63日目
「おれのは女性らしさを押し出していく」
タンクが提案を始めた。
「曲線的なプロポーションはもちろん、フリルも全開だ。足元は堅めだが上が甘め。甘辛コーデでいく」
仲間の趣味が炸裂していくのを見守る。
しかしこれにもグルデは吠えた。
「破廉恥です」
完全に見下していた。
「無駄な装飾が過ぎます」
「し、しかし女性の美しさを」
「こんな格好で男の情欲を煽って冒険ができますか!?」
グルデの声が工房に響いた。
静寂が場を支配する。
「おれは……好きな格好で冒険がしたい」
タンクがか細い声で言った。
夜。
「逃げませんか」
「私も考えていた」
このままグルデに付き合っていても埒が明かない。
ヤーム・タへの旅を急いだほうがいいのではないか。
「おれは、好きな格好で冒険がしたいし、そうしたい女性の味方でありたい」
タンクは妙なスイッチが入っていた。
「それは女が勝手にやるわ。ブランドなんぞ立ち上げても選ぶのは結局女だしな」
「自分も好きでこの格好ですし」
着たきりのラーナが言う。
「逃げようなんて思ってませんよね」
窓の外からグルデが覗いていた。
「キャアーッ!!」
カーテンで隠した。
「明日こそ本気で考えてきてください。でなければ許しませんよ……」
恐る恐るカーテンを開くとグルデはいなくなっていた。
「キャラバンには呪詛を使う魔術師がいると聴きます」
「今その情報いるか?」
戦々恐々としたまま就寝した。




