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<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕と彼女と友人の本音

作者: EternalSnow

ちょっとした一人称の高速書き練習。

誤字脱字、先に多謝!

R-15は保険。大丈夫だとは思う。



 僕が中学を卒業して、高校に上がるとき。

 久しぶりにあった幼なじみは、別人になってしまっていた。



 彼女と会ったのは幼いときの話。まあ幼なじみなんだから、幼いとき以外あり得ないわけなんだが。

 僕は毎日彼女と遊び続けていた。

 同い年で隣に住んでいたこともあって、すんなりと受け入れていたと思う。

 春には日向ぼっこしたり、

 夏には川で水遊びをしたり、

 秋には花火をしたり、

 冬には雪をぶつけあったり、

 そうして遊び続けていたのは、小学校5年生くらいまでだった。


 クラスのみんなが男女間で対立していたこともあって、運動神経が比較的よかった僕は、男子の筆頭として結構女子にいやがらせしていた。特に幼なじみだった彼女には、辛い思いをさせたとかそういう話じゃない。

 結構男っぽかった彼女は女性のグループになじめなかったのか、僕と一緒にバカばっかりしていた。

 スカートめくりとか、そういうバカなことだ。


 でも、それも彼女が親の都合で転校してしまって、僕はなんだかさみしくなってしまった。

 それから、僕は様々なことを中学で経験した。


 今まで、彼女が居たから僕はやっていけたんだと実感していた。

 宿題は難しい。数学という名前に代わってから、一切わからなくなった。

 彼女と一緒に宿題していた時は、結構楽しく解けていて、難しくなかったのに。

 中学で知り合った友人と遊んでいても、なんかかみ合わない。

 なんというか、彼女が僕に合わせてくれていたんだと、なんとなく実感してしまった。


 部活動を中学になって初めて、めいいっぱい打ち込んだことだけが唯一誇れることで、その推薦で僕は高校に上がった。

 そしてクラス発表の時、ふとした拍子に彼女の名前を見つけた。

 真田さなだ 優紀ゆうき

 僕の幼なじみの名前。

 それから、僕は高校生活が楽しみになった。

 また、アイツとバカできるのかな? すっげえ楽しみだった。


 でも、年月が経っていて、僕が彼女を見たとき……違いすぎてホントわからなくなった。

 名前が一緒なだけなんじゃないか? そう思ってしまうくらいに。

「どうかしましたか? 滋野しげのくん」

 すごくわからなくなった。

 短く乱雑に切った髪だったのに、伸ばした髪がつやつやしていて。

 ニヤニヤと笑っていた笑顔が、ふんわり笑うようになっていて。

 女の子だってわかっていたのに、前より全然女の子らしくって。

 前見たいに名前で呼ばれることもない。もう忘れられたんだろうって理解できてしまった。

 だって、こんなにもかわいくなってるなんてわからなかったんだから。

 まるで別人だって思ってしまったんだから。


「いや、なんでもねえよ」

 名字が近いことで近い出席番号だったから、隣に座っていたから、こっちを見ていたから、彼女は疑問を口にしたんだって理解できてしまった。

 なんか自分がちっぽけでバカに見えて、さっさと部活に行きたかった。


 放課後が過ぎ、部室に向かう。

 入学前から部活に顔を出させてもらっていたからすでに場所は理解していたし、自分のロッカーも貰っていたからささっと服を着替えて体育館に向かった。

