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月桃館503号室の男 ~黒衣の刺客~  作者: 山極 由磨
第三章・過去からの追撃
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過去からの追撃 その6

手斧を振りかざして突っ込んできた奴の、まずは腕を取って顔面に正拳を叩き込む。右横から蛮刀もって駆け込んで来たのは、空いた拳をを裏拳にして顎をブチ砕く。

 左横の肉包丁の尾っぽのあんちゃんには、溝尾落ちに蹴りを食らわせ。また正面から突っ込んできた牛角野郎は、振りかざして来た払い下げの軍刀を半身で交わし、がら空きになったわき腹めがけ手刀を滑り込ませる。肋骨、折っちゃったかな?

 新手の蛮刀野郎のまずは刃を避けた後、奴の山羊角をしっかりつかみ膝のあたりに俺の踵をブチ込んで、オジキ姿勢になったところで顔面目掛け膝を叩きつける。匕首を腰だめに突っ込んできた黒い毛むくじゃらは、半歩下がって攻撃を避けつつ、首筋の毛と背中の毛を掴んで勢いを付けて窓から放り投げてやった。卑怯にも後ろから切りかかってきた奴が居たので、避けるついでに回し蹴りをこめかみ辺りに炸裂させ、同じように突っ込んできた豚尾には、避けつつ腕を取って玄関から向かいのゴミ箱目掛け投げつけてやる。

 奥の扉で人の気配がしたので視線をやると、二列水平の散弾銃を構えたサイ角。奴らが座っていた長椅子を蹴り上げ垂直に立てるとまたそれに蹴りをいれサイ角めがけて飛ばしてやる。

 かなり高級そうなそいつは、サイ角が放った散弾を打ち砕かれながらも受け止め鉛玉を拡散させる。そして俺はサイ角めがけて突進。あたふた次弾を装填しようとしている隙に顎を蹴り上げ気絶させる。

 街中に流されてる散弾は鳥撃ち用ってのが相場だ、仕事は道具だぜ、サイ角の兄さんよぉ。

 奥へ進むと、右の部屋から巻尾が左の部屋からは肌角がそれぞれ手斧と蛮刀をもって襲って来たが、巻尾には顔面への正拳をぶち込み、肌角は襟首を掴んで巻尾が出て来た部屋の扉に叩きつけ、奥からぶち毛の野郎が匕首を構えて駆けて来たが、よいよめんどくさくなった俺は、背中に吊るした20式を連発にして奴足元に一連射してやると、腰を抜かして引っ込んでいった。

 突き当りの部屋の扉を蹴り破ると、途端に鉛玉が2、3発すっ飛んできた。

 入り口の陰に隠れ、20式だけ部屋の中に突き出して乱射する。弾倉が空に成るとまた装填して撃ちまくる。暫くすると金ぴかの小型拳銃が俺の足元に転がされて来た。


「こ、降参だ!た、助けてくれ!」


 入ってみると、俺がグチャグチャにした部屋の片隅で小っちゃく成ってる男を見つけた。


「アンタがここの親玉のコン・ヌーさんかい?」


 千切れんばかりに首を縦に振る。


「じゃぁ、教えてくれるか?3日の日からガキ見たいなナリの凄腕の殺し屋に狙われてる。得物は先が鉤みたいに曲がった内反りの蛮刀、兎も角すばしっこい。俺に対する手下どもの対応が荒っぽかったところを見ると、心当たりがあるんだろ?」

「言える訳無いだろ?特務の旦那。俺たちの商売の暗黙の掟だ」


 俺は一歩踏み出し、コンの胸倉をつかむ。あ、いけねぇ奴の漏らした小便踏んじまった。


「あのさぁ、世の中にゃそんな掟なんかより大事なもんが有るだろうがよ」


 そして奴の口に20式の銃身を突っ込んだ。


「歌えよ、でねぇと頭の後ろの風通しが良く成るぜ」


「しゃべるしゃべる」といった風に言った様に聞こえたので銃身を引き抜くと。


「名前も素性も知らねぇ、ただアンタと同じまほらま人で、喋り方やあのクソ偉そうな態度から言って、帝国の軍人って事は間違いねぇ。3千圓って大金を俺の前に積んで『殺って欲しい相手は特務機関の将校、それも相当の手練れだ。確実に仕事をこなせる奴を見繕え』ってぬかしやがった」

「俺の命は3千圓ぽっちか?ま、いいや。それで、どんな奴を見繕ってやったんだ?」

「この2年ほど前から南の方で売れ出して来た一匹狼の殺し屋で、まだガキだが腕は確かだって評判の奴だ。どこの種族の奴かは解らねぇ、なんぜずっと頭巾の付いた黒い円套を着てやがったからな」


 ほぼ、ヤツに間違いないだろう。それに雇い主もクズギかその配下に違いない。

 ここで聞けることはこの程度だろうと、俺はコンの背広の襟で20式の銃身を丁寧に拭って背中の銃嚢に収めた。


「聞きたいことはだいたい聞けたから、此処で失礼させてもらうわ」


 部屋を出る間際、コンは俺の背中に向かって。


「そう言えば、アンタの命を狙ってる奴ぁ、あのガキの殺し屋をみてエライ喜んでたぜ『これは良い買い物をした『雲霧林の戦鬼』の末裔に違いない。あいつの悪運もこれで終わりだ』ってな。そうならない様に、精々頑張りな」


『雲霧林の戦鬼』?なんか聞いたことがあるなぁ


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