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 ゾォン!

 

 銃声が鳴った。

 

 一般の人間なら、低く、低く、響き渡ったその音が、銃声だと分かるものは、日本人の中には、少ないだろう。

 きっと、ほとんどの人間が神社の鐘の音と勘違いする筈だ。

 

 

 その音を銃声と聞き分けられたのは、実際に銃を撃ち、銃が鳴らす音を聞いて、知っていたからだ。



 銃声に反応した高田光彦は、姿勢を低くし、銃声が放たれた方向へ視線を向け、場所を見極めようとした。

 

 しかし、目を凝らそうとした瞬間、その視界の隅で赤い飛沫が上がった。

 

「湯沢!?」


 視界を真横に向けると、相棒の湯沢幸篤が右肩から赤い飛沫を上げながら、歩道へ崩れ落ちようとしていた。


「湯沢!」

「来るな!」


 固いコンクリートにぶつかってしまう前にその体を支えようと光彦が手を伸ばそうとすると、声と一緒にその手が支えようとした湯沢の手がはじいて止めた。

 

「おい、湯沢、どうして!?」

「馬鹿が、射線に入ってくるんじゃねぇ! 二人揃ってやられちまったら、どうするつもりだ!

それに、市民の安全を確保することが、俺たちの仕事だろうが!」



 幸篤に言われて光彦は周りを見回す、人は大勢いるわけではなかったが、そこそこの人影あった。

 

 今しがた、響きわたった音に、不思議そうな顔をしている者もいれば、気にせず手元のスマホに熱中しているもの、路面に倒れ込んだ幸篤に驚いているもの、様々だ。

 

「すまん、湯沢、自力で物陰に隠れてくれ!」


 光彦は言うと、周りの人間に向かって、姿勢を低くし、物陰に隠れるように指示を出す。


 それと同時に、仕事用のスマートフォンを取り出し、救急車と自分たちの所属する公安へと連絡を入れた。

  

 

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