 僕がやっているのは、バレーボール。男子ではマイナーではあっても結構しんどいスポーツだ。

 元々、運動神経がいいことと、中学に知り合った親友と一緒にやっていただけだった。

 まさか推薦もらうことになるとは思ってもいなかったけどね。


「んじゃ新入部員の自己紹介を頼む」

 顧問の先生の言葉で、一人ずつ自己紹介していく。

 同じクラスの奴も何人かいて、僕は無難に自己紹介を終えて……最後に彼女の自己紹介になった。


「一年A組の真田 優紀です。

 マネージャーをやったことないので、わからないところはあると思いますが頑張りますのでよろしくおねがいします」

 なんで優紀ちゃんがいるのか、わからんかった。

 こんなマイナーな部に女子マネが入るなんて思ってもみなかったらしく、先輩も含めて笑顔であった。

 普通に美少女といっていい彼女なんだから、それもそうとも言えるのだが、なんだか気に入らなかった。


 昔はこんな奴じゃなかったのに。

 そんな言葉が頭をよぎった。




 それから2週間たち、今現在の話だ。

 僕は窓際の席を手に入れて、のんびり窓から外を見ていた。

 ぼんやりしていたとかそういうのではなく、ただ毎回ここでいつもの光景となったものが見られるからだ。

「好きです! 付き合って下さい」

「えっと……。気持ちはありがたいんだけど、ごめんなさい」

 これ見よがしに、毎回裏庭と呼べる場所で告白を断っているのが見えた。


「あーダメだったか。まっ高嶺の花な真田さんだし、鈴木には荷が重かったか」

「そーらしーな。まぁ僕には関係ないけど」

 同じバレーボール部で中学校時代からの親友の松田くんが言葉をかけてきたけど、ぶっきらぼうに言葉を返す。

「ま、やしがに(確かに)。俺らが同じ男バレのマネに手ぇ出しても面倒この上ない」

 彼は独特な口調でへらへらと笑う。

 僕より大きい身長でめんどくさそうに窓を見ているのを見ると、もうちょっと身長がほしかったなーなんてちょいちょい思う。

 松田め、理不尽な。


「知ってっか? マモ」

「な、なに?」

 突然の松田の言葉にびっくりして、言葉を返す。結構真剣な表情しているのがうかがえる。

「真田さんをくまさんが告白して玉砕したらしい」

「ぶっ! 熊さん玉砕したの!?」

 先輩でエースの熊田さん。長身で松田とレギュラー争いしてたから、松田が調べたのだろう。だけどそこまで調べてるものなんだろうか?

「ああ、マジマジ。俺ら以外の先輩も同級の奴ら全員天使って呼んでるらしい。

 俺らも天使って呼ばなアカンのかな?」

「はぁ!? なんで僕が優紀ちゃんを天使呼びしないとダメなんだよ!」

「いや、みんな呼んでるなら空気読まなきゃダメかなと。

 俺、彼女いっから天使呼びしてたんバレたら殺されそーなんだが」

 そう肩をすくめる松田。奴はリア充というやつだ。妬ましい。

 というか、優紀ちゃんを天使ねえ。呼べるわけねえじゃん。

 なんかコッチをニヤニヤしながら見てる松田がうざい。

「まっちゃん。なんでニヤついてんだよ」

「いやぁー? ニヤついてないよ? マモ何言ってんの?」

 ニヤニヤが加速しているコイツの顔面に拳叩き込んでやろうか?

 でも、コイツ喧嘩もすっげえ強いからな。殴ったらやばいよな。ちぃ、忌々しい。


「まぁ、とっとと誰かとくっつけと思う。

 正直、バレーに興味もない奴が見学にきて、すっげえうざい」

 事も無げに言い切る松田。正直、俺もバレーそこまで興味ないんですけど。推薦もらってるから止めんけど。




「よし、練習終了。自主練したいしマモー。トスあげてくんね?

