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84日目
「鳥が魚に食べられるなんてえ、絵本みたいで面白いですねえ」
「また何か言ってるよ。脳の軽い魚類が」
鳥と魚が口論している。
「このままここにいては消化される」
鯨の中には様々な漂流物がある。
使えるものがないか胃袋の中を漁った。
「骨もおしりも軽い鳥類さんが歌っていますねえ」
「ハアーッ! 繁殖で言ったら魚のほうがへんてこだろうが、男が女になったりよ!」
「デリケートな話やめてもらえませんかあ。あ、ちなみにわたしはぴちぴちの未分化ですう」
「この変態!」
「合理的と言ってほしいですうー」
流木を乾かして火を起こした。
「あったかあい」
「この魚焼こうぜ」
フィーネを指してウィンザムがブラックジョークを飛ばす。
「今は生き延びることを考えよう」
鯨が飲み込んだ小魚を串に刺しながら私は言った。