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98日目
「エルゼン」
「ラーナを生き返らせる」
「それは、取引に応じるってことか」
「魔王が現出した今、どうすることもできぬ。あいつには借りもあるからな」
「………」
「タンク」
「ついていくさ。ここまで付き合ってきたんだ」
「恩に着る」
ラーナはバラを散りばめた棺に寝かされていた。
「エルゼンさん……」
彼女の頬に触れる。
「よかった」
「ああ、息をしている」
「エルゼンさん、タンクさん……なんて馬鹿なことを。魔王との取引など百害あって一利なしです」
ラーナは不思議と何もかも察していた。
「………」
私は、何かを言おうとして、何も言えず、ただラーナを抱きしめる。
「エルゼンさん」
「行こう、友よ」
魔王との謁見に向かった。