表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

7.楽しい休憩時間

 時計の針は三時を差していました。

「エイブルさん、それからどうなったの?」

 休憩になったとたんに、同僚の一人のエリーゼが話しかけてきました。

 さっきのお昼休みの間に、同僚達と昨日の休日は何をしていたかという話題になった時、エイブルはにこにこと笑顔で白耳子豚のたんたんの話をしたのです。

 それで、同僚の中でも一番興味を持って話を聞いていたエリーゼが、話の続きをせがんできました。

 エイブルは、エリーゼから話しかけてくるなんて、今までになかったことが起きて顔を赤らめながら、昨日の休日に起きた出来事を詳しく話します。


「エイブルさんが、パンケーキを焼こうとしたんでしょ?」エリーゼが聞きます。

「そう、パンケーキを焼こうとして…。それで、バターを出すのを忘れてたから、冷蔵庫に行こうとしたらいつの間にか、たんたんが自分の足元にいたんだよ。」

「たんたんは、それまでどこにいたの?」

「たんたんは、ソファーのクッションの上がお気に入りの場所で、いつもそこにいるんだ。昨日も僕が棚からパンケーキミックスを出した時は、絶対そこにいたんだ。」

「うふふ、それなのに、いつの間にかキッチンに来てたの?」

「そうなんだよ。それにたんたんって、いつもは床を歩くとタンタンって音がするから、そばに来てるなんて思わなかったんだ。」

「それで、それで?」

「それで、わぁ、たんたんを踏んじゃうーって思って、上げた右足を頑張ってたんたんの向こうに下ろそうとしたんだ。」

「うん、うん。」

「たんたんを踏まずに済んだのはいいんだけど、それで僕がバランスを崩しちゃって、テーブルにガタガタってちょっと寄りかかっちゃって。」

「うん、うん。」

「で、はずみでテーブルに乗せてたボウルが床に落ちちゃって。」

「うん、うん。」

「中のパンケーキミックスが床にざあーって。」

「うん、うん。大変だったねー。」

「うん、相当大変だった。」

「で、たんたんもびっくりしてたみたいで、固まってた。」

「そうなの?」

「うん、固まってるから、たんたん大丈夫?って抱き上げたら、なんかね黙ったまま、すーって目を逸らしたんだよ。」

「あ、私ん家のトイプーもそれやる!」

「トイプー?あ、トイプードル飼ってるんだね。」

「そうなの、家のルーちゃんとっても可愛いんだよ!」

「ルーちゃんって言うんだ。」

「そうなの、でね、いつもは抱っこしてー、撫でてーってすごく甘えてくるのに、何かいたずらして怒られるーって思ったら、抱き上げても、目をこうやって逸らすの。いつもはすっごくペロペロしてくるのに。」


 そこへ、もう一人の同僚が近寄ってきて、

「話がはずんでるとこ悪いけど、休憩終わりだよー。」と二人に声をかけました。

「あ、いけなーい。」慌ててエリーゼが持ち場に戻ろうとして、「また聞かせてね。」とエイブルに言ったので、エイブルも

「うん、また。」とにこっとして返したのを、

「ふふふふーん。」と横で見ていた同僚がにやにやしながら、ひやかしたので、エイブルは顔を赤らめながらそそくさと持ち場に戻りました。


 エイブルは、楽しい気持ちで仕事にとりかかります。

(休憩時間がこんなに楽しいなんて、本当にたんたんのおかげだな…。たんたんは今頃どうしてるかな。)

 そうエイブルが思った頃、白耳子豚のたんたんは、どうしてだかエイブルの家のソファーの上ではなく、家の外の芝生の上に転がっていました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