 基礎トレもいいけど、特打ちしたい」

 毎回練習が終わったら自主トレを欠かさない松田。今日も今日とて、セッター志望の僕にトスをあげてほしいらしい。

「あーちょっと休憩してからでいいか? マジきつい」

「りょ。んじゃそれまで俺サーブ練習してるわ」

 そういって、ボールを上に放り投げて、ラインを踏み越えないように打ち込んでいた。

 綺麗な縦回転ですさまじい音と共に、コートにボールが突き刺さる。

 突き刺さるボールがこっちまで戻ってくるのを拾い、なんども打ち込んでいた。

「ほんっと奴はやべぇ」

 今日の一年は体力トレーニングが主だったし、僕を含む一年のほとんどが息を切らして座り込んでいる。

 同中の林田くんと一緒にジャンプサーブと言うさっきの一連動作を繰り返し続けている。

 というか、アイツらマジ化け物だわ。僕にはついていけん。


「マモー。休憩終わったらオレにもあげてー」

「おーう。ちょい外出て涼んでくるわ」

 林田にもそう言われて、僕はタオルをもって外にでる。

 少し暮れた空に風が吹いて涼しい。


「なぁ優紀ちゃん。俺と付き合わねえ?」

「えっと、熊田先輩? 前にもその前にもちゃんとお断りしたはずなんですけど……」

 そんな声が聞こえた。

 結構疲れがたまってて、よく聞こえんかったのかもしれん。

 熊田先輩は紳士な人だし、そう何度も言っているのかと耳を疑った。

「いや、心配しなくていい。俺と付き合うのが気おくれするのはわかるが、嘘を言わなくてもいいんだ」

「はぁ? いえ、ですから……」

「キミのような子がバレー部を見に来たんだ。なら、俺以外考えられない」

 えっと、なにこれ。これ見ててよろしいのでしょうか? 熊さんってナルシーだったのね。


「だから、まずはお互いを知り合おう。

 大丈夫、最初は優しくする。怖がらなくても、最初はだれでも怖いモノだから」

 肩を震わせている優紀ちゃん。

 いや、マジないわ。でも、なんかすっげえ腹立つ。

 あれだけガサツで粗暴な優紀ちゃんでも、怖いんじゃないのか?

 いや、そもそも今のアイツは、昔とは違っておとなしいし、動けないんじゃないのか?

 だったら、早く助けねえと。


「せん」

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 声を掛けようと立ち上がったところで、優紀ちゃんが雄たけびと共に先輩の頬をひねりを加えて殴りつけた。横回転しながら吹っ飛ぶ先輩に、優紀ちゃんは激高しながらマウントを取って殴り始めた。


「てっめぇ、マジいい加減にしろよ!!

 おとなしくしてりゃあつけあがりやがって……必要以上に顔近づけんな!!

 口臭きっついんだよ!! 部活中に香水つけんな!!

 マジ消えろ!! ナルシストのド変態野郎!!

 マジでキモイ! キモイキモイキモイキモイ!」

 僕が思ったことほとんど代弁してる優紀ちゃんは、ひとしきり殴り終えると息をふーふーさせながらアイシングパックをもってコッチにくるのを見て、僕を認識したらしい。

 立ち上がって法然としていた僕をバツの悪そうな目で見る。


「えっと? 真田さん?」

「……なによ、笑えばいいじゃないの」

 突然、また肩を震わせながら言う優紀ちゃん。

 えっ!? 僕もあんな風に殴られるの? いやいや、マジないわ。怖っ。


「どうせ、どうせ私は女の子っぽくないわよ。」

「はい?」

「やっぱガサツじゃんとか思ってんでしょ。もういいわよ、どうせ私には女の子っぽくできないわよ。

 必死に言葉遣いも直したけど、どうせ付け焼刃ですよ。笑いたければ笑えばいいじゃない」

 ふいっと僕の前を横切り、アイシングパックを置く。

「優紀ちゃん? それどゆこと?」

「はぁ!? まもるが言ったんでしょ。少しは女の子っぽくしろって!」

 ええ!? そんなこと言いましたっけ?


「私が引っ越すときに、優紀ちゃんにはできないかもしれないけど、少しは女の子っぽくしたほうがいいよ。そのほうが、かわいいって……。」

「え゛っ!!?」

「まさか、覚えてないの?」

 そのまさかです。まったく記憶にございません。

 でも、そんなこと言えば、熊さんみたいにボコボコ? やばい。

「そんなことないよー。きっちーーーりぃ覚えてるさぁー?」

「じゃあ、なんで何も言ってくれないのさ。

 私、葵が好きだって言ったのに。どうして、返事をくれないの?

