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五話
決められていることに意味はない。
物を投げれば重力に引かれ、雨が降れば水たまりができ、大気が充満していることに意味はない。
空虚広がりたる場所に意味を与えるという意味なき行い。
存在することに意味はない。
循環が保たなくなるまで廻るだけ。
ラスボスはどこにいるのだろう。
俺は歩き、探す。
「おーーい!出てこい!」
叫ぶとラスボスが現れた。
そこに形はないし、意思もないがそこにはラスボスがあった。
俺は空を切るパンチをする、するとラスボスは倒れた。
何もなかった場所からドラゴンが現れ死ぬ。
こいつがラスボスだ。
「これで俺の役目は果たされた」
「そうしたのは無意味に存在することを許されたことへの感謝であり、服従ではない」
俺は天を睨みつけ拳を構える。
「……この先俺は道の先ではなく、そこから続かない何処かへ行く」
本当の戦いが始まる。




