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71日目
港へ来ていた。
「香辛料は海を渡ってくる……コショウにパセリ、塩すらも産地によって風味を変える……」
「あんまり好きじゃないんだよな。辛いのって」
タンクの言葉に私は頷く。
「素材の味をそのまま楽しみたいからな」
ラーナが袖を引く。
「これ、かわいいでしょう」
土産物店で買ったのだろう。小さなドラゴンのぬいぐるみだ。
「この子に似ていて」
「ホヒーー」
「そうだな」
ロバ竜をなでる。
港をあとにした。
「くくく……はははは……」
シローは怪しく笑うだけだった。
帰りがけに市場で塩を買った。