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3/12

3:1人目の攻略対象

アレクサンダー・ノクターン。1人目の攻略対象だ。


彼の設定は確か、主人公の2学年上の3年生。

クールで自分にも他人にも厳しい性格だが、心を開いた相手には少し甘くなる…いわゆる乙女ゲームのクール系キャラのポジションだ。


すらっとしていて背が高く、黒髪と鋭い目つきがまさにそのキャラクターにぴったり合っている。近くで見ると想像以上にイケメンだった。


「君、ずっと僕を見ているけど何か用かな。」


アレクサンダーの冷たい視線がこちらに突き刺さる。彼の視線は、まるで「なんだこいつ」という感じだ。


(あれ?この場面ってこんな感じだったっけ?

確かにここでアレクサンダーと出会うシーンだけど…)


「あ、あの、君から少し不思議な匂いがするな〜って思って…」


(あれ?俺、何言ってんだ?これじゃあ完全に変態じゃん!)


恐る恐るアレクサンダーの顔を見ると、彼は親の仇でも見るような目つきで睨んでいた。


(あちゃー、言葉の選択を完全にミスったか?

すごい怒ってるみたいだぞ…。)


「ご、ごめんなさい!ほんと、気持ち悪いですよね!ごめんなさい!!」


慌てて俺はその場から逃げようとしたが、アレクサンダーに腕をがっしりと掴まれた。


(いやいや、さっきはめっちゃ怒ってたじゃん!ここは見逃してくれよ!)


「寮生か?」


「え?」


「君は寮生なのかと聞いているんだ。」


「あー…はい。今日から寮に入る予定です。」


「ちっ、新入生か…。」

何故か不機嫌そうに俺の手を離した。っていうか、今舌打ちしたよな?


「はぁ…君はいつまでここにいるつもりだ。入学式に遅れたいのか?会場はあっちだ。」

アレクサンダーは校舎から少し離れた大きな建物を指さした。


(腕を掴んで引き止めたのはそっちだろ…。)


そう思ったが言葉を飲み込み、俺はアレクサンダーにお礼を言って入学式会場へ向かった。


「この新入生は調べておくか…。」

アレクサンダーは去っていく俺の後ろ姿を見ながら、そう呟いた。

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