87日目
「では、この鯨から脱出する方法を話し合います」
私たちは甲板の上に座って円を作っている。
「もう一度口を開けるのを待ったらどうだ」
「海水に押し戻されてしまいます」
タンクの浅い考えは船員がつぶした。
「便として排出されるのを待つしかないか……」
「それは最終手段にしたいですね」
ウィンザムの提案は保留となった。
フィーネが手を上げた。
「鯨さんを殺してしまうのはあ、どうですかあー」
ウィンザムが瞬膜を瞬かせる。
「お前な、それは……」
「この世は弱肉強食ですよおー。鯨さんのおなかをやぶって出るしかありませえん」
船長が首を振る。
「協定を考えれば避けるべきかと。鯨は保護生物に入っています」
魔術師が声を上げる。
「転送魔法を使えば乗客だけでも避難させられるかもしれません」
「一体何か月かかるんだ」
「それは……その……」
ラーナが顔を上げた。
「ただいまパヴァティ海軍の支援がこちらへ向かっています。皆さんで協力できれば、鯨を傷つけずに船ごと脱出できます」
「どうやって?」
ラーナは答えた。
「申請は通っています。内なるものを外なるものへ。大規模転送魔法を行います」




