☆第2話 ウサギちゃんの日常《ハートフルストーリー》
二話目です。隣はバトッていますが、こちらは?
die deutsche offizielle Zustimmung von nächster Woche, es ist ernst(来週のドイツ検定が大変だね)
Das ist richtig.Das Kind, das es machen kann, wenn es macht(そうだね。でも~七海は出来る子だからね)
Ou tomber en moi (私なんて落ちるかも…)
Es ist AMIseine britische Sprache.(亜美、それフランス語だよ)
「…………」
友達の英会話、いやドイツ語会話の笑い話に私は全く着いていけずわからないまま歩いている。
いつの間にか私の学校はグローバル化が進んでいるらしい。最近、外国に行ったりして休んでばかりだからかな、学校の授業に着いていけない…。ほんと、学校とか休んでじゃ駄目だよね
「はあ、そんなに外国語とか必要なのかな」
別に私はグローバルな仕事に就きたい訳じゃない。確かに、今は色んな国の人達と交流しているけど、それは一時的に過ぎない。いつか別れが来る。国に帰れば会うことは難しくなる。
「なら、最初から会わない方が悲しくないんじゃないかな…」
ちょっと悲観的に過ぎるかもしれないな。今はネットがあるから、画面の中でなら会えるけどね。
それにしてもみんな頑張ってるな~。私も勉強しないと、私がしたい事が出来なくなる。とりあえず、私の得意分野から…
「…そういえば私って、何が人より優れているんだろう」
特に勉強ができる訳でも、できない訳でもない。何が得意なこともないし、仕事と掛け合わせたい趣味もない。例えば私の参加しているリレーメンバーの実力、才能は計りしれない。
クスノキさんは進学校で学年で1、2を争うくらい頭が良いらしい。
ユーミンさんは人の上に立ち、財力と統率力に優れて、大国をまとめている。
ソウゲツさんは一から世界屈指の犯罪組織を作り上げたカリスマ性を持っている。
ドラゴンさんは謎解き、潜入が得意だからスパイの職業を選んだって言っていた。
ウィキペディアさんは人智を越えた軍隊格闘術、ナイフ捌き、戦闘機パイロットを保有している。
マナツさんは勇者としてのポテンシャルを発揮して、混沌に向かう世界を救ったとか(本人談)
ゾークさんは生まれた時から、次世代魔王としての職務が決定していた。
キャットちゃんは…人が知らないような膨大な情報を持っている?らしい。
……この八人がいたら世界をものに出来そうだな、と思っても仕方ない。
なら、私は? 周りから見て、“普通”の私に何ができる?
私は自分の手を見る。何もない自分の手を…。
「例えば、私は…この手で何ができるんだろう」
その問いに誰も答えてはくれない。それは自分しか答えられない、一つの謎なんだと思う。
―――――――――――――――――――――
友達と別れた私はまっすぐ家に向かわずに、あるホテルに向かった。もちろん休憩所と言われている一時間何千円とかのへんなホテルではない。
私が来たのは一泊何十万くらいの高級感あふれるホテルだ。もちろん私の家ではない。
「誰かいるかな…」
ホテルの門をくぐり、自動ドアの前で指紋認証などのセキュリティをクリアして中に入る。受付のような場所にはガードマンがいるけど、特に話をせずに顔パスで通る。
「呼び止められたら、びっくりするけどね」
エレベーターに入り、三階に向かう。三階に着くと長い廊下を歩くと一つのドアがある。そう、階一つしか部屋…住居はない。つまりこの三階全てが私達の使用スペースになっている。あまりに広すぎるて、誰も使わない部屋もいくつかあったりもする。
私はドアノブに手をかけて、扉を開ける。
「こんにちは」
私が扉を開けるとそこには20畳程のリビングがある。ちなみにアメリカンスタイルのため、土足OK。そして
「あ、ウサギさん。こんにちは」
私と同い年のクスノキさんがいた。
クスノキさんは千葉在住の進学校の特進クラスにはいる程頭が良く、運動神経は抜群のスーパー高校生。しかし、中身は残念な紳士キャラである。
