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67日目


「お嬢さん、この店で携帯食だけ買うなどもったいないよ……」

「誰ですか、この人」

「シローだ。酒場で知り合った」


 私は棚を見たままラーナに答えた。


「はじめまして、ラーナと言います」

「礼儀正しいお嬢さん、この店の真価は野菜売り場にある。ついてきなさい……」


 シローは真っ白な野菜を手に取った。


「年に十株しか取れない幻のホワイトマンドラゴラ。通常のマンドラゴラと違いえぐみもなく含有魔力も格段に高い。美食を制するもの魔王を制すと呼ばれる所以の一つでもある……」


 味見用に置かれた皿に、ナイフで切り取ったかけらを置く。


「食べてみなさい」

「野菜は嫌いです」


 ラーナは携帯食の棚へ戻って来た。


「ちなみに美食を制するもの……という格言ですが、魔物の本来の恐ろしさは戦闘能力ではありません。人類に擬態し人類同士を疑心に陥れるその攪乱能力にあって、食事を楽しむという行為によって……」


 ラーナの講義が始まった。

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