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説明を受けた。

なんでも、魔族とヒト族が戦争中で、特に負けそうというわけでもないけど勝てそうもなく膠着状態。

しかし、ヒト族は禁断の召喚術、勇者召喚を行った。

それに対抗して魔族の奥の手、魔王召喚を行った。


ああ、これあれだ。異世界召喚ものだ。

なお、勇者召喚で出てきた勇者は逃亡したらしい。

フェードアウト系勇者だったみたい。

今頃ハーレムでも作って静かに生きたいとか言いながら建国準備でもしてるだろう。


だがそれならなおの事良い。


「まず休戦だ」

「「……は?」」


こいつらハモった。見た目は皆んなバラバラなのに息は合ってるのね。良い事だ。

各種族代表の視線が俺に集まっている。


「だから、休戦。使者を送れ。戦争なんぞさっさとやめろ」

「いや、しかし」

「戦争でヒト族は滅せないし、環境を破壊するだけだ。やめろ」

それは地球の歴史が証明している。戦争で一時的に人口は減るが、その後またすぐ増える。

勇者の様な最強一点の存在がちらほらいる様では根絶やしも難しい。

戦術核並みのテロリストとか勘弁してほしい。


コツは、責任の所在を曖昧にする事と、信じたいものを信じさせる事だ。





「魔王様、ヒト族の連中ふっかけてきました」

人狼である。名前は「ロウ」覚えやすい。

俺の耳には遠吠えみたいに聞こえたのだが。ゥロォウゥゥゥ、みたいな。

どうやら人間の組織でいう所の宰相とか大蔵大臣とか、そういうポジションらしい。

狼は犬より脳の容積大きいらしいし。

あの熊はそのまんま、軍のトップ。

名前が人間の俺には発音が難しかったので「プウ」と名付けた。

プーではない。怖い。7つの玉に纏わる某物語のキャラクターからだ。断じて血塗られたチョッキの熊からではない。

ヨーダ? あいつはヨーダだろ。

なんでもゴブリンディスティニーとかいう種族らしい。

運命ってなんだよ。フリーダムとかもいるのか?


そして、例の山羊角美女は魔法省のトップ。

学術的な部分はこの魔法省が司っている。

文部科学省と軍の研究部門合わせたみたいなもん?

ヨーダは騎士だった。ヨーダだしな。

魔族と一括りに言っても色んな種族がいるため、パワータイプとテクニカルタイプがいて、ヨーダはテクニカルタイプのトップ。


そんな4人プラス俺魔王。

この5人が国のトップらしい。

あと、各部族の代表が城に詰めている。

国と言っても実際は州境の無い合衆国とか共和国に近いみたいだが。

一応、絶対王政な権力が俺にはあるらしい。


俺達5人がいる会議室に休戦合意の条件を持ってきた伝令は、人狼。足早そうだし。

めんどくさい話だが、部族、種族でまとめて同じ部署にいるというわけではないらしい。

この人狼はプウの所の、つまりパワー系軍人の1人だ。


「うむ」

ロウが伝令から受け取った書状に一度目を通した。罠対策らしい。魔法って怖い。

「魔王様、ヒト族の連中ふっかけてきました」

俺は書状を受け取って目を通す。

なんで言葉が通じるのかとか、なんで文字が読めるのとか、そんなもん、お約束とか、仕様とか、そういうものなんだろう。

読めないよりは読めた方がいい。


「金銭と土地の割譲はかまわん。だが、奴隷はやれん」


相手もこれが全部通るとは思っていないだろう。

うまく落とさせてやらんと。


「魔王様! そんな弱腰な! 戦線は拮抗しております! 譲歩の必要などありません! むしろヒト族どもに条件を突きつけてやるべきです!」

プウが立ち上がった。デケェよ。

「どんな条件を? 金? 土地?」

「そんなもの要りませぬ! 血を! 不当に差別され、虐殺されてきた我が同胞達の犠牲に見合う血をヒト族に要求します!」

奴隷どころか生贄を欲しがるという……

熊は獲物に執着するっていうけど、どうなんだこれ……

「ヨーダ、お前はどう思う」

「ふむ…… 私は魔王様に従います。金銭はまぁ、所詮山から掘り出したものですし。ただ、土地は割譲するにしてもなるべく少なくして頂きたい。我々にも住む場所、糧が必要です」

ホントにゴブリンかこいつ。ゴブリンディスティニーってなんなの?運命のゴブリン?もっとヤンチャな厨二病坊主じゃないの?

「ロウは」

「さて。要求された額の黄金はあります。しかし払えば蔵はほぼ空になってしまうでしょう。よろしいのですか?」

「いいよ別に」

魔族経済にも黄金製の貨幣は流通しているが、自作や物々交換が主で、地球風に言えば未熟な経済なのだ。

黄金にしても、人間の様に金銭的な価値は見出だしておらず、魔力を保存できたり高効率で伝導できる資材価値に重点がある。

希少価値もあるにはあるのだが、これもやはり人間ほど重視してはいない。

黄金が貨幣の様な引換券ではなく物々交換の一つとしてとらえられている。地球貨幣経済原初の形のまま。

地球の金も良い素材だが、金銭的な価値の方が先行している。この世界のヒト族も同じらしい。

戦争中でも各国の商人はこっそりと魔族の国に来て商品の売買交換をしていて、その際に黄金が使われたりもする。

主に東の海岸線でそんな闇取引が行われていた。

魔族の国は結構緩い。毒とか持ち込まれたらどうするんだよと思ったが、それはそれ、うちと取引のある商人の情報を他所の国に渡してしまえば、偉い人たちは商人の財産を喜んで取り上げるだろう。

戦時下において蔑まれる武器商人でさえ、ある意味、人々の熱狂に惑わされないまともな連中と言える。

太平洋戦争中でも市場は閉じなかったぐらいだし。


「そんなわけで、魔法省には悪いが、黄金を使わせてもらうぞ」

「はい。魔王様の仰せのままに」


羊角美女が頭を下げた。






日本の糖尿病患者は300万人を超えたらしい。

調べた俺自身びっくりした。

桁が違うんじゃないかと。

だって、日本の人口は一億六千万だ。

60人に1人は糖尿病なんて……

もちろん、なりやすさや年齢によるバラツキはあるだろう。

それに、誰もがおじさんみたいに重度ってわけじゃない。

だけどこれは……


糖尿病と疑われる人の数に至っては、1000万人とされている。


だが、それは減少傾向にあるらしい。


最近の若者は戦後の人より栄養とっていないという。

この言葉の栄養とはカロリーの事だ。

厚生労働省の指標は、カロリーベースで語られる。

食料自給率もカロリーベース。

そして日本には米がある。油には及ばないが、カロリーの高い食物だ。

それでも食料自給率が3割。


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