 ずっと待ってたのに。そのためにマネージャーにもなったのに」

 冷汗がダラダラでてる。何も覚えてないんだってわかって、冷汗が止まらない。

 えっとヤバイ。すっげえヤバイ。なんか嬉しいけど、なんかやばい。


「いや、僕も優紀ちゃんのことが、危ない優紀ちゃん!」

「えっ!? 葵!?」

 のんびりここで話している内に、熊さんが起き上がって拳を振り上げていた。

 優紀ちゃんを守って僕は体育館の壁にたたきつけられた。

 なっさけねえ。意識が飛びそうだ。

「熊田先輩、いきなり何を!?」

「うるせえ! こっちにこい。さっきの礼をぶふぉ!」

 ボール? なんだバレーボールじゃないか。どうして、こんなものが。

「はは、だっせえな。らしくねえなマモ」

「松田くん!?」

 くつくつ笑う松田が見えて、アイツが打ったボールだって理解できた。

「優紀ちゃんに当たったらどうすんだボケぇ!」

「そりゃすまん。だけどさ、マモ。俺が外すと思うか?」

 途中から声に出ていたらしく、自信満々に言うコイツはホントすげぇと思う。

 やり方が悪いけど。


「んじゃ、特打ちは明日でいいや。マモは真田さんと帰りなよ。

 俺は熊さんと話しあっからさ」

 拳を鳴らしながら言う松田。というかお前なんで。

「さっさといけ、ここで見逃したらお前の親友なんて名乗れなくなるわ。

 それに、真田さんとさっちゃん親友らしいし、見捨てたら殺されるわ」

 そうおどけながら、俺の荷物を渡してくる。優紀ちゃんの手を握って部室に走る。

 優紀ちゃんの荷物は部室の近くにあるし、部室に行く以外に選択肢はない。


「なんで、松田くんを助けないの!?」

「優紀ちゃんを逃がしたら、助けに行く」

 叫びながら優紀ちゃんは慌てながら言う。

 けど心配はない。だって、松田だから。

「でも、私も加勢したほうが」

「優紀ちゃんは女の子なんだから、そんなことしなくていいの。

 僕のために女の子っぽくなったんなら、今日は帰って。落とし前は僕がキッチリつけるから」

「でも、そんなことしたら推薦で入ったのに」

「でもじゃないさ。もしそうなったら、

 そうだな。また勉強教えてよ」

 そういって、部室に向かう。

 そこには、松田の彼女の高山こうやま 咲夜さくやさんがのんびり待っていた。

「ありゃ? ゆうちゃんに、マモくん?」

「ちょうどいい。高山さん、優紀ちゃんと一緒に帰ってあげてくれないかな?」

「えっ? でもそれなら、キミが帰ってあげた方が」

「僕は松田とやらなきゃいけないことがあってさ。悪いけど頼めない?」

「あー、しょうがないなー。ゆうちゃん、邪魔になるし帰ろっか」

「……葵、大丈夫なのよね?」

「大丈夫だ。僕は結構、喧嘩強いんだからさ」


 二人が帰っていくのを見てから、僕は体育館に戻る。


「先輩。人の恋路邪魔してんじゃねえっすよ」

「何言ってやがる。お前がそうしたんだろが。ったく、人に悪役押し付けやがって」

「しゃあねえっすよ先輩。マモのバカこうでもしないと気付かなかったでしょーし」

 三人が談笑していた。

 熊さんと松田と林田だ。

「今頃、真田はアイツの腕の中か? ああ、全くけしからん。女作る暇があるなら練習しろ」

「あんだけの演技した先輩がいいます?

 というか、先輩やりすぎっすよ。殴ることなかったでしょうに」

「いやいや、俺も想定外だった。いやマジで、女に意識飛ぶくらい殴られるとか初体験だったわ。

 アイツが立ち上がったとき、よしって思ったのになー。マジ想定外、油断していいの何発も貰ったわ」

「だらしねえっすよ先輩。でも、これでアイツも彼女持ちかー。松田ー合コンしたい」

「はぁ? 今は優勝が目標でしょ。何言ってんの林田くんは、ホントにもう」


「そっすか。お前ら僕をだましてたのか。そゆことか。」

「「「げぇ!? マモ!!?」」」

 すっごくイラついてるのに冷たく冴えわたる感じがする。なんだろう今なら、あの時の優紀ちゃんの気持ちすっげえわかるわ。








 それから、僕は昔とは別人になったかわいい幼なじみと恋人になった。

 お互い、恥ずかしくて言えんかっただけで、好き合っていたのがみんなにとって歯痒かったらしい。

 ニコッと微笑む彼女は可愛すぎて、なんか昔の時が夢みたいだった。

 でも、女の子っぽくといっても外面だけで、結構素が出ていて、つい言ってしまった。


「でもやっぱ、僕は素の優紀ちゃんの方が好きかもしれないわ」

「変われっていったり、変わるなって言ってみたり、もう」



 あ、ちなみにあの三人は後で優紀ちゃんに謝りに来てた。

 松田は高山さんにガチで殴られてたらしく、赤い紅葉が頬についていた。

 ざまぁみろ。




 高速書き練習作品。だけど実際にあったお話。

 名前とか部活とか色々変えてるけど、分かった人は黙秘願う。

 ただ、私がどこポジかは分かるまい(笑)

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