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 もう、こと切れている部下の死体を見下ろし、浜松拝司は、覚悟を決めた。


 里親に虐待され、家出し、生きるために、犯罪組織に入らざるえなかった、大切な弟分であり、今の想い人である守を守るために。


 警察が捜査した組織の情報を調べ、抹消するために、潜入した先で、出会い、想い合う合う関係となったが、他の刑事に怪しまれたことと、組織のボスに命令によって、組織と偽装した違法取引の摘発し、その最中に撃たれたということで、死を偽装し、別れることになった高田光彦を守るために。


 

 もう、後戻りをすることは出来ない。


 

 失敗をすれば、自分は大切なものを失ってしまう。

 成功しても、自分にもたらされるのは、組織のボスを殺した自分に対する粛清による死だ。


 しかし、大切なものを守るために、浜松拝司は覚悟を決めた。

 

 

 

 浜松拝司の父親は、坂城佐助の父親に部下として仕えていた。

 父親と言っても、それは本当の父親ではなかった。

 育ての親だ。

 

 まだ子供の頃、毎日殴りかかってくる父親が嫌で、家を出てた先で、拾ってくれたのが、その人だった。


 彼は、自分を育てるだけでなく、母親の生活を支援してくれた。

  

 恩がある彼に言われ、警察の情報を探るスパイとなるために、警察学校に入学し、刑事となった。

 

 そこで、高田光彦に出会った。

 彼と恋人関係になったのは、偶然だった。

 坂城は、自分が高田と恋人関係になったことを知ると、激怒した。


 彼は自分と高田が出会う前から、ずっと高田に執着していたらしい。


 偽りの違法取引をでっち上げて、自分を死んだことにさせた。

 高田のことは、愛していたが、育ての父親への恩のために、坂城の命令に逆らうことは出来なかった。

 

 彼と別れてから、自分と同じように親から虐待されて家を出た守と出会った。

 彼の面倒をみるうちに、彼を愛するようになっていた。

 

 二人を殺すことなど出来ない。

 二人を殺させるわけにはいかない。


 拝司は銃を構え、スコープ越しにターゲットに照準を合わせ、引き金を引いた。

 

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