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72日目
小高い山を登った。
日当たりのよい尾根には草花が生い茂っている。
「ほほう……タイム、セージ、モーリュ……豊富な種類が揃っておるわ。くくく……」
「これ食えるか?」
「味見してみたらどうですか」
「根っこごと抜けば鮮度は保てるぞ……」
シローの言葉通り根っこを残す。
引っこ抜いた草をタンクがしがむ。
「舌がピリピリする」
「でしょうね」
「毒だとわかってるなら止めてやれ」
「まあ使えそうなので持っていきましょう」
適当なものを持ち帰るために摘む。
「くくく……はははは……」
シローは怪しく笑うだけだった。