「今日はクスノキさんだけですか?」
「はい。皆さんはまだ帰ってきていません。ユーミンさんは今テレビにでていますよ」
まだ帰ってきてないのか。部屋に備えている50インチのテレビには確かユーミンさんが他の国の首脳会談をしている。GMRとか世界会議に行ってしまったのだっけ。
クスノキさんは台所に立ち、コーヒーや紅茶の用意をしている
「ウサギさんは何を飲みますか?」
「いいのですか? なら、私は紅茶でお願いします」
近くのソファーに座って、私はクスノキさんに飲み物を頼んだ。クスノキさんはニコリと笑って紅茶の粉…
手に取らずに、冷蔵庫から紅茶のペットボトルを…
「作るのではないの!?」
「冗談ですよ。今温かい紅茶を入れますね」
ペットボトルをしまい、紅茶を作っていく。最初からそうして作って欲しかったです。そう思いながら、私は部屋を見渡すとある事に気付く。
「そういえば、キャットちゃんは?」
キャットちゃんとは黒猫である。しかし、ただの黒猫ではない。人語をしゃべり、小さな少女の姿にもなれる、不思議な黒猫である。
「キャットさんなら、近所の公園に遊びに行きましたよ。なんでも「今日は砂の場の砂を、全て我が家に持って帰る!」って張り切っていましたね」
「あとで近所の警官から苦情とか来ないと良いですけどね」
子供の発言だから可愛く聞こえると思うけど、とんでもない事しようとしてる。大丈夫かな。
「遊び疲れたら、ちゃんと返しますよ、きっと」
「だと良いですけど…」
…不安だ。不安しかない。本当に大丈夫かな。すると、クスノキさんが紅茶を持ってきてくれた。
「どうぞ、ウサギさん。味はドラゴンさんには敵いませんが、それなりにおいしいと思います」
「紅茶の本場、イギリス人が淹れた紅茶と比べても仕方ないですよ」
ドラゴンさんの紅茶はおいしいですからね。今ドラゴンさんは前に海底遺跡で見つけた古代文字の解明するために、自国に戻って研究している。もうすぐしたら帰ってくるらしいけど、歴史マニアなのかな。
「それに比べて、ウィキさんはまだ帰ってきませんね」
「中国でナイフを買ってくるって聞きましたけど、何故中国まで?」
「多分、大国の一つとして色々と買い漁れると思ったのかもしれませんね」
たまに思いきった事をするよね、ウィキさん。まあ、楽しんでいるなら、いいのだけど。
「一番行方不明なのは、あの三人ですね」
「ああ…、ソウゲツさんとマナツさんとゾークさん?」
本当に何処行ったんだろう。マナツさんとゾークさんが言うには「凄いもの造ってくる!」と言っていたけど、大丈夫かな。ソウゲツさんも手伝いに連れて行かれたからな。
まあ、ソウゲツさんがいないおかげでこっちはもの凄く平和だけどね。
「ソウゲツさんに聞かれたら、銃を乱射されそうですね」
「この場にいない人に銃を乱射とか出来ませんよ、クスノキさん♪ それにソウゲツさんが1人をここに残したら、あのサファイアボールが無くなっちゃいますよ」
私がゆびをさす所には、前に海底遺跡で発掘して(けして奪ってはいない)きたバスケットボールサイズのサファイアがある。歴史的価値とサファイア自体の大きさで値段がつけられない程の莫大なお金になるとユーミンさん談。
「何回ソウゲツさんがそれを奪おうと、襲撃したかわかったもんじゃないですよ!」
「お金が絡むと更に悪どさが出てきますから驚きます。ソウゲツさんの場合は。私も何回巻き添えを食らった事か…」
私にはクスノキさんが銃弾を食らっても生きている事が驚きなんですけどね。
「まあ、それはそれとして…平和ですね♪」
「全くですよ。はあ~紅茶が美味しいな♪」
今日も私の日常は平和だ~。良かった、良かった♪
そして、クスノキさんの美味しい紅茶を飲んでいく。
作者もティータイム♪
はあ、美味しい
ん、隣が爆発音とか金属音とかうるせいな!
ガラッ(窓を開ける)
「うるせいぞ! 静かにしろ!」
ガタン!(窓を閉める)
「えっ、だれだ、今の!?」
「コウタ! よそ見しないで!」
たく、美味しいオレンジジュースが不味くなるぜ。