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祈り
あざとさを
可愛さに変える
勘違いする僕は
君の仕草に
どうしても
心惹かれる
いっそのこと
僕が女の子に
生まれれば
良かったのかも
もし文学の神が
力を貸してくれるなら
僕は他になにもいらない
もしも
すでにエロスの矢が
僕の胸を貫いているのなら
ダフネ恋慕のアポロンかも
どうか神さま
見捨てないでください
いままでのように
あなたの用に
侍らせてください
ヨブのように
灰を被り
李賀のように
どうか不遇のまま
死なせてください
あとすこし
このままの人生を
送らせてください
若くて
なにも怖れなかったのに
いまさら何を失うと
いうのでしょうか
あなたは
いまのまで良いのです
たとえ
誰かに
実らぬ恋をしたとしても
家族を愛するあなたは
そのままで良いのです
ただの誘惑なのです
僕にとっては
学ぶことが
いまさらあるでしょうか
ただ
人の生きざまを
共に笑いながら
隣人として
同じ塵として
いま
なぜあなたは
あえて光を
隠そうとするのですか