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11日目


 カナロに到着した。


「依頼をこなすぞ」

「そうですね」


 『フランブワヤ』からせしめた前金はあるが、金はいつか尽きるものだ。

 私とラーナは依頼を探して、ついでに騎士団の募集がかかっていないか酒場を渡り歩く。


「ほう、海の怪物クラーケンか…相手にとって不足なし」




 私たちは港の加工場でクラーケンの肉を捌いた。


「………」

「………」


 骨を取った肉は細かく刻まれて塩辛になるらしい。

 日払いでそこそこの給金を貰えた。


「何事も地道が一番ですね」

「……あっお前、何を食べている」

「隣のおばあさまからいただきました」

「私にはないのか!?」

「ホヒーー」

「うるさい!」


 ロバ竜を殴った。魔法障壁の鱗にはまるで効いていなかった。

 ラーナが庇う。


「……すまん」


 雑穀糖を口の中で溶かしながら宿を探した。


「ところでラーナ、お前はプリン王子が好きなのか?」


 何とはなしに訊ねてみた。


「ええ、好きですよ。幼い頃からよく遊んであげていました」


 ラーナは懐かしむように言った。


「どういう遊びだ」

「王子を穴に落とす遊びであるとか、王子の大事な靴を木の上に引っかける遊びであるとか、王子の……」

「もういい」


 私はこの少女の性格が、なんとはなしにわかった。

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