48日目
またも畑は荒らされた。
罠に収穫はない。
「残った毛の種類、遺伝子情報から残り二体かと思われます」
「そこまでできて、なぜ回復魔法や『月止め』ができないのだ?」
「得手不得手があるのです」
ラーナは魔法薬の入った試験管を鞄にしまった。
「残りはワーラビットとワーベアです」
「ウサギとクマか……」
「人兎も侮ることはできませんよ。村民を調査しましょう」
「一か所に集めて問いただすことはできぬのか」
「それには長老の協力が必要ですね。現状無理ですが」
「セリナ、ワーウルフだったんだってな」
「ワーボアです」
村民のラルフは眉間を押さえながら続けた。
「ショックだよ。彼女、結婚を控えてたっていうのに」
「どなたとですか」
「北の家のパシー。そのパシーが籠って出てこないんだ、慰めに行ってやってくれ」
そのセリナを殺した張本人が慰められるかわからないが、パシーの家を訪ねるだけは訪ねた。
「出て来られませんね」
「仕方ないだろう」
「魔物化した人間は殺すしかないとはいえ、悲しいな」
西の工房のテイダは薪を割っていた。
「南の家のカーチスがこのところ変なんだよ。仕事中に独り言を言っててさ、昨日も寝坊してきたし」
「他に怪しい人は」
「クコーは平和な村なんだ。人狼なんて信じられないね」
「人兎と人熊です」
「寝坊は本当だ。しかし独り言は、このところ悩み事があって」
「悩み事とは」
「他人に言えることではない」
「では、いつからの悩みですか」
「先月からか、ケツから……ああいや、テイダによろしく」
「はい。それでは」
カーチスの家を後にした。
「収穫があったのはこのくらいですね」
村民全員の家を訪ねて回ったが、ラーナの言う通り、気になったのはこの四件だけだった。
■キャラクターしょうかい
バスト・エルゼン:騎士♀。巨乳を理由に追放された。
狩りは得意。
ラーナ・ケインベルグ:パヴァ国付きの宮廷魔術師♀。
やる時はやる。
タンク:戦士♂→♀。身長も胸もでかい。
昔、ウサギを飼っていた。
ロバ竜:魔法生物。よくわからない。
◆クコー 田舎の村。
ザラ:村長。エルゼンたちを信用していない。
ノース:副村長。発言力が弱い。
メルバ:占い師。発言力がある。
セリナ:パシーの婚約者。人猪だった。死亡
ラルフ:パシーの友人。
パシ―:セリナの婚約者。
テイダ:陶器工房の職人。
カーチス:職人見習い。




