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46日目
地元住民がかけた罠の位置を教えてもらい、私たちは見張りに立った。
夜。
縄を齧る音がする。獣のそれだ。
罠が作動する。
私は罠に近寄り、暴れるそれにナイフでとどめを刺した。
しかし、被毛のない肌の感触に気付く。
明かりをつけた。
死体は半分が人間、半分がイノシシの特徴を晒していた。
「ワーウルフか」
タンクが言う。
魔王の力によって、夜の間だけ獣に姿を変えさせられる者だ。
魔物の一種だが、人間でもある。
「いえ、ワーボアと呼んだほうがいいでしょう」
ラーナが細かい訂正をする。
「半魔が一人だけとは限りません。朝になったら報告しましょう」