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86日目
愚痴を言いながらだが、ウィンザムは流木を集めて来てくれた。
フィーネはずっと寝ころんだままだったが、歌で耳を楽しませてくれた。
「今日は喧嘩はせんのか」
「いいよ、腹が減るだけだ」
「わたしはいつでもおー相手になりますけどねえー」
鯨の中には漂流物が入ってくる。
ゴゴゴゴ、と胎動するのはその合図だ。
「ん」
大型船が丸ごと入って来た。
「どわーッ!」
「あららあ」
「どんだけでかい鯨なんだ」
甲板から手を振る影がある。
「エルゼンさーん」
「ラーナ、タンク!」
船を降り、小魚の群れを踏みながらこちらへ駆け寄ってくる。
「どうしましょうか、これから」
「……私たちもちょうど考えていたところだ」