。

 

 それに、銀行制度なんて表立ってやったら、王国と真正面で喧嘩する事になるし、あの化け物王女が、嬉々として税金と称して、かっさらいに来るだろう。


「それで? そのお貴族様の弱みとかなんかねえのかよ?」


 コルレオーニを正座させて、情報を引き出す。


「へい、あの公爵と騎士団はアホだが強いです。公爵は離れの屋敷に、確か双子の孫が住んでやして」


「ほう、他には?」


「ええ、奴隷商人にさらわせた村娘に、あんな事やこんな事して、夜な夜な楽しんで、娘に飽きたら証拠隠滅で殺して、庭に埋めてる変態野郎です」


 俺は瞬間的にぶち切れて、コルレオーニの顔面をぶん殴った。

 転生前もそうだが、こういう野郎は絶対に生かしておけねえ。

 ましてや、身内がそんな野郎のところにさらわれたら、ただぶっ殺すだけじゃ足りねえ。


「テメー、うちの神様になんかあったら、さっきのケジメよりも、酷い様になって、死んで貰うからな」


「す、すんません。あと屋敷の配置や内部の状況とかわかります。それとうちの連中も、金で手なずけた騎士連中に、屋敷を見張らせますんで。あの公爵は生娘に目がなくて、多分色々と準備してますし、明日以降の夜が危ないかと」


「下手打ったら、テメー殺すぞ」


 俺はコルレオーニに念を押すように恫喝(クンロク)した。

 そして俺は商人ギルドの馬車に乗り、丸1日かけて交通の要所にして、城塞都市イムールに到着した。

 幸いにも、俺が不安に思ってた一日目の夜は、ヤミーが何かをされたという情報は入ってこなかった。

 俺の仲間はすでに町に到着しており、今回の絵図を説明する。


 公爵屋敷の襲撃計画よ。

 決行は準備が終了次第で、理想は今日の夜。


 屋敷内の情報収集は、商人連中にやらせて、ヤミーの身に危険が迫ってると俺が判断した段階で、異端審問官達で屋敷を取り囲む。


 もちろん教会本部に、今回の件を報告して、周辺の異端審問官連中をここに呼び寄せてな。


 しかしこれは陽動で、審問官達が騎士団を屋敷の外に誘き寄せた段階で、俺とニコが屋敷に侵入し、ニコは公爵野郎の武器とか、賄賂の証拠品を押収する。


 そして大義名分が立った段階で、俺がヤミーを救出して公爵野郎の(タマ)をとる。

 しかし、そう簡単にうまく行く保証は全然ねえから、切り札を用意する。

 これはレオーネにやってもらうとするか。


 俺は午前中、異端審問官やコルレオーニに今回の絵図をきっちりと説明した後、ヤミーの誘拐や、村の非道に関わった、赤十字騎士団の野郎らを兄貴の鼻で探し出す。


 やつら3交代制らしく、今日は休みで、プラプラ街をほっつき歩いてやがった。

 あとは街の路地裏とか、商人関連の空き家とかに、一人ずつさらう。

 そして冥界魔法の沈黙かけて、ボコボコにしてから手足潰して、半殺しにした。

 鎧着てなくて、集団行動取れねえ騎士なんざ、この俺様の敵じゃねえからな。


「マサヨシよ、殺人はダメだぞ」


「わかってるよ兄貴。こいつらに、今後五体満足で騎士なんかを出来なくするのと、ちょっとしたストレス解消と、相手の戦力ダウンだって」


 戦力を少しでも減らして、あとは今夜。

 一張羅も完成したし、公爵野郎をぶっ殺す。

 ポイント減ろうが、知った事か。


 そして俺は、転生前に着ていた格好柄で濃紺の着物に、袖を通す。

 帯は山吹色に染め上げて、塗料の影響で魔力に反応するラメが入って、キラキラ輝く。 

 そこにブレードソードと、木刀の二本差しする。


 胸には、グレートドラゴンを討伐した時に剥いだ鱗で作った、身体能力向上効果の極太の金ネックレスを着け、腕にはドラゴンの瞳で作られた、魔力と魔法防御強化の黄金のブレスレット。


 そして、鋼の具足にクロコダイルの黒皮張って、ピカピカに磨き上げたブーツを履く。

 仕上げは、異端審問官の服を改造した、ひし形に悪一文字の代紋入れてる、真っ黒の羽織を羽織る。

 対悪魔戦闘があっても、腕力と魔力と魔法防御力バッチリだ。

 

 あ?

 物理防御?

 当たらなきゃ、どうとでもなるだろ?

 当たっても、気合と根性でどうにかするさ。


 そして余った絹の反物は、首にかけるストールにしようか。

 よおし、これで勇者マサヨシ様の男っぷりも上がるってものよ。

 それに黒と紺の組み合わせは、朝も夜も映えるしな。


「親分、すげー。そのカッコは何?」


 ニコが目をキラキラさせて聞いてきた。


「おう、俺が悪党と悪魔野郎を、ぶっ潰す時に着る服よ」


 俺はニコに照れながら応える。


「これが、マサヨシ殿がいた世界の国の、男性服……」


 レオーネが頬を染めて俺を見る。

 普段はビシッとした、外国の高級スーツ着るんだけどな。

 だが、和服の方が任侠道らしくていいだろう。

 まずは形から入るのが極道ってもんよ。

 それに、異端審問官共の服をイジって羽織ってやってるから、審問官達のウケもかなりよかった。

 

 しかしいいなあ、着物は。

 落ち着いたら、何着か作って商人ギルド連中に、高値で売り付けるシノギしようかな。


 時刻は夜になり、コルレオーニの情報通り、今のところヤミーの体には傷一つなく、食事の用意もなされてるようだ。

 

 俺とニコと異端審問官達は、商人が買い取った、屋敷近くの空き家に身を隠す。


 そして騎士団連中の警備は、屋敷の近くに営舎もあって1000人規模で常駐してる。

 10人ほど俺が町でぶちのめして、どうこうできる数じゃねえ。

 審問官共も、犠牲者が多数出るだろう。

 あんまり気ノリはしねえが、切り札を使う必要があるだろうな。

 俺は、水晶玉使ってレオーネに頼み込んだ。


 その時、俺の体が光に包まれて、親分の入れ墨が背中に入った状態となった。

 木刀も白鞘付きの、長ドスに姿を変えている。

 この状態になるってことは、ヤミーの身がやべえ!


「突入だ!」


 俺は異端審問官に命令し、屋敷の外を取り囲ませた。

 その隙に、俺はニコと一緒に裏口に回る。

 ボケっと突っ立てる騎士の頭を、峰打ちでカチ割ると、二手に分かれた。

 そして白い鎧着た、でっかいカエルみてーな外道が、ヤミーの手を引いてるのを見つけ出す。


 さあて、ケジメの時間だぜ外道めが。 

 ついでに時代劇で見た、気の利いた口上でもするとしよう。

ヒロインがいないと、全然歯止めが効かない主人公

元は極悪非道なヤクザで、小物だからしょうがないですね。

でも、そのヤクザ根性どうにかしないと、そのうち苦しいことになりそうだなあ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