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45日目


「魔法生物と魔物の違いですが」

「ホヒーー」


 ロバ竜が嘶く。

 私はあくびをこらえた。


「知っとる」

「いえ、話しておきたいのです。誤解されてるような気がして」


 何に対してだ。

 ラーナは勝手に話を続ける。


「大気中や体の中の魔力を使って奇跡を発生させるのが魔法……対魔物法力です。それによって生み出されたのが魔法生物。無からすべてを作り出せるわけでありません」

「ホヒーー」

「高度な魔法生物を作ろうとすると魔力を多く消費します。一定値を超える魔力消費は生命を脅かすため国ごとに申請が必要です」


 今も大気中の魔力を吸って、ロバ竜は指先ほどの高さで浮かんでいる。


「しかし魔物は、魔力を消費しません。夜に現れることが多いため月の光を動力源にしてるとも考えられますが、詳細は不明です。昼間も月は出ているので」

「魔物の中には魔法を使いこなすものもいる、という話は」


 タンクが質問する。


「かつて魔物と誤解されていた種族もいます。その伝承が歪んで伝わったのかと」

「なるほど」

「仮にいたとしても魔物の中でも長命で、なおかつ人間社会に溶け込んだ存在ですね。ありえません」


 私もラーナに質問した。


「私の『胸を大きくする力』は、魔王の力と同じような物なのか?」

「今は、可能性が高いとしか」


 すっきりしないまま話は終わった。




 私たちはクコーに立ち寄った。

 小さな田舎の村だ。


「ヤーム・タは東の島国です。カナロで大型船に乗る必要がありますね」

「金がないぞ」

「パヴァティに戻れたら自分の貯金を崩してきますが」

「……借りを作る気はせんな」


 『フランブワヤ』に協力したことを思い出し、私は首を横に振る。


「あるいはエルゼンさんの懸賞金を当てにする道ですが」

「知っておったなら提案するな」

「これは王子の妃候補になった際に取り下げられています。王子の命を狙う気がないことは私が逐次報告しています」


 私は息を吐いた。安心と呆れが混ざっている。


「また加工場でクラーケンでも捌くか?」

「今の季節ならカリュブディスですかね」


 バーテンと話していたタンクが戻って来た。


「依頼、あったぞ」


 魔物から畑を守るという内容だ。


「本当に魔物か?」

「野生動物かもしれませんね」


魔法に関するあれこれは「俺が死のうとすると~」と共有しているようでしていません。


■キャラクターしょうかい


バスト・エルゼン:騎士♀。巨乳を理由に追放された。

 すっきりしない時は体を動かすに限る。


ラーナ・ケインベルグ:パヴァ国付きの宮廷魔術師♀。

 すっきりしない時は「いずれころすリスト」を更新する。


タンク:戦士♂→♀。身長も胸もでかい。

 すっきりしない時はたくさん食べる。


ロバ竜:魔法生物。よくわからない。